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公開番号2025032614
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023137989
出願日2023-08-28
発明の名称情報処理システム
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人南青山国際特許事務所
主分類B65G 57/03 20060101AFI20250305BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】複数のオブジェクトを荷役台に効率的に配置することができる情報処理システムに関する。
【解決手段】情報処理システムは制御部を具備する。制御部は、荷役台に積み付けるオブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得し、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、1以上のグループを作成し、オブジェクトの寡占状態を算出し、オブジェクトの数情報と寡占状態に基づいて、予め用意したスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの1つに前記荷役台を分類して、前記荷役台のカテゴリを決定し、決定したカテゴリに対応付けられたスコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの荷役台への配置位置を決定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
オブジェクトの荷役台への積み付け時の配置位置を決定する情報処理システムであって、
前記荷役台に積み付ける前記オブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得し、
前記オブジェクト情報を用い、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして前記荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、１以上のグループを作成し、
前記オブジェクト情報を用い、前記グループに属するオブジェクトの数が、全体のオブジェクト数に対してどの程度あるかというオブジェクトの寡占状態を算出し、
前記オブジェクトの数情報と前記寡占状態に基づいて、予め用意した複数の積み付けの評価関数それぞれの重み係数の集まりを表すスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの１つに前記荷役台を分類して、前記荷役台のカテゴリを決定し、
決定した前記カテゴリに対応付けられた前記スコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定する
制御部を具備する
情報処理システム。
続きを表示（約 4,000 文字）【請求項２】
前記オブジェクトは、順次１つずつ前記荷役台への積み付け位置に搬送されるものであり、
前記カテゴリ毎に複数の前記スコアパラメータセットが用意され、
前記制御部は、
前記オブジェクト情報を用いて、搬送順番が異なる前記オブジェクトのダミー搬送パターンを複数作成し、
前記スコアパラメータセット毎に、当該スコアパラメータセットを用いて、各前記ダミー搬送パターンで搬送されるオブジェクトを前記荷役台に積み付ける積み付け計算を行い、
前記スコアパラメータセット毎に、前記積み付け計算の結果を用いて、作成した複数の前記ダミー搬送パターンの数に対する積み付けに成功したダミー搬送パターンの数の割合である積み付け成功率を算出し、
前記スコアパラメータセット毎に、前記積み付け計算の結果を用いて、作成した複数の前記ダミー搬送パターンで搬送されるオブジェクトを前記荷役台に積み付けたときの空間占有率を算出し、
前記スコアパラメータセット毎に、前記積み付け計算の結果を用いて、作成した複数の前記ダミー搬送パターンで搬送されるオブジェクトを前記荷役台に積み付けたときのオブジェクト群の表面積を算出し、さらに、前記荷役台に積み付けた各オブジェクトの表面積の和に対する前記オブジェクト群の表面積の割合を表す表面積割合を算出し、
前記積み付け成功率、前記空間占有率及び前記表面積割合を用いて、複数の前記スコアパラメータセットから、前記積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定する際に用いるスコアパラメータセットを決定する
請求項１に記載の情報処理システム。
【請求項３】
前記評価関数は、前記積み付け対象のオブジェクトの側面と他のオブジェクトとの接触度に係わる評価関数と、前記積み付け対象のオブジェクトの上面と当該上面と同じ高さにある他のオブジェクトの上面との接触度に係わる評価関数と、前記積み付け対象のオブジェクトの高さに係わる評価関数と、前記積み付け対象の梱が自身と同じ種類のオブジェクト上に配置されることに係わる評価関数と、前記積み付け対象の梱が自身と異なる種類のオブジェクト上に配置されることに係わる評価関数と、前記積み付け対象のオブジェクトの底面に対する、前記積み付け対象のオブジェクトを支持する土台と前記積み付け対象のオブジェクトの底面との接触部分の面積割合を二乗して求める評価関数と、既に前記荷役台に配置されているオブジェクトの上に前記積み付け対象のオブジェクトを配置したときの、前記積み付け対象のオブジェクトの底面に対する下のオブジェクトと前記積み付け対象のオブジェクトとの接触面の面積割合をベースに計算したＨＨ指数で求める評価関数と、前記積み付け対象のオブジェクトを配置した後、前記積み付け対象のオブジェクトよりも後に搬送されるオブジェクトが何か所配置できるかの期待値に係わる評価関数とを含む
請求項１又は２に記載の情報処理システム。
【請求項４】
前記オブジェクトは直方体状であり、
前記制御部は、
上面視で前記荷役台上に仮想的に、格子状にラインを設け、前記ラインにより区画された複数のセルを設定し、
前記ラインを基準にして、前記積み付け対象のオブジェクトの角が重なって配置され得る配置位置候補となるセルを探索セルとして複数抽出し、
前記積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定するのに用いる前記スコアパラメータセットを用いて、前記探索セルそれぞれについて評価を行い、最も評価の高い探索セルを前記積み付け対象のオブジェクトの配置位置に決定する
請求項１から３のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項５】
