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公開番号
2025067873
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2024178370
出願日
2024-10-10
発明の名称
繊維処理剤
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
D06M
15/263 20060101AFI20250417BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】繊維内に一定量以上の分子量を有する化合物を浸透可能な新規な繊維処理剤を提供すること。
【解決手段】下記の成分(A)及び(B)を含有する、下記式(1)により算出される水中繊維膨潤率が200%以上である繊維の処理に使用するための繊維処理剤。
(A)配位性官能基を有し、分子量が1500以上である化合物
(B)水
水中繊維膨潤率(%)=[(w1-w2)/w2]×100 (1)
〔式中、
w1は、イオン交換水100gを充填した容器に繊維1.0gを入れ容器を密閉し、40℃のウォーターバスに容器ごと30分間浸漬した後、繊維を容器から取り出し、遠心力220[×g]にて1分間遠心脱水した後に測定した繊維の質量(g)を示す。
w2は、質量(w1)を測定した繊維を濾紙上に載置し105℃にて3時間乾燥した後に測定した繊維の質量を示す。〕
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の成分(A)及び(B)を含有する、下記式(1)により算出される水中繊維膨潤率が200%以上である繊維の処理に使用するための繊維処理剤。
(A)配位性官能基を有し、分子量が1500以上である化合物
(B)水
水中繊維膨潤率(%)=[(w1-w2)/w2]×100 (1)
〔式中、
w1は、イオン交換水100gを充填した容器に繊維1.0gを入れ容器を密閉し、40℃のウォーターバスに容器ごと30分間浸漬した後、繊維を容器から取り出し、遠心力220[×g]にて1分間遠心脱水した後に測定した繊維の質量(g)を示す。
w2は、質量(w1)を測定した繊維を濾紙上に載置し105℃にて3時間乾燥した後に測定した繊維の質量を示す。〕
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
繊維が、再生蛋白質繊維である、請求項1記載の繊維処理剤。
【請求項3】
配位性官能基が、HSAB則における硬い塩基又は中間の塩基を含む基である、請求項1記載の繊維処理剤。
【請求項4】
配位性官能基が、下記の成分(a-1)、(a-2)及び(a-3)から選択されるものを含む、請求項1記載の繊維処理剤。
(a-1)カルボキシ基又はその塩を有する基
(a-2)水酸基、アルコキシ基、アルコキシド陰イオン又は金属アルコラートを有する基
(a-3)スルホン酸基又はその塩を有する基
【請求項5】
成分(A)が、下記の(A-1)及び(A-2)から選択される1以上を含む、請求項1記載の繊維処理剤。
(A-1)配位性官能基を有する不飽和単量体由来の構造単位を含む重合体であって、重量平均分子量が1500以上である重合体
(A-2)配位性官能基を有する化合物の縮合物であって、分子量が1500以上である縮合物
【請求項6】
(A-1)重合体が、不飽和炭化水素化合物由来の構造単位を更に含む、請求項5に記載の繊維処理剤。
【請求項7】
(A-1)重合体が、下記の(A-1-1)及び(A-1-2)、及び(A-1-3)から選択される1以上を含む、請求項5記載の繊維処理剤。
(A-1-1)配位性官能基を有する不飽和単量体由来の構造単位と、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む共重合体であって、重量平均分子量が1500以上である共重合体
(A-1-2)配位性官能基を有する不飽和単量体由来の構造単位と、不飽和脂肪族炭化水素化合物由来の構成単位を含む共重合体であって、重量平均分子量が1500以上である共重合体
(A-1-3)配位性官能基を有する芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む重合体又は配位性官能基を有する不飽和脂肪族炭化水素化合物由来の構造単位を含む重合体であって、重量平均分子量が1500以上である重合体(但し、共重合体(A-1-1)及び(A-1-2)を除く)
【請求項8】
(A-2)縮合物が、分子量が1500以上である縮合物であって、下記の(A-2-1)及び(A-2-2)から選択される1以上の縮合物を含む、請求項5に記載の繊維処理剤。
