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公開番号2025031102
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023137087
出願日2023-08-25
発明の名称土壌洗浄方法
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類B09C 1/02 20060101AFI20250228BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】油で汚染された土壌の洗浄力に優れ、簡便な施工方法で土壌を洗浄する土壌洗浄方法を提供する。
【解決手段】油により汚染された土壌と(A)界面活性剤と水を含むpH9以上13以下のスラリーを得ること、該スラリー中の土壌を沈降させること、を行う、土壌洗浄方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
油により汚染された土壌と(A)界面活性剤〔以下、(A)成分という〕と水を含むpH9以上13以下のスラリーを得ること、該スラリー中の土壌を沈降させること、を行う、土壌洗浄方法。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記スラリーを静置して、該スラリー中の土壌を沈降させる、請求項1に記載の土壌洗浄方法。
【請求項3】
更に、スラリー中の土壌を沈降させた後に、スラリーの上澄みから油を除去すること、を行う、請求項1又は2に記載の土壌洗浄方法。
【請求項4】
油により汚染された土壌は、粒径が150μm以下の粒子を5質量%以上含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の土壌洗浄方法。
【請求項5】
前記スラリーを20分以上静置して、該スラリー中の土壌を沈降させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の土壌洗浄方法。
【請求項6】
前記スラリー中の土壌に対して、水が、10質量%以上200質量%以下となるように該土壌と水とを混合して前記スラリーを得る、請求項1~5のいずれか1項に記載の土壌洗浄方法。
【請求項7】
(A)成分は、少なくとも非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の土壌洗浄方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌洗浄方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、産業廃棄物の不法投棄、工場における廃棄物処理、最終処分場からの有害物質漏出事故による土壌汚染そして石油コンビナート、ガソリンスタンドや化学工場などの敷地・跡地では、種々の油類の漏出事故や長期にわたる漏出により、様々な場面で深刻な土壌汚染にみまわれるケースが多発している。
【0003】
従来、このような汚染土壌の修復方法には、掘削後の焼却処理、固化・固定化、囲い込み処理、バイオレメディエーション、土壌洗浄法等の技術が用いられてきたが、中でも汚染物質を土壌から除去し、浄化する技術が主流となりつつある。
【0004】
土壌洗浄法は、他の方法と比較して、異なる汚染種(油、重金属)でも浄化できるため汎用性が高く、バイオレメディエーション等の前処理工程としても利用でき、汚染土壌の処理量が大きく、総合的に浄化費用の低コスト化を実現できる要素を含んでいる。通常、土壌洗浄法では、界面活性剤などを含有する洗浄剤が用いられる。
【0005】
特許文献1には、石油製品及び芳香族炭化水素からなる群から選択される汚染物質で汚染された土壌を処理する方法であって、土壌に、過酸化水素と水酸化物源とを組み合わせた水溶液を接触させる工程を含む方法が開示されている。
また、特許文献2には、高濃度油分汚染土壌から油分を分離、除去する方法であって、高濃度油分汚染土壌を水に分散した状態のスラリーに対して所定の条件で第1のフローテーション処理を施し、油分を分離し、ついで土壌中の微細粒子を分級したのち、所定の条件で第2のフローテーション処理を施してさらに油分を分離する工程を備える高濃度油分汚染土壌の浄化方法が開示されている。
また、特許文献3には、油汚染土壌の原位置浄化方法であって、油汚染土壌に界面活性剤を含む洗浄水を注入する注入工程と、洗浄水を油汚染土壌に浸透させるために十分な時間静置する静置工程と、静置工程後に油汚染土壌から剥離された油を洗浄水ごと揚水回収する回収工程と、を有する油汚染土壌の原位置浄化方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2017-518868号公報
特開2007-98316号公報
特開2023-30770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
油汚染土壌の修復方法としてバイオレメディエーションやフローテーションがあるが、バイオレメディエーションは微生物が油を分解する速度が遅く、施工に時間がかかってしまう。また、フローテーションでは、油と土を分離させられるものの、微粒分に付着している油は取り切ることが難しく、必ず分級処理後に廃棄分が発生してしまう。これに対して洗浄液で土壌を洗浄する土壌の洗浄では、油で汚染された土壌と洗浄液とを接触させ、洗浄液の作用により土壌から油を引き離すことで土壌が洗浄されるため、理論上施工期間が短く、分級処理も必要としない。しかしながら、洗浄液で土壌を洗浄する方法は、洗浄力が低かったり、洗浄後の排水処理が困難であったりする等の理由で、これまで実際に施工がなされた事例は少ない。そのため、油で汚染された土壌の洗浄力に優れ、より簡便な施工方法で土壌を洗浄することが望まれる。
本発明は、油で汚染された土壌の洗浄力に優れ、簡便な施工方法で土壌を洗浄する土壌洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、油により汚染された土壌と(A)界面活性剤と水を含むpH9以上13以下のスラリーを得ること、該スラリー中の土壌を沈降させること、を行う、土壌洗浄方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、油で汚染された土壌の洗浄力に優れ、簡便な施工方法で土壌を洗浄する土壌洗浄方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の土壌洗浄方法により、油により汚染された土壌の洗浄力に優れ、簡便な施工方法で土壌を洗浄できるメカニズムは不明であるが、次のように考えられる。
油により汚染された土壌と界面活性剤と水を含むスラリーをpH9~13に調整することで、土壌表面と油との相互作用が弱まり、土壌からの油汚れの浮きが促進される。更に、適切な界面活性剤が水中に存在することで、土壌から引き離された油と水が乳化されることなく分離も促進されたものと考えられる。これにより、土壌に付着した油を効率良く土壌及び水から分離することができ、土壌の洗浄工程だけでなく、土壌の洗浄に用いた水の後処理工程も簡便になると考えられる。
その結果、本発明の土壌洗浄方法は、油により汚染された土壌の洗浄における洗浄力の向上だけでなく、簡便に洗浄作業を行えるという予想外の効果をもたらすものである。
なお、本発明の土壌洗浄方法は、この機構になんら限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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