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公開番号
2025059725
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023170001
出願日
2023-09-29
発明の名称
転写捺染方法
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
G03G
9/08 20060101AFI20250403BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】定着性及び堅牢性の高い画像を紙基材上に形成し、紙基材から布帛上への画像の転写性を向上し、布帛上に定着させた際に堅牢性の高い画像を形成することのできる転写捺染方法を提供する。
【解決手段】非晶性ポリエステル系樹脂と、結晶性ポリエステル系樹脂と、顔料と、を含有する静電潜像現像用トナーを用いて形成した画像を、紙基材に転写及び定着する工程1、及び前記紙基材上に定着した画像を布帛と接触及び加熱させ、該画像を該布帛上に転写及び定着する工程2を含む、転写捺染方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
非晶性ポリエステル系樹脂と、結晶性ポリエステル系樹脂と、顔料と、を含有する静電潜像現像用トナーを用いて形成した画像を、紙基材に転写及び定着する工程1、及び
前記紙基材上に定着した画像を布帛と接触及び加熱させ、該画像を該布帛上に転写及び定着する工程2を含む、
転写捺染方法。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
前記トナー中の、前記非晶性ポリエステル系樹脂と前記結晶性ポリエステル系樹脂との質量比(非晶性ポリエステル系樹脂/結晶性ポリエステル系樹脂)が70/30~99/1である、請求項1に記載の転写捺染方法。
【請求項3】
前記結晶性ポリエステル系樹脂の融点が60℃以上110℃以下である、請求項1又は2に記載の転写捺染方法。
【請求項4】
前記工程2を、50℃以上200℃以下の熱及び0.1MPa以上5MPa以下の圧力を加えて行う、請求項1~3のいずれかに記載の転写捺染方法。
【請求項5】
前記紙基材が、上級印刷用紙、中級印刷用紙、グラビア用紙、アート紙、コート紙、上質紙、色上質紙、PPC用紙、純白ロール紙、晒クラフト紙、及び未晒クラフト紙から選ばれる、請求項1~4のいずれかに記載の転写捺染方法。
【請求項6】
前記布帛が、木綿、麻、絹、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、及びレーヨンから選択される繊維の少なくとも1種からなる、請求項1~5のいずれかに記載の転写捺染方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙基材上に転写及び定着した画像を、布帛上に転写及び定着する転写捺染方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用したプリンタや複写機における技術の進歩により、従来、紙上にのみ画像を形成してきたところから、プラスチックフィルム上への画像形成というように電子写真方式の活用範囲は広がっている。一方、電子写真方式を利用した布帛への直接的な画像形成においては、紙やプラスチックフィルム等に比べて柔軟性や厚みがあることから容易ではなかった。そこで、近年では、布帛へ画像形成する方法として、転写材上に形成した画像を布帛上に転写する転写捺染方法について検討が進められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、金属イオン及び金属錯体イオンの混合物と、カルボキシイオンを有する有機化合物の塩を含有する帯電制御剤を含むことを特徴とする熱転写用トナーが記載されており、該熱転写用トナーを使用してシートに複写された原図を被転写体に転写することにより、布に転写した図の定着性及び耐久性が向上することが記載されている。
特許文献2には、少なくとも支持体上に転写層を有する転写シートにおいて、転写層と反対の面に常温で固形のシリコーン化合物を含有するバック層を設けたことを特徴とする転写シートが記載されており、この転写シートが高温保存時にブロッキングを起こさず、カールを防止し、更に複写装置内での搬送安定性が向上することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-321824号公報
特開平11-70794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の熱転写用トナーは、離型剤が塗布された熱転写紙もしくは熱転写フィルムを用いなければ布帛上に画像を転写できず、また熱転写紙や熱転写フィルムへのトナーの定着性が低いことに加え、転写した画像の堅牢性が十分ではないという課題があった。また、特許文献2に記載の転写シートは、転写シートにトナー像を形成する際に、転写シートへのトナーの定着性が低いという課題があった。本発明はこれらの課題を解決するための、転写捺染方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、これらの課題を解決するために、非晶性ポリエステル系樹脂と、結晶性ポリエステル系樹脂と、顔料と、を含有する静電潜像現像用トナーを用いて紙基材上に画像を転写定着し、該画像を紙基材と布帛を接触させることで布帛上に転写することにより、前記課題を解決しうることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕を提供する。
〔1〕 非晶性ポリエステル系樹脂と、結晶性ポリエステル系樹脂と、顔料と、を含有する静電潜像現像用トナーを用いて形成した画像を、紙基材に転写及び定着する工程1、及び
前記紙基材上に定着した画像を布帛と接触及び加熱させ、該画像を該布帛上に転写及び定着する工程2を含む、
