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公開番号2025080755
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-26
出願番号2024190735
出願日2024-10-30
発明の名称洗浄剤組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C11D 1/68 20060101AFI20250519BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】糖脂質型バイオサーファクタントを用いつつ、洗浄時に用いる水の硬度や温度に左右されることなく、優れた洗浄性能を発揮することができる、硬質表面物品、衣料製品、又は身体を洗浄するための洗浄剤組成物に関する。
【解決手段】次の成分(A)~(C):
(A)糖脂質型バイオサーファクタント
(B)スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が40質量%以下である、炭素数8以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩
(C)水
を含有する、洗浄剤組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の成分(A)~(C):
(A)糖脂質型バイオサーファクタント
(B)スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が40質量%以下である、炭素数8以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩
(C)水
を含有する、洗浄剤組成物。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
硬質表面物品、衣料製品、又は身体を洗浄するための洗浄剤組成物である請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が、0.0050以上95.00以下である請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分(B)中における、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数8以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO-1S)の含有量と、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数8以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO-2S)の含有量との質量比((IO-1S)/(IO-2S))が、0.50以上6.5以下である請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
成分(A)の含有量と成分(A)及び成分(B)の合計含有量との質量比((A)/{(A)+(B)})が、0.0050以上0.99以下である請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
成分(A)が、ソホロリピッド、ラムノリピッド、トレハロースリピッド、及びマンノシルアルジトールリピッドから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
成分(A)と成分(B)の合計含有量が、0.15質量%以上55質量%以下である請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項8】
成分(A)と成分(B)の合計含有量が、0.15質量%以上25質量%以下である、硬質表面物品、又は身体を洗浄するための請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項9】
成分(A)と成分(B)の合計含有量が、14質量%以上55質量%以下である、衣料製品を洗浄するための請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項10】
成分(C)の含有量が、30質量%以上99質量%以下である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物、特に硬質表面物品、衣料製品、又は身体を洗浄するのに適した洗浄剤組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
バイオサーファクタントは、主に微生物などにより生産され、特徴的な機能性を有する界面活性物質であり、糖脂質型、脂肪酸型、ペプチド型、及び高分子型等に大別される。なかでも糖脂質型バイオサーファクタントは、生産性や機能面において活用度が高いことなどから、近年多く分野において注目されつつあり、種々の界面活性剤と組み合わせた洗浄剤組成物の開発もなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、糖脂質型バイオサーファクタントと、脂肪アルコールポリグリコールエーテル等のノニオン性界面活性剤や脂肪アルコール硫酸塩等のアニオン界面活性剤とを含有する水性洗浄剤が開示されており、硬質表面又は軟質表面の洗浄への使用等を図っている。また、特許文献2には、糖脂質型バイオサーファクタントと、特定のHLB値を有するソルビタンエステル、及びその他の界面活性剤とを含む洗浄組成物が開示されており、硬質表面洗浄組成物や船舶洗浄剤組成物等としての活用を試みている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2015/091250号
米国特許出願公開第2020/0199492号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献に記載の技術においては、糖脂質型バイオサーファクタントと併用する界面活性剤が洗浄時に用いる水の硬度や温度に影響を受けてしまい、洗浄性能の低下を招くおそれがある。また、かかる洗浄性能の低下を防止するために、添加剤(ビルダー等)や溶剤等の使用量が過剰になる傾向にあり、それが界面活性剤の析出や液晶相の形成による増粘等を招き、組成物としての安定性を損なう要因となるおそれもある。さらにこれらの特許文献では、糖脂質型バイオサーファクタントの高次構造化や疎水鎖の長尺化によっては、組成物の低温安定性が損なわれるおそれが高まることにも何ら着目しておらず、依然として改善の余地があることが分かった。またさらに、糖脂質型バイオサーファクタントと併用する界面活性剤によっては、タンパク質の溶出にも影響を及ぼしかねず、洗浄剤組成物の使用時における手肌に対してのみならず、洗浄対象のウールや絹等の天然繊維に対してもダメージを与えるおそれがある。
さらに近年、消費者の要求特性が高まり、品質の高さや取り扱い性が求められ、無色透明な外観を呈することも好まれるようになってきたものの、従来技術では、これに十分対応できないことも判明した。
【0006】
すなわち、本発明は、糖脂質型バイオサーファクタントを用いつつ、洗浄時に用いる水の硬度や温度に左右されることなく、優れた洗浄性能を発揮することができ、さらに流動性に優れるとともに良好な外観を呈する洗浄剤組成物に関する。
またさらに、本発明は、タンパク質の溶出を有効に抑制するため、洗浄剤組成物の使用時における手肌に対するダメージだけではなく、洗浄対象のウールや絹等の天然繊維に対するダメ―ジをも効果的に低減することができる、洗浄組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、種々検討したところ、糖脂質型バイオサーファクタントとともに、スルホン酸基が2位に存在する割合が特定量である、特定炭素数の内部オレフィンスルホン酸塩を含有することにより、洗浄時に用いる水の諸条件に幅広く対応し、安定して優れた洗浄性能を発揮する洗浄剤組成物が得られることを見出した。
【0008】
したがって、本発明は、次の成分(A)~(C):
(A)糖脂質型バイオサーファクタント
(B)スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸の含有量が40質量%以下である、炭素数8以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩
(C)水
を含有する、洗浄剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の洗浄剤組成物によれば、洗浄する際に希釈するにあたり、用いる水の硬度や温度に左右されることなく、不要な析出物の生成も回避しつつ、安定して優れた洗浄性能を発揮することができる。また、本発明の洗浄剤組成物によれば、キレート剤等の添加剤や溶剤等の使用量を低減することも可能であり、環境負荷に配慮した有用性の高い洗浄剤組成物を実現することができる。
さらに、本発明の洗浄剤組成物であれば、各成分が均一に溶解した状態にあり、かつ適度な流動性をも有するため、かかる洗浄剤組成物を容器に充填した際にも、組成を変動させることなく容器から取り出すことが可能であり、また無色透明性にも優れるため、使用態様に左右されることなく、優れた洗浄性能を有効かつ快適に実感することができる。
またさらに、本発明の洗浄剤組成物であれば、タンパク質の溶出を有効に抑制するため、洗浄剤組成物の使用時における手肌に対するダメージだけでなく、洗浄対象のウールや絹等の天然繊維に対するダメージをも効果的に低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において洗浄剤組成物又は洗浄剤の「安定性」とは、含有成分の不要な析出や液晶相の形成、及び過度な増粘等を防止し、かつ各成分が均一に溶解した状態(以下「均一溶解性」ともいう)を保持していることを意味する。
また、本発明において洗浄剤組成物又は洗浄剤が呈する「無色透明性」とは、明度が高く、かつ透明度が高い状態を意味する。したがって、無色であって良好な透明性を示している状態のみならず、有色であっても実使用上問題のない明度を維持し、かつ透明性を有する状態をも包含する意味である。したがって、「無色透明性に優れる」とは、優れた外観を呈しており、洗浄組成物又は洗浄剤の適用範囲が広がることを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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