前記制御部は、前記配置位置の決定において、予め用意した前記探索セルを抽出するための複数の探索方法それぞれを用いて抽出した前記探索セルに対して評価を行い、
前記複数の探索方法は、
基本探索で抽出した探索セルとワイド探索で抽出した探索セルを、評価対象として採用する第１探索方法と、
前記基本探索で探索セルを抽出できる場合は当該探索セルを評価対象として採用し、前記基本探索で探索セルを抽出できない場合は前記ワイド探索で抽出した探索セルを評価対象として採用する、第２探索方法と
を含み、
前記ラインは、互いに直交する又は垂直に位置する縦ライン及び横ラインからなり、
前記基本探索で抽出される探索セルは、前記オブジェクトが配置されていない、又は、配置された前記荷役台を上面視したときに、前記縦ラインと平行な方向でみて高さが変化するラインに隣接し、かつ、前記横ラインと平行な方向でみて高さが変化するラインに隣接し、
前記ワイド探索で抽出される探索セルは、前記オブジェクトが配置されていない、又は、配置された前記荷役台を上面視したときに、前記縦ラインと平行な方向及び前記横ラインと平行な方向のいずれか一方の方向でみて高さが変化するラインに隣接し、かつ、他方の方向でみて高さが変化するライン又は当該ラインを延長した延長ラインに隣接する
請求項４に記載の情報処理システム。
【請求項６】
前記オブジェクトの配置先は、前記荷役台又は前記荷役台とは異なるエリアに設けられる仮置きエリアであり、
前記オブジェクトは搬送順に前記荷役台又は前記仮置きエリアに配置され、
前記制御部は、
前記オブジェクト情報を用いて、複数の前記グループを作成し、
前記積み付け対象のオブジェクトが、前記複数のグループそれぞれに属するオブジェクトと比較したときに相対的に軽くかつ底面が相対的に小さいという条件を満たす場合、又は、前記条件を満たさずかつ前記荷役台への配置が可能でない場合、前記積み付け対象のオブジェクトを前記仮置きエリアに仮置きする
請求項１から５のいずれか１項に記載の情報処理システム。
【請求項７】
前記寡占状態は、ＨＨ指数又はエントロピーで表される
請求項１から６のいずれか１項に記載の情報処理システム。
【請求項８】
情報処装置により実行される情報処理方法であって、
荷役台に積み付けるオブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得し、
前記オブジェクト情報を用い、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして前記荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、１以上のグループを作成し、
前記オブジェクト情報を用い、前記グループに属するオブジェクトの数が、全体のオブジェクト数に対してどの程度あるかというオブジェクトの寡占状態を算出し、
前記オブジェクトの数情報と前記寡占状態に基づいて、予め用意した複数の積み付けの評価関数それぞれの重み係数の集まりを表すスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの１つに前記荷役台を分類して、前記荷役台のカテゴリを決定し、
決定した前記カテゴリに対応付けられた前記スコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定する
情報処理方法。
【請求項９】
情報処理装置に、
荷役台に積み付けるオブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得するステップと、
前記オブジェクト情報を用い、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして前記荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、１以上のグループを作成するステップと、
前記オブジェクト情報を用い、前記グループに属するオブジェクトの数が、全体のオブジェクト数に対してどの程度あるかというオブジェクトの寡占状態を算出するステップと、
前記オフジェクトの数情報と前記寡占状態に基づいて、予め用意した複数の積み付けの評価関数それぞれの重み係数の集まりを表すスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの１つに前記荷役台を分類して、前記荷役台のカテゴリを決定するステップと、
決定した前記カテゴリに対応付けられた前記スコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項１０】
情報処理装置に、
荷役台に積み付けるオブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得するステップと、
前記オブジェクト情報を用い、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして前記荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、１以上のグループを作成するステップと、
前記オブジェクト情報を用い、前記グループに属するオブジェクトの数が、全体のオブジェクト数に対してどの程度あるかというオブジェクトの寡占状態を算出するステップと、
前記オフジェクトの数情報と前記寡占状態に基づいて、予め用意した複数の積み付けの評価関数それぞれの重み係数の集まりを表すスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの１つに前記荷役台を分類して、前記荷役台のカテゴリを決定するステップと、
決定した前記カテゴリに対応付けられた前記スコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定するステップと
を実行させるプログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、パレタイズに係わる情報処理システムに関する。
続きを表示（約 2,800 文字）【背景技術】
【０００２】
例えば洗濯用洗剤、柔軟剤といった家庭用品等の複数の製品のストック及び出荷を担う出荷拠点では、複数の同一製品が１つの段ボールに収容されて倉庫にストックされており、出荷先からのオーダーに基づいて該当する段ボールの出荷処理が行われる。当該出荷処理では、オーダーに基づいて倉庫から出庫された段ボールは、ベルトコンベヤ等で倉庫から積み付け場所まで搬送された後、積み付け場所でパレットへ積み付けられる。一般に、製品の種類は多岐にわたっているため、製品を収容する段ボールは、製品の種類によって、寸法、重量、耐荷重値等が異なっている。また、出荷する段ボール（製品）の種類や数は出荷先からのオーダーから予めわかっているが、倉庫から積み付け場所への段ボールの搬送順番は決まっておらず、パレットへの積み付けの直前まで搬送順番がわからない状態となっているケースがある。このようなケースでは、作業者が、順次搬送される段ボールの寸法や製品の種類を見ながら、安定性を持った配置を即座に判断してパレット上に積み付けていくのが一般的である。当該作業にはスキルが必要であり、スキルが不足している作業者においては効率的な積み付けが難しい。
