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公開番号
2025070021
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-02
出願番号
2023180037
出願日
2023-10-19
発明の名称
中空シリカ粒子の製造方法
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
C01B
33/18 20060101AFI20250424BHJP(無機化学)
要約
【課題】中空シリカ粒子を解砕しても、割れを抑制できる、中空シリカ粒子の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】下記工程1~3を含む、中空シリカ粒子の製造方法。
工程1:液相中で中空シリカ粒子前駆体を得る工程
工程2:工程1で得られた液相中の中空シリカ粒子前駆体を凝集させ、中空シリカ粒子前駆体凝集物を得る工程
工程3:工程2で得られたシリカ粒子前駆体凝集物から液相を除去する工程
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記工程1~3を含む、中空シリカ粒子の製造方法。
工程1:液相中で中空シリカ粒子前駆体を得る工程
工程2:工程1で得られた液相中の中空シリカ粒子前駆体を凝集させ、中空シリカ粒子前駆体凝集物を得る工程
工程3:工程2で得られたシリカ粒子前駆体凝集物から液相を除去する工程
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
中空シリカ粒子前駆体凝集物の体積平均粒子径が、中空シリカ粒子前駆体の体積平均粒子径の2倍以上である、請求項1に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項3】
工程2が、下記の工程2’を含む、請求項1又は2に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
工程2’:工程1で得られた中空シリカ粒子前駆体を含む液相と、アニオン性高分子とを混合する工程
【請求項4】
アニオン性高分子の重量平均分子量が、1,000以上100,000以下である、請求項3に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項5】
アニオン性高分子が、ポリアクリル酸アンモニウム、アクリル酸-マレイン酸共重合体のアンモニウム塩、及び縮合ナフタレンスルホン酸のアンモニウム塩から選ばれる1種以上である、請求項3又は4に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項6】
工程3の後、更に下記工程4を含む、請求項1~5のいずれかに記載の中空シリカ粒子の製造方法。
工程4:中空シリカ粒子前駆体凝集物を焼成し、中空シリカ粒子凝集物を得る工程
【請求項7】
工程4の後、更に下記工程5を含む、請求項6に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
工程5:中空シリカ粒子凝集物を解砕する工程
【請求項8】
中空シリカ粒子の測定周波数10GHzにおける比誘電率が2.5以下で、かつ測定周波数10GHzにおける誘電正接が0.0050以下である、請求項1~7のいずれかに記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項9】
中空シリカ粒子の平均粒子径が0.1μm以上3.0μm以下である、請求項1~8のいずれかに記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項10】
中空シリカ粒子の最大粒子径が5μm以下である、請求項1~9のいずれかに記載の中空シリカ粒子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空シリカ粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
5Gに代表される高速通信技術や自動運転等に用いられるレーダー等では数十GHzの高周波の使用が検討されている。このような、高周波の電波に対応する高周波回路においては、伝送損失や伝送遅延の低減のために、低誘電率、低誘電正接といった、誘電特性に優れる絶縁材料が必要とされており、誘電特性改善のために該絶縁材料に配合されているシリカ粒子についても同様の性能が求められている。これらへの要求への対応として、シリカ粒子の誘電特性を高めるため、中空シリカ粒子を用いることが検討されている。また、高周波回路は微細化が望まれており、該シリカ粒子の小粒子径化も求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、シリカを含むシェル層を備え、シェル層の内部に空間部を有する中空シリカであって、1GHzでの比誘電率が1.3~5.0であり、かつ、1GHzでの誘電正接が0.0001~0.05である中空シリカ粒子が記載されている。