(A-2-1)スルホン酸の縮合物又はその塩
(A-2-2)没食子酸エステルの縮合物
【請求項9】
更に、以下の成分(C)を含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の繊維処理剤。
(C)多価金属元素
【請求項10】
繊維処理剤中における成分(C)の含有量が0.0001質量%以上1質量%以下である、請求項9に記載の繊維処理剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維処理剤に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
天然由来繊維は、一般に、合成繊維とは異なって、天然素材から来る自然な風合いや外観を有する。天然由来繊維のうち、再生蛋白質繊維、例えば、再生コラーゲン繊維は、通常、酸可溶性コラーゲンあるいは不溶性コラーゲンをアルカリや酵素で可溶化して紡糸原液とし、これを紡糸ノズルから凝固浴に吐出して繊維化した後、最終工程において繊維状コラーゲンを乾燥することにより製造される。
【0003】
しかし、天然由来繊維は、一般的に、合成繊維に比べて親水性が高いため吸水率が高く、多くの水を含んだ状態においては一般に機械的強度が低く、特に再生蛋白質繊維は機械的強度が極めて低い。このため、シャンプー時には高い吸水率のために機械強度が著しく低下し、その後のヘアドライヤーによる乾燥時に破断するなど、頭飾製品としての適性低下につながっている。加えて、再生蛋白質繊維には、耐熱性の低さという問題もあり、例えば、ヘアアイロン等を使用した熱セットにおいては、人毛と同じような高い温度でセットした場合に収縮や縮れが発生し見栄えを損なってしまう。また、プラスチック製の合成繊維ではアイロン等による熱セット時における形状がその後の洗浄を経ても記憶され続ける(熱形状記憶能がある)が、天然由来繊維は、アイロン等による熱セット時における形状がその後の一度の洗浄で失われてしまう(熱形状記憶能がない)。そのため、従来のプラスチック製の合成繊維に比べて形状セットの自由度の観点で劣る部分があった。これらの点が、頭飾製品等繊維製品への天然由来繊維、特に再生蛋白質繊維の普及を妨げる要因となっていた。
【0004】
そこで、天然由来繊維における上記した課題を解決すべく、種々の検討が行われている。例えば、羊毛を少なくとも10重量%含有する布帛において、羊毛をアクリル樹脂で架橋することで、洗濯時の摩擦による損耗(モモケ)を抑制できることが報告されている(特許文献1)。また、天然由来繊維を、特定のメチロール化合物と特定のフェノール化合物を含有する繊維処理剤で処理することで、天然由来繊維に特有の上記した耐水性、耐熱性及び熱形状記憶能に関する課題を解決できることが報告されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平1-260062号公報
特開2022-103113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、一定以上の分子量を有する化合物により繊維を改質する技術を提案するものであるが、羊毛に高分子化合物を架橋させて表面被覆しているに過ぎない。即ち、本願出願前において、天然由来繊維内に一定以上の分子量を有する化合物が浸透しないという課題があったからである。一方、特許文献2は、一定以上の分子量を有する化合物により繊維を改質するために、繊維内にメチロール化合物及びフェノール化合物を浸透させて、繊維内でフェノール性水酸基を配位させるとともに、フェノール化合物同志をメチロール化合物で縮合させるという手法により、高分子化した縮合物によって繊維内部から改質する技術である。しかし、このような技術により繊維内部から改質するには、繊維内へのモノマーの浸透、繊維内でのモノマーの高分子化というステップが必須不可欠であるため、処理工程が煩雑になり、大量の天然由来繊維を処理することに限界があった。
したがって、本発明は、一定量以上の分子量を有する化合物を繊維内に浸透可能な新規な繊維処理剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記した課題に鑑み研究を進めた結果、特定の特性基を含み、一定以上の分子量を有する化合物が、特定性状を有する天然由来繊維に対して特異的に浸透し、しかも特定の特性基が繊維に配位するため、天然由来繊維に特有の上記した課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、次の〔1〕~〔12〕を提供するものである。