【０００３】
特許文献１には、物品のサイズに基づいて積付領域を仮想的に分割して部分領域を設定し、部分領域毎に既に積み付けられた物品による現在の高さに重みづけした仮想的高さデータを算出し、当該仮想的高さデータに基づいて、積み付け対象の物品の積付位置を決定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２１－１１３１１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
順次搬送される搬送順番がわからない寸法の異なる複数の段ボール等のオブジェクトをパレット等の荷役台に効率的に配置することが望まれている。
【０００６】
本発明の課題は、複数のオブジェクトを荷役台に効率的に配置することができる情報処理システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の一形態に係る情報処理システムは、オブジェクトの荷役台への積み付け時の配置位置を決定する情報処理システムであって、制御部を具備する。前記制御部は、前記荷役台に積み付ける前記オブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得し、前記オブジェクト情報を用い、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして前記荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、１以上のグループを作成し、前記オブジェクト情報を用い、前記グループに属するオブジェクトの数が、全体のオブジェクト数に対してどの程度あるかというオブジェクトの寡占状態を算出し、前記オブジェクトの数情報と前記寡占状態に基づいて、予め用意した複数の積み付けの評価関数それぞれの重み係数の集まりを表すスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの１つに前記荷役台を分類して、前記荷役台のカテゴリを決定し、決定した前記カテゴリに対応付けられた前記スコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定する。
【０００８】
本発明の一形態に係る情報処理方法は、情報処装置により実行される情報処理方法であって、荷役台に積み付けるオブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得し、前記オブジェクト情報を用い、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして前記荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、１以上のグループを作成し、前記オブジェクト情報を用い、前記グループに属するオブジェクトの数が、全体のオブジェクト数に対してどの程度あるかというオブジェクトの寡占状態を算出し、前記オブジェクトの数情報と前記寡占状態に基づいて、予め用意した複数の積み付けの評価関数それぞれの重み係数の集まりを表すスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの１つに前記荷役台を分類して、前記荷役台のカテゴリを決定し、決定した前記カテゴリに対応付けられた前記スコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定する。
【０００９】
本発明の一形態に係るプログラムは、情報処理装置に、荷役台に積み付けるオブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得するステップと、前記オブジェクト情報を用い、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして前記荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、１以上のグループを作成するステップと、前記オブジェクト情報を用い、前記グループに属するオブジェクトの数が、全体のオブジェクト数に対してどの程度あるかというオブジェクトの寡占状態を算出するステップと、前記オフジェクトの数情報と前記寡占状態に基づいて、予め用意した複数の積み付けの評価関数それぞれの重み係数の集まりを表すスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの前記荷役台を１つに分類して、前記荷役台のカテゴリを決定するステップと、決定した前記カテゴリに対応付けられた前記スコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定するステップとを実行させる。
【００１０】
本発明の一形態に係る記録媒体は、情報処理装置に、荷役台に積み付けるオブジェクトの数情報、寸法情報及び重量情報を含むオブジェクト情報を取得するステップと、前記オブジェクト情報を用い、寸法及び重量の差異が閾値以下のオブジェクトを同一グループとして前記荷役台に積み付けるオブジェクトを分類して、１以上のグループを作成するステップと、前記オブジェクト情報を用い、前記グループに属するオブジェクトの数が、全体のオブジェクト数に対してどの程度あるかというオブジェクトの寡占状態を算出するステップと、前記オフジェクトの数情報と前記寡占状態に基づいて、予め用意した複数の積み付けの評価関数それぞれの重み係数の集まりを表すスコアパラメータセットがそれぞれ対応付けられた複数のカテゴリのうちの１つに前記荷役台を分類して、前記荷役台のカテゴリを決定するステップと、決定した前記カテゴリに対応付けられた前記スコアパラメータセットを用いて、積み付け対象のオブジェクトの前記荷役台への配置位置を決定するステップとを実行させるプログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体である。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

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