転写捺染方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、定着性及び堅牢性の高い画像を紙基材上に形成し、紙基材から布帛上への画像の転写性を向上し、布帛上に定着させた際に堅牢性の高い画像を形成することのできる転写捺染方法を提供することができる。
【0009】
本発明の転写捺染方法により、定着性及び堅牢性の高い画像を紙基材上に形成し、紙基材から布帛上への画像の転写性を向上し、布帛上に定着した際に堅牢性の高い画像を形成することのできる詳細な理由は定かではないが、次のように考えられる。
特許文献1に記載の熱転写紙又は熱転写フィルムのように、転写媒体上に形成された画像の布帛への転写性を向上させるため、紙基材上にシリコーン処理等で離型層を付与した転写媒体を用いる技術が知られている。しかし、離型層は画像を形成するトナー等との親和性が低いため、転写媒体上に形成した画像の定着性は低く、形成した画像は容易に転写媒体上から脱離及び/又は欠損してしまうといった、画像保存性の問題が生じている。また、特許文献2に記載の転写シートのように、転写媒体上に形成された画像の布帛への転写性を向上させるため、紙基材上に剥離層を設けた転写媒体を用いる技術が知られている。しかし、剥離層を有する転写媒体上に形成した画像についても、容易に転写媒体上から脱離及び/又は欠損してしまうといった、画像保存性の問題が生じている。一方、本発明では、紙基材として一般的な紙を用いることができるため、紙基材へ定着した画像の定着性および堅牢性が良好となると考えられ、このような画像保存性の問題はほとんど生じない。
一般的な非晶性樹脂のみを結着樹脂として含むトナーを用いて紙上に形成した画像は、定着工程での熱及び圧力により紙に十分に定着しているため、容易に除去することはできない。そのため画像が定着した紙と布帛とを接触させ熱及び圧力を加えただけでは、画像の表面近傍のトナーの一部が布帛に移行するだけとなってしまい、紙から布帛へ画像を高い転写性で転写することは困難である。
これに対して、本発明の転写捺染方法で用いるトナーは、トナー中に非晶性ポリエステル系樹脂及び結晶性ポリエステル系樹脂といったポリエステル系樹脂を含有しており、ポリエステル系樹脂中に存在する多数のエステル基や末端水酸基やカルボキシ基により極性が高く、綿やポリエステルといった布帛への親和性が高い。一方、紙基材の主成分のセルロースは極性が高いが、紙基材にはサイズ剤に代表される各種の紙用添加剤の効果で水への耐性が付与されているため、実際には布帛に比べるとポリエステルとの親和性が低い。これにより紙基材上に形成した画像は、トナーがより親和性の高い布帛側へ転写されやすい状態であるため、紙基材上の画像と布帛とを接触した状態で熱を加えることで、布帛への画像の転写を高い転写性で実現することができると考えられる。
更に、紙基材から布帛への画像の転写時に、加熱されることで紙基材上の画像を形成するトナー由来の成分が瞬時に溶融し低粘度化することで、布帛へ速やかに浸透する。また、熱に加えて圧力が加えられると、低粘度化したトナー由来の成分は布帛のより深部へと浸透し、布帛を構成する繊維と絡み合いが起きる。紙基材上に定着した画像は、紙基材を構成する繊維の目が詰まっているため、該画像は紙基材表面に形成されている。これに対して、布帛は紙基材と比較して、繊維の目が粗いため、前記の通りトナー由来の成分が布帛へと浸透することにより、画像の大部分が布帛へと移行し、冷却により画像が布帛上に固着する。これにより、紙基材を布帛から除去する際に画像の大部分が布帛上へ残ることで、紙基材上の画像の布帛上への転写性が向上し、また、布帛上の画像の堅牢性が高くなると考えられる。
加えて、本願のトナーの含有する色材として、布帛への染色で用いられることの多い染料ではなく顔料を用いている。顔料は、染料とは異なり水への溶解性が非常に低いため、湿度の影響で色移りが起きる等の染料で課題となる耐久性の観点で優れていることから、布帛上の画像の高い堅牢性に寄与すると考えられる。
【0010】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、すなわち、「軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃)」で定義される結晶性指数によって表される。
「結晶性樹脂」とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下である樹脂をいう。
「非晶性樹脂」は、示差走査熱量計(DSC)による吸熱ピークが観測されないか、又は、吸熱ピークが観測される場合には、結晶性指数が0.6未満又は1.4超である樹脂をいう。
吸熱の最大ピーク温度とは、実施例に記載の測定方法の条件下で観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度のことを指す。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。
「ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物」とは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンにアルキレンオキシドを付加した構造全体を意味する。
「カルボン酸成分」とは、カルボン酸のみならず、それらの無水物及びそれらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含まれる。すなわち、本明細書中では、単にカルボン酸の名称のみを記載している場合、そのカルボン酸の無水物及び炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含めて記載されているものとする。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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