また、特許文献2には、内部空間を形成する外殻部を備え、前記外殻部がシリカを含む成分から構成される中空シリカ粒子であって、中空シリカ粒子の表面が、窒素含有シランカップリング剤で表面処理された、中空シリカ粒子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/172294号
特開2020-83736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の中空シリカ粒子は焼成時に粒子表面のシラノール同士が縮合して粒子が凝集するために、そのままでは絶縁材料に配合することができない。必要に応じて中空シリカ粒子を解砕することも開示されているが、焼成時に強く融着しており、通常の方法で解砕すると中空シリカ粒子が割れて、比誘電率、誘電正接が上昇してしまうという課題があった。
また、特許文献2ではジェットミルを用いて中空シリカ粒子の解砕を行っているが、中空シリカ粒子の割れを防止するために、解砕力を下げる必要があった。このため、解砕に時間を要し生産性が悪くなるほか、粒子径が小さい場合には解砕不良を起こしやすいという課題があった。
このように従来の中空シリカ粒子の製造方法では、焼成によって凝集した中空シリカ粒子は該凝集体を解砕する工程で割れやすく、一方その解砕工程の生産性が悪いという問題があった。
本発明は、中空シリカ粒子を解砕しても、割れを抑制できる、中空シリカ粒子の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、液相中で得た中空シリカ粒子前駆体を凝集させ、中空シリカ粒子前駆体凝集物とすることで、その後の焼成時に中空シリカ粒子同士が強く融着することを防止し、更に後の該凝集体を解砕する際に中空シリカ粒子の割れを低減できることを見出した。 本発明は、以下の〔1〕に関する。
〔1〕下記工程1~3を含む、中空シリカ粒子の製造方法。
工程1:液相中で中空シリカ粒子前駆体を得る工程
工程2:工程1で得られた液相中の中空シリカ粒子前駆体を凝集させ、中空シリカ粒子前駆体凝集物を得る工程
工程3:工程2で得られたシリカ粒子前駆体凝集物から液相を除去する工程
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、焼成により凝集が発生した中空シリカ粒子を解砕しても、中空シリカ粒子の凝集体を解砕する工程における割れを抑制できる、中空シリカ粒子の製造方法を提供できる。また、本発明の中空シリカ粒子の製造方法で得られる中空シリカは、割れが抑制されているため、比誘電率及び誘電正接を低く保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[中空シリカ粒子の製造方法]
本発明の中空シリカ粒子の製造方法は、下記工程1~3を含む。
工程1:液相中で中空シリカ粒子前駆体を得る工程
工程2:工程1で得られた液相中の中空シリカ粒子前駆体を凝集させ、中空シリカ粒子前駆体凝集物を得る工程
工程3:工程2で得られたシリカ粒子前駆体凝集物から液相を除去する工程
【0009】
本発明の中空シリカ粒子の製造方法によれば、中空シリカ粒子の凝集体を解砕する工程における、割れの発生を抑制することができる。また、本発明の中空シリカ粒子の製造方法で得られる中空シリカは、比誘電率及び誘電正接を低く保つことができる。
この理由については定かではないが次のように推定する。
液相中で得た中空シリカ粒子前駆体を、該液相を除去する工程の前、すなわち該中空シリカ粒子前駆体の濃度が薄い状態で凝集させ、中空シリカ粒子前駆体凝集物とすることにより、中空シリカ粒子前駆体は該液相を中空シリカ粒子前駆体間に保持しながらその一部が接触して弱い凝集(フロキュレーション)を形成すると考えられる。その後液相を除去しても弱い凝集は維持され、焼成時においても中空シリカ粒子前駆体間の距離が保たれた状態を維持することができるため、焼成によって生成される中空シリカ粒子の粒子同士の強い融着を防止でき、中空シリカ粒子凝集物にとどめておくことができる。該中空シリカ粒子凝集物は中空シリカ粒子同士が弱く接触しているだけであるので、中空シリカの中空構造が破壊されるような強い解砕力でなくても、十分に解砕することが可能になっていると考えられる。
また、中空シリカ粒子自体が割れて破片となって中空シリカ粒子に混在してしまうと、中空シリカ粒子全体の空孔率が低下するため、比誘電率が高くなる。また、割れた中空シリカ粒子の断面に存在するシラノール基のため、誘電正接が高くなる。
これに対し、本発明の中空シリカ粒子の製造方法で得られる中空シリカ粒子は、解砕しても割れが抑制されるため、解砕後も空孔率が維持でき、比誘電率及び誘電正接を低く保つことができると考えられる。
【0010】
<工程1>
工程1は、液相中で中空シリカ粒子前駆体を得る工程である。
工程1において液相は、中空シリカ粒子前駆体を粒子状態で分散させる分散媒である。工程1において、該中空シリカ粒子前駆体は分散質であり、該液相は連続相である。
(【0011】以降は省略されています)
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