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公開番号2025053917
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2023163036
出願日2023-09-26
発明の名称表面処理組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類C09D 201/02 20060101AFI20250331BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】表面自由エネルギーが低い固体表面への適用において、処理された固体表面を自然乾燥のような乾燥速度が遅い条件で乾燥させた場合であっても、処理後の固体の表面外観を損なうことなく、高い親水化効果を有する、表面処理組成物及び表面処理方法を提供する。
【解決手段】〔1〕下記の成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含有する、表面処理組成物、及び〔2〕前記〔1〕に記載の表面処理組成物を、表面自由エネルギーが45dyn/cm未満の固体表面に適用する、表面処理方法である。
(A)ベタイン基を有する構成単位(a1)とイオン性基を有する構成単位(a2)と疎水性基を有する構成単位(a3)とを少なくとも含むポリマー
(B)前記構成単位(a2)のイオン性基の電荷と反対電荷のイオン性基を有する構成単位(b1)と疎水性基を有する構成単位(b2)とを少なくとも含むポリマー
(C)電解質
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の成分(A)、成分(B)、及び成分(C):
(A)ベタイン基を有する構成単位(a1)とイオン性基を有する構成単位(a2)と疎水性基を有する構成単位(a3)とを少なくとも含むポリマー
(B)前記構成単位(a2)のイオン性基の電荷と反対電荷のイオン性基を有する構成単位(b1)と疎水性基を有する構成単位(b2)とを少なくとも含むポリマー
(C)電解質
を含有する、表面処理組成物。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記構成単位(a1)が、下記式(1)で表されるベタイン基を有する構成単位である、請求項1に記載の表面処理組成物。
JPEG
2025053917000010.jpg
61
54
〔式(1)中、

1
~R
3
は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1もしくは2のアルキル基を示し、

4
は、炭素数1以上4以下のアルキレン基、又は-Y
1
-OPO
3
-
-Y
2
-を示し、Y
1
及びY
2
は、同一又は異なって、炭素数1以上4以下のアルキレン基を示し、

5
及びR
6
は、同一又は異なって、炭素数1以上4以下の炭化水素基を示し、

1
は、酸素原子又はNR
7
基を示し、R
7
は、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基を示し、

