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公開番号2025014901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117843
出願日2023-07-19
発明の名称紫外線防御被膜の形成方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A61K 8/37 20060101AFI20250123BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】皮膚上に、紫外線防御能及び持続性に優れる均質な被膜であって、使用性及び耐久性の良好な紫外線防御被膜を形成する方法を提供すること。
【解決手段】紫外線防御剤含有組成物を皮膚に塗布する工程(1)と、
基材上に形成されたナノファイバーシートであって、水不溶性ポリマーによりナノファイバー構造が形成されたナノファイバーシートを、工程(1)適用後の皮膚に転写する工程(2)とを有する、皮膚上に紫外線防御被膜を形成する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紫外線防御剤含有組成物を皮膚に塗布する工程(1)と、
基材上に形成されたナノファイバーシートであって、水不溶性ポリマーによりナノファイバー構造が形成されたナノファイバーシートを、工程(1)適用後の皮膚に転写する工程(2)とを有する、皮膚上に紫外線防御被膜を形成する方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記基材が、繊維シートである請求項1記載の紫外線防御被膜の形成方法。
【請求項3】
前記水不溶性ポリマーが、高温多湿環境下(40℃90RH%下で24時間静置)での吸湿度が1%以下のポリマーである請求項1又は2項記載の紫外線防御被膜の形成方法。
【請求項4】
前記ナノファイバーシートが、水不溶性ポリマー及び粘着性ポリマーを含有する、請求項1~3のいずれか1項記載の紫外線防御被膜の形成方法。
【請求項5】
前記ナノファイバー中の前記水不溶性ポリマーの質量を(M1)、粘着性ポリマーの質量を(M2)としたときに、M2/(M1+M2)の値が0.05以上0.60以下である請求項1~4のいずれか1項記載の紫外線防御被膜の形成方法。
【請求項6】
前記粘着性ポリマーが、高温多湿環境下(40℃90RH%下で24時間静置)での吸湿度が1%超40%以下のポリマーである請求項4~5のいずれか1項記載の紫外線防御被膜の形成方法。
【請求項7】
前記ナノファイバーシートにおけるアミノ酸系エステル油の含有率が10%以下である、請求項1~6のいずれか1項記載の紫外線防御被膜の形成方法。
【請求項8】
基材上に形成されたナノファイバーシートであって、水不溶性ポリマーによりナノファイバー構造が形成されたナノファイバーシートと、紫外線防御剤含有組成物とを備える、皮膚上への紫外線防御被膜形成用キット。
【請求項9】
前記基材が、繊維シートである請求項8記載の紫外線防御被膜形成用キット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚上に紫外線防御被膜を形成する方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、日焼け止め化粧料には、皮膚への紫外線照射を遮断して高いSPF(Sun protection Factor)値を得るために、紫外線防御剤が配合されている。
しかしながら、これらの紫外線防御剤を含有する化粧料は、耐水性、耐汗性が低く、汗などにより皮膚から消失するという欠点がある。また、皮膚上には、多くの凹凸があるため、塗膜が薄い箇所ではSPF値が低くなる。さらに、塗膜が、衣服や指などの皮膚との接触により消失するという問題もある。
【0003】
これに対し、静電スプレーによって被膜を形成する方法が種々知られている。例えば特許文献1には、皮膚に化粧用ファンデーションなどの組成物を静電スプレーすることを含む皮膚を処理する方法が記載されている。しかし、この特許文献1に記載の静電スプレーによって形成された被膜は、皮膚との密着性が十分でなく、衣類や皮膚との接触によるファンデーションの色移りが起こるものであった。
そこで、本出願人は、紫外線防御剤含有組成物を皮膚に塗布する工程と、成分(a)及び成分(b)を含有する組成物を直接皮膚に静電スプレーして皮膚上に被膜を形成する工程とを、この順で又は逆の順で有することを特徴とする皮膚上への紫外線防御被膜の製造方法を報告した(特許文献2)。
(a)水、アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質、
(b)被膜形成能を有するポリマー。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-104211号公報
特開2018-177795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、紫外線防御剤含有組成物を皮膚に塗布した後、噴霧用組成物を直接皮膚に静電スプレーして皮膚上に形成された被膜は、前記紫外線防御剤含有組成物の塗布領域において、坪量が一定にならなかったり、被膜全体としての均質性が十分に得られない場合もあり、塗布領域全体に均質の紫外線防御効果が得られないことがある、という課題があった。
従って、本発明は、皮膚上に、紫外線防御能及び持続性に優れる均質な被膜であって、使用性及び耐久性の良好な紫外線防御被膜を形成する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、紫外線防御剤含有組成物を皮膚上に塗布した後、基材上に予め形成されたナノファイバーシートであって、水不溶性ポリマーによりナノファイバー構造が形成されたナノファイバーシートを、前記組成物適用後の皮膚に転写することにより、簡便な操作で、紫外線防御剤を皮膚上に均一に分布させることができ、均質かつ持続性のある紫外線防御効果が得られることを見出し、本発明を完成した。さらに、ナノファイバーシートの成分として、水不溶性ポリマーに加えて、粘着性ポリマーを併用することにより、高温又は高湿度の条件下であっても、ナノファイバーシートの転写性、なじみ、外観(透明性)、膜持続性が良好になることも見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、紫外線防御剤含有組成物を皮膚に塗布する工程(1)と、
基材上に形成されたナノファイバーシートであって、水不溶性ポリマーによりナノファイバー構造が形成されたナノファイバーシートを、工程(1)適用後の皮膚に転写する工程(2)と、を有する、皮膚上に紫外線防御被膜を形成する方法を提供するものである。
また、本発明は、基材上に形成されたナノファイバーシートであって、水不溶性ポリマーによりナノファイバー構造が形成されたナノファイバーシートと、紫外線防御剤含有組成物とを備える、皮膚上への紫外線防御被膜形成用キットを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡便な操作で、紫外線防御剤を皮膚上に均一に分布させることができ、均質かつ持続性のある紫外線防御効果が得られる。また、ナノファイバーシートの成分として、水不溶性ポリマーに加えて、粘着性ポリマーを併用した場合には、高温又は高湿度の条件下であっても、ナノファイバーシートの転写性、なじみ、外観(透明性)、膜持続性が良好になる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様は、
紫外線防御剤含有組成物を皮膚に塗布する工程(1)と、
基材上に形成されたナノファイバーシートであって、水不溶性ポリマーによりナノファイバー構造が形成されたナノファイバーシートを、工程(1)適用後の皮膚に転写する工程(2)と、
を有する、皮膚上に紫外線防御被膜を形成する方法である。
以下に、工程(1)及び工程(2)について説明する。
【0010】
工程(1)は、紫外線防御剤含有組成物(以下、UV組成物ともいう)を皮膚に塗布する工程である。
UV組成物に用いられる紫外線防御剤としては、紫外線散乱剤及び紫外線吸収剤が挙げられる。
このうち、紫外線吸収剤としては、特に有機紫外線吸収剤が好ましい。有機紫外線吸収剤としては、油溶性のものが好ましく、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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