〔1〕 下記の成分(A)及び(B)を含有する、下記式(1)により算出される水中膨潤率が200%以上である繊維の処理に使用するための繊維処理剤。
(A)配位性官能基を有し、分子量が1500以上である化合物
(B)水
水中繊維膨潤率(%)=[(w1-w2)/w2]×100 (1)
〔式中、w1は、イオン交換水100gを充填した容器に繊維1.0gを入れ容器を密閉し、40℃のウォーターバスに容器ごと30分間浸漬した後、繊維を容器から取り出し、遠心力220[×g]にて1分間遠心脱水した後に測定した繊維の質量(g)を示す。
w2は、質量(w1)を測定した繊維を濾紙上に載置し105℃にて3時間乾燥した後に測定した繊維の質量を示す。〕
〔2〕 繊維が、再生蛋白質繊維である、前記〔1〕記載の繊維処理剤。
〔3〕 配位性官能基が、HSAB則における硬い塩基又は中間の塩基を含む基である、前記〔1〕又は〔2〕記載の繊維処理剤。
〔4〕 配位性官能基が、下記の成分(a-1)、(a-2)及び(a-3)から選択されるものを含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の繊維処理剤。
(a-1)カルボキシ基又はその塩を有する基
(a-2)水酸基、アルコキシ基、アルコキシド陰イオン又は金属アルコラートを有する基
(a-3)スルホン酸基又はその塩を有する基
〔5〕 成分(A)が、下記の(A-1)及び(A-2)から選択される1以上を含む、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の繊維処理剤。
(A-1)配位性官能基を有する不飽和単量体由来の構造単位を含む重合体であって、重量平均分子量が1500以上である重合体
(A-2)配位性官能基を有する化合物の縮合物であって、分子量が1500以上である縮合物
〔6〕 (A-1)重合体が、不飽和炭化水素化合物由来の構造単位を更に含む、前記〔5〕に記載の繊維処理剤。
〔7〕 (A-1)重合体が、下記の(A-1-1)、(A-1-2)及び(A-1-3)から選択される1以上を含む、前記〔5〕又は〔6〕に記載の繊維処理剤。
(A-1-1)配位性官能基を有する不飽和単量体由来の構造単位と、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む共重合体であって、重量平均分子量が1500以上である共重合体
(A-1-2)配位性官能基を有する不飽和単量体由来の構造単位と、不飽和脂肪族炭化水素化合物由来の構成単位を含む共重合体であって、重量平均分子量が1500以上である共重合体
(A-1-3)配位性官能基を有する芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む重合体又は配位性官能基を有する不飽和脂肪族炭化水素化合物由来の構造単位を含む重合体であって、重量平均分子量が1500以上である重合体(但し、共重合体(A-1-1)及び(A-1-2)を除く)
〔8〕 (A-2)縮合物が、分子量が1500以上である縮合物であって、下記の(A-2-1)及び(A-2-2)から選択される1以上の縮合物を含む、前記〔5〕に記載の繊維処理剤。
(A-2-1)スルホン酸の縮合物又はその塩
(A-2-2)没食子酸エステルの縮合物
〔9〕 更に、以下の成分(C)を含有する、前記〔1〕~〔8〕のいずれか一に記載の繊維処理剤。
(C)多価金属元素
〔10〕 繊維処理剤中における成分(C)の含有量が0.0001%質量以上1質量%以下である、前記前記〔9〕に記載の繊維処理剤。
【0009】
〔11〕 下記の成分(A)及び(B)を含有する第1の繊維処理剤と、
下記の成分(A)及び(B)を含有する第2の繊維処理剤であって、pHが第1の繊維処理剤より1.0以上低い第2の繊維処理剤
を備える、下記式(1)により算出される水中膨潤率が200%以上である繊維の処理に使用するための繊維処理キット。
【0010】
〔12〕 下記の成分(A)及び(B)を含有する繊維処理剤と、
下記の成分(D)を含有する追加繊維処理剤
を備える、下記式(1)により算出される水中膨潤率が200%以上である繊維の処理に使用するための繊維処理キット。
(D)ハンセンの溶解度パラメータの水素結合項δHが18.3MPa
1/2
以下である、カルボキシ基又はその塩を少なくとも1つ有し、縮合環を有しない化合物又はその塩(但し、成分(A)を除く)。
(【0011】以降は省略されています)
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