2
は、R
4
が炭素数1以上4以下のアルキレン基のとき、R
17
SO
3
-
、又はR
17
COO
-
を示し、R
17
は水酸基を有してもよい炭素数1以上4以下のアルキレン基を示し、X
2
は、R
4
が-Y
1
-OPO
3
-
-Y
2
-のとき、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基を示す。〕
【請求項3】
成分(C)の含有量が、0.1質量%以上15質量%以下である、請求項1又は2に記載の表面処理組成物。
【請求項4】
成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の質量比〔(B)/(A)〕が、0.001以上1以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の表面処理組成物。
【請求項5】
成分(A)の全構成単位中の疎水性基を有する構成単位(a3)の含有量が、0.02mol%以上30mol%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の表面処理組成物。
【請求項6】
成分(A)の全構成単位中のイオン性基を有する構成単位(a2)の含有量が、0.02mol%以上30mol%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の表面処理組成物。
【請求項7】
成分(B)の全構成単位中の疎水性基を有する構成単位(b2)の含有量が、0.02mol%以上70mol%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の表面処理組成物。
【請求項8】
成分(A)及び成分(B)の合計含有量が、0.05質量%以上15質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の表面処理組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の表面処理組成物を、表面自由エネルギーが45dyn/cm未満の固体表面に適用する、表面処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理組成物及び表面処理方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
固体表面の親水化処理は、固体表面の水に対する接触角を低下させ、固体表面を水に対して濡れ易くすることにより、ガラス、鏡等の防曇、帯電防止、熱交換器のアルミニウムフィンの着霜防止、浴槽及びトイレ表面等の防汚性付与等の効果が期待できるため、様々な産業分野で用いられ、固体表面の処理及び方法の検討が進められてきた。
【0003】
例えば、特許文献1では、優れた親水化能力を長期間発揮する親水化処理剤を含有する親水化処理組成物の提供を目的として、ベタイン基を含む構成単位と芳香族基を有する構成単位とを含む共重合体、アニオン性界面活性剤及び水を含有する親水化処理剤組成物、及び該親水化処理剤組成物を固体表面へ塗布する親水化処理方法が記載されている。
特許文献2では、高い親水化効果を有する固体表面親水化方法の提供を目的として、ベタイン基を有する構成単位、及び、イオン性基を有する構成単位を少なくとも含む第1のポリマー、該イオン性基を有する構成単位のイオン性基の電荷と反対電荷のイオン性基を有する構成単位を少なくとも含む第2のポリマー、並びに電解質を含有し、該ベタイン基を有する構成単位のベタイン基、第1のポリマーのイオン性基を有する構成単位のイオン性基、及び第2のポリマーのイオン性基を有する構成単位のイオン性基の当量が、所定の条件を満たす表面処理組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-94434号公報
特開2022-161634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表面自由エネルギーが低い固体表面に表面処理組成物を適用して処理し、処理された固体表面を水による湿潤状態から乾燥させる際、高圧窒素ガスの吹きつけといった迅速な乾燥を行う場合には高い親水化効果を有していても、自然乾燥のような乾燥速度が遅い乾燥を行う場合には親水化効果が低下することが判明した。そのため、表面処理組成物や表面処理方法の親水化効果の更なる向上が求められている。また、従来の表面処理組成物では、処理後の固体の表面外観を損なう場合があるため、処理後の固体の表面外観の更なる改善も求められている。
本発明は、表面自由エネルギーが低い固体表面への適用において、処理された固体表面を自然乾燥のような乾燥速度が遅い条件で乾燥させた場合であっても、処理後の固体の表面外観を損なうことなく、高い親水化効果を有する、表面処理組成物及び表面処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ベタイン基を有する構成単位とイオン性基を有する構成単位と疎水性基を有する構成単位とを少なくとも含むポリマー、前記イオン性基を有する構成単位のイオン性基の電荷と反対電荷のイオン性基を有する構成単位と疎水性基を有する構成単位とを少なくとも含むポリマー、及び電解質を用いることにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記[1]及び[2]を提供する。
[1]次の成分(A)、成分(B)、及び成分(C):
(A)ベタイン基を有する構成単位(a1)とイオン性基を有する構成単位(a2)と疎水性基を有する構成単位(a3)とを少なくとも含むポリマー
(B)前記構成単位(a2)のイオン性基の電荷と反対電荷のイオン性基を有する構成単位(b1)と疎水性基を有する構成単位(b2)とを少なくとも含むポリマー
(C)電解質
を含有する、表面処理組成物。
[2]前記[1]に記載の表面処理組成物を、表面自由エネルギーが45dyn/cm未満の固体表面に適用する、表面処理方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表面自由エネルギーが低い固体表面への適用において、処理された固体表面を自然乾燥のような乾燥速度が遅い条件で乾燥させた場合であっても、処理後の固体の表面外観を損なうことなく、高い親水化効果を有する、表面処理組成物及び表面処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[表面処理組成物]
本発明の表面処理組成物は、次の成分(A)、成分(B)、及び成分(C):
(A)ベタイン基を有する構成単位(a1)とイオン性基を有する構成単位(a2)と疎水性基を有する構成単位(a3)とを少なくとも含むポリマー
(B)前記構成単位(a2)のイオン性基の電荷と反対電荷のイオン性基を有する構成単位(b1)と疎水性基を有する構成単位(b2)とを少なくとも含むポリマー
(C)電解質
を含有する。
【0009】
本発明によれば、表面自由エネルギーが低い固体表面への適用において、処理された固体表面を自然乾燥のような乾燥速度が遅い条件で乾燥させた場合であっても、処理後の固体の表面外観を損なうことなく、高い親水化効果を奏することができる。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
従来、表面自由エネルギーが低い固体表面に表面処理組成物を適用して処理した直後においては、処理された固体表面が水により湿潤状態にある場合には、親水的なベタイン基を有するポリマー薄膜が該固体表面に均一に吸着することができ、高い親水化効果を発現する。しかしながら、処理された固体表面の乾燥過程においては親水的なベタイン基を有するポリマー薄膜が液滴化し、いわゆる脱濡れ現象が起こり、該ポリマーの親水的なベタイン基による親水化効果が十分に発揮することができなくなることがあった。このような現象は、窒素ガスの吹き付けや自然乾燥等の乾燥過程における乾燥速度に拠らずに起こる現象であった。
そこで、本発明の表面処理組成物において、成分(B)が疎水性基を有する構成単位(b2)を含むことにより、表面自由エネルギーが低い固体表面に対する親和性が高くなるため、処理された固体表面が乾燥状態になったとしても脱濡れ現象が起こり難く、成分(B)のポリマー薄膜が固体表面に均一に吸着した状態を保つことができると考えられる。そして、成分(B)が、成分(A)の構成単位(a2)のイオン性基の電荷と反対電荷のイオン性基を有する構成単位(b1)を含むことにより、構成単位(a2)のイオン性基と構成単位(b1)のイオン性基との静電的相互作用によりポリイオンコンプレックスが形成され、成分(B)を介して成分(A)のポリマー薄膜も固体表面に均一に吸着することとなり、成分(A)の構成単位(a1)の親水的なベタイン基による親水化効果が効果的に発揮され、表面自由エネルギーが低い固体表面への適用においても高い親水化効果を奏することができると考えられる。
しかしながら、成分(A)及び成分(B)は、ポリイオンコンプレックスの形成によって互いに吸着しているものの、これら成分の全てのイオン性基がコンプレックスを組んでいる状態ではないと考えられる。そのため、成分(A)と成分(B)との間の吸着力は強固ではなく、自然乾燥のように湿潤状態からゆっくりと乾燥させる場合には、その乾燥過程で成分(A)が脱濡れを起こし、ベタイン基による親水化効果が十分に発揮されないことが考えられる。そこで、本発明においては、成分(A)が疎水性基を有する構成単位(a3)を含むことによって、成分(A)の構成単位(a3)の疎水性基と成分(B)の構成単位(b2)の疎水性基とが疎水性相互作用することにより、ポリイオンコンプレックスの形成による成分(A)と成分(B)間の吸着力を補強し、処理後の乾燥速度に依らずに成分(A)のポリマー薄膜も固体表面に均一に吸着させることができ、その結果、高い親水化効果が発揮されると考えられる。
また、本発明において、成分(C)は、表面処理組成物中の成分(A)の溶解性を向上させ、配合安定性の向上に寄与し、固体表面を均一に処理することができ、その結果、処理後の固体の表面外観を良好なものとし、親水化効果を向上させることができると考えられる。
【0010】
本発明において「固体表面」とは、固体と大気との界面を意味する。
前記固体としては、特に制限はなく、ガラス、陶器、磁器、琺瑯、タイル、セラミックス、木材;アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金属;ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、FRP等の合成樹脂;木綿、絹、羊毛等の天然繊維;ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の合成繊維;毛髪、皮膚、爪、歯などが挙げられる。前記固体表面の形状は、特に制限はない。
(【0011】以降は省略されています)

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