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公開番号2025069108
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-30
出願番号2024181848
出願日2024-10-17
発明の名称エステル交換油脂の製造方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C11C 3/10 20060101AFI20250422BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】低温でグリセロリシス反応を行うことにより副生成物の生成を抑えながら、ジアシルグリセロール純度の高いエステル交換油脂を製造する方法の提供。
【解決手段】カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法であって、油脂及びグリセリンを90℃以上に昇温した後にカルシウム系触媒を添加する、製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法であって、油脂及びグリセリンを90℃以上に昇温した後にカルシウム系触媒を添加する、製造方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
カルシウム系触媒の添加量が、グリセリンのモル量に対するカルシウム系触媒のモル量の比[mmol‐カルシウム系触媒/mol‐グリセリン]として0.5~490である請求項1記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項3】
カルシウム系触媒が水酸化カルシウム、酸化カルシウム及びケイ酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項4】
反応原料におけるグリセリン基のモル数に対する脂肪酸基のモル数の比[FA/GLY]が0.60以上、2.0以下である請求項1又は2記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項5】
反応原料の反応温度までの昇温速度が0.1℃/min以上、20℃/min以下である請求項1又は2記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項6】
エステル交換油脂のジアシルグリセロール純度が55質量%以上である請求項1又は2記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項7】
油脂を構成する脂肪酸中の炭素鎖長が18以上で二重結合数が3個以上の脂肪酸の合計含有量が15質量%以上である請求項1又は2記載のエステル交換油脂の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ジアシルグリセロールは、食品、化粧料等の様々な産業分野で利用されている。
一般的に、ジアシルグリセロールは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、グリセリンと油脂とのグリセロリシス反応の方法により製造される。これらの製造法は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド等の化学触媒を用いた化学法と、リパーゼ等の酵素を用いた酵素法に大別される(例えば、特許文献1及び2)。化学触媒を用いたグリセロリシス法では、油脂及びグリセリンに対して化学触媒を添加した後、反応温度まで昇温して、ジアシルグリセロールが製造される。
【0003】
グリセロリシス法は、エステル化法と比べて少ない工程でジアシルグリセロールを製造することができる。しかしながら、グリセロリシス法は、ジアシルグリセロールの純度を高くするには反応原料において油脂に対するグリセリンの比率を高くする必要があるが、すると反応油中にモノアシルグリセロールが多く生成し、精製負荷が増大してしまう。一方、反応原料において油脂に対するグリセリンの比率を低くすればジアシルグリセロールの収率が低いという課題がある。また、グリセロリシス法は、反応温度が高いため不飽和脂肪酸がトランス化し易く、トランス酸の生成が多くなってしまうが、殊に不飽和結合数が多い多価不飽和脂肪酸では顕著である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2005-504862号公報
特開2004-222595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、高温でグリセロリシス反応を行うと、トランス酸以外の副生成物も多く生成することが見出された。そのため、より低温での処理が望まれる。
従って、本発明は、低温でグリセロリシス反応を行うことにより副生成物の生成を抑えながら、ジアシルグリセロール純度の高いエステル交換油脂を高い収率で製造する方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、油脂とグリセリンとが所定の温度に達した後に、これらにカルシウム系触媒を接触させて反応させれば、低温で副生成物の生成を抑えながらも反応が進行し、ジアシルグリセロール純度の高いエステル交換油脂が収率良く得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法であって、油脂及びグリセリンを90℃以上に昇温した後にカルシウム系触媒を添加する、製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低温でのグリセロリシス反応によって、ジアシルグリセロール純度の高いエステル交換油脂を高い収率で得ることができる。また、本発明によれば、副生成物の生成を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において「エステル交換油脂」とは、原料である油脂とグリセリンとを反応させた後、触媒を中和、濾過等により除去し、未反応の分相したグリセリンを除いた油脂をいい、「反応油」とは原料である油脂とグリセリンを反応させた後、触媒及び分相した未反応のグリセリンを除く前のものをいう。また、本発明において「反応させる工程」とは、反応温度に達してからの工程を指し、反応温度まで昇温する工程を含まない。
【0010】
本発明のエステル交換油脂の製造方法は、カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンを、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法であって、油脂及びグリセリンを90℃以上に昇温した後にカルシウム系触媒を添加する、製造方法である。このとき、油脂及びグリセリンは、これらを予め混合した反応原料として90℃以上に昇温しても良いし、反応原料である油脂とグリセリンを別々に90℃以上に昇温後に混合しても良いが、製造の簡便性の点から、油脂及びグリセリンを混合した反応原料を90℃以上に昇温することが好ましい。
本明細書において、「油脂」と「油」とは同義である。また、油脂(油)を構成する物質にはトリアシルグリセロールのみならずモノアシルグリセロールやジアシルグリセロールも含まれる。すなわち、油脂(油)は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。
(【0011】以降は省略されています)

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