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公開番号2025068995
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-30
出願番号2023179155
出願日2023-10-17
発明の名称エステル交換油脂の製造方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C11C 3/10 20060101AFI20250422BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】低温でグリセロリシス反応を行いながら、初期反応速度を高めて、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂を効率良く製造する方法の提供。
【解決手段】カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法であって、油脂を90℃以上に昇温した後に、グリセリンとカルシウム系触媒を予め混合した混合物を添加する、製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法であって、油脂を90℃以上に昇温した後に、グリセリンとカルシウム系触媒を予め混合した混合物を添加する、製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
グリセリンとカルシウム系触媒を脱水しながら混合する請求項1記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項3】
グリセリンとカルシウム系触媒を予め20℃以上、165℃以下で混合する請求項1又は2記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項4】
グリセリンのモル量に対するカルシウム系触媒のモル量の比[mmol‐カルシウム系触媒/mol‐グリセリン]が0.5~490である請求項1~3のいずれか1項記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項5】
カルシウム系触媒が水酸化カルシウムである請求項1~4のいずれか1項記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項6】
油脂とグリセリンとの反応を行う際のグリセリン基のモル数に対する脂肪酸基のモル数の比[FA/GLY]が0.60以上、2.0以下である請求項1~5のいずれか1項記載のエステル交換油脂の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ジアシルグリセロールは、食品、化粧料等の様々な産業分野で利用されている。
一般的に、ジアシルグリセロールは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、グリセリンと油脂とのグリセロリシス反応の方法により製造される。これらの製造法は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド等の化学触媒を用いた化学法と、リパーゼ等の酵素を用いた酵素法に大別される(例えば、特許文献1及び2)。化学触媒を用いたグリセロリシス法では、油脂及びグリセリンに対して化学触媒を添加した後、反応温度まで昇温することにより、ジアシルグリセロールを含むグリセリド組成物が製造される。
【0003】
グリセロリシス法は、エステル化法と比べて少ない工程でジアシルグリセロールを製造することができる。しかしながら、グリセロリシス法は、反応温度が高いため不飽和脂肪酸がトランス化し易く、トランス酸の生成が多くなってしまう。殊に不飽和結合数が多い多価不飽和脂肪酸では顕著である。そのため、より低温での処理が望まれる。一方で、反応温度が低いと、反応開始まで及び反応平衡に達するまでに時間を要するため、非効率的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2005-504862号公報
特開2004-222595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、低温でグリセロリシス反応を行いながら、初期反応速度を高めて、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂を効率良く製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意研究を行ったところ、グリセリンとカルシウム系触媒を予め混合しておき、油脂が所定の温度に達した後に、グリセリンとカルシウム系触媒の混合物を添加して反応させれば、低い反応温度であっても初期反応速度が高まり、効率良く、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法であって、油脂を90℃以上に昇温した後に、グリセリンとカルシウム系触媒を予め混合した混合物を添加する、製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低温でのグリセロリシス反応によって、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂を効率良く得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のエステル交換油脂の製造方法は、カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンを、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法であって、油脂を90℃以上に昇温した後に、グリセリンとカルシウム系触媒を予め混合した混合物を添加する、製造方法である。
本明細書において、「油脂」と「油」とは同義である。また、油脂(油)を構成する物質にはトリアシルグリセロールのみならずモノアシルグリセロールやジアシルグリセロールも含まれる。すなわち、油脂(油)は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。
【0010】
本発明において、グリセリンと反応させる油脂は、一般的には、トリアシルグリセロールを主体とするものであり、例えば、大豆油、菜種油、サフラワー油、米油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、チアシード油、サチャインチ油、クルミ油、キウイ種子油、サルビア種子油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、椿油、茶実油、ボラージ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂、藻油等の植物性油脂;魚油、アザラシ油、鯨油、ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂;接合菌類等の多価不飽和脂肪酸産生微生物類に由来する油脂等の微生物油;あるいはこれらのエステル交換油脂、水素添加油、分別油等の油脂類を挙げることができる。油脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なかでも、油脂は、エステル交換油脂の乳化特性、取り扱いのし易さの点から、液状油脂であるのが好ましい。なお、液状油脂とは、基準油脂分析試験法2.3.8-27による冷却試験を実施した場合、20℃で液状である油脂をいう。
また、本発明では、通常のグリセロリシス反応とは異なり低温で反応することでトランス酸の生成が抑制される点から、様々な生理機能が期待される炭素鎖長が18以上で二重結合数が3個以上の脂肪酸を用いることが好ましい。特にω3系不飽和脂肪酸を豊富に含む油脂、例えば、シソ油、アマニ油、エゴマ油、チアシード油、サチャインチ油、藻油、魚油、アザラシ油、鯨油及び多価不飽和脂肪酸産生微生物類に由来する油脂から選ばれる1種又は2種以上の油脂を用いることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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