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公開番号2025070022
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023180038
出願日2023-10-19
発明の名称中空シリカ粒子の製造方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C01B 33/18 20060101AFI20250424BHJP(無機化学)
要約【課題】中空シリカ粒子の割れを抑制しながら所定の粒子径以下に解砕する中空シリカ粒子の製造方法に関する。
【解決手段】解砕部と分級部とを有する解砕機によって中空シリカ粒子凝集物を解砕する工程を有する、中空シリカ粒子の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
解砕部と分級部とを有する解砕機によって中空シリカ粒子凝集物を解砕する工程を有する、中空シリカ粒子の製造方法。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記解砕機の前記分級部が、所定の粒子径以下の中空シリカ粒子を解砕機外へ排出し、前記所定の粒子径より大きい中空シリカ粒子及び中空シリカ粒子凝集物を抜き出して解砕部へ再導入する機構を有する、請求項1に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記解砕機の前記解砕部が、高速ジェット気流を噴出するノズルからの気流により、中空シリカ粒子凝集物を解砕する機構を有する、請求項1又は2に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記高速ジェット気流を噴出するノズルが、互いに対向する位置に配置される形態である請求項3に記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項5】
中空シリカ粒子の10GHzにおける比誘電率が2.5以下で、かつ10GHzにおける誘電正接が0.0050以下である、請求項1~4のいずれかに記載の中空シリカ粒子の製造方法。
【請求項6】
中空シリカ粒子の、粒子径が5μm以上の粒子の個数割合が、50ppm以下である、請求項1~5のいずれかに記載の中空シリカ粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、中空シリカ粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
5Gに代表される高速通信技術や自動運転等に用いられるレーダー等では数十GHzの高周波の使用が検討されている。このような高周波の電波に対応する高周波回路においては、伝送損失や伝送遅延の低減のために、低誘電率、低誘電正接といった誘電特性に優れる絶縁材料が必要とされており、誘電特性改善のために絶縁材料に配合されているシリカ粒子についても同様の性能が求められている。これらの要求への対応として、シリカ粒子の誘電特性を高めるため、中空シリカ粒子を用いることが検討されている。また、高周波回路は微細化が望まれており、絶縁材料に配合されるシリカ粒子の小粒子径化も求められている。
【0003】
特許文献1では、シリカを含むシェル層を備え、前記シェル層の内部に空間部を有する中空シリカ粒子であって、赤外分光法による波数3746cm
-1
付近のSiOHに由来するピークが0.60以下であり、1GHzでの比誘電率が1.3~5.0であり、かつ1GHzでの誘電正接が0.0001~0.05である中空シリカ粒子が開示されている。
特許文献2では、内部空間を形成する外殻部を備え、前記外殻部がシリカを含む成分から構成される中空シリカ粒子であって、該中空シリカ粒子は、中空シリカ粒子前駆体を1100℃で焼成後、ジェットミルで粉砕して得られた中空シリカ粒子を分級機で分級して平均粒径及び粒径分布を調整して得られることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/172294号
特開2020-83736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の中空シリカ粒子は、その製造過程において、焼成時に粒子表面のシラノール同士が縮合して粒子が強く凝集するため、粒子径が大きく、そのままでは絶縁材料に十分に配合することができなかった。また、必要に応じて、中空シリカ焼成粒子を通常の方法で解砕すると、中空シリカ粒子が割れて、比誘電率及び誘電正接が上昇してしまうため、絶縁材料に適さなかった。
また、特許文献2では、その製造過程において、得られた中空シリカ粒子(凝集物)を、解砕機で解砕し、その後分級機で分級している。しかしながら、当該解砕機では、所定の粒子径に解砕するために解砕圧を大きくすると、中空シリカ粒子の割れの発生も大きくなるため、解砕後の中空シリカ粒子を絶縁材料に配合しても、比誘電率及び誘電正接が十分に低くならない。また、中空シリカ粒子の割れの発生を抑制するために、解砕圧を小さく調整すると、十分に解砕できず凝集物を残した中空シリカ粒子となり、絶縁材料に均一に配合できない場合がある。
本発明は、中空シリカ粒子の割れを抑制しながら所定の粒子径以下に解砕する中空シリカ粒子の製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、中空シリカ粒子凝集物を解砕する際に、解砕部と分級部とを有する解砕機を用いることで、上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明は、以下の〔1〕に関する。
〔1〕解砕部と分級部とを有する解砕機によって中空シリカ粒子凝集物を解砕する工程を有する、中空シリカ粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、中空シリカ粒子の割れを抑制しながら所定の粒子径以下に解砕する中空シリカ粒子の効率よい製造方法を提供できる。また、本発明によって得られる中空シリカ粒子は、割れが抑制されているため、比誘電率及び誘電正接を低く保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[中空シリカ粒子の製造方法]
本発明は、解砕部と分級部とを有する解砕機によって中空シリカ粒子凝集物を解砕する工程を有する中空シリカ粒子の製造方法である。
本発明によれば、中空シリカ粒子の割れを抑制し、得られる中空シリカ粒子の粒子径を、所定の粒子径以下に解砕できる。また、本発明によって得られる中空シリカ粒子は、割れが抑制されているため、比誘電率及び誘電正接を低く保つことができる。
【0009】
本発明における効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
通常、比誘電率及び誘電正接が低い中空シリカ粒子を得るためには、中空シリカ粒子の前駆体を、1000℃以上の高温で1時間以上焼成する工程を行うことが効果的である。しかしながら、1000℃以上の高温で焼成を行うと、得られる中空シリカ粒子には凝集が発生し、いわゆる中空シリカ粒子凝集物の状態となる。この中空シリカ粒子凝集物は、粒子径が大きいため、そのまま絶縁材料等に用いる樹脂等に配合することが困難であることから、該中空シリカ粒子凝集物を解砕することにより、粒子径が所定の粒子径以下である中空シリカ粒子とする必要があった。
従来のハンマーミルやビーズミル等を用いた解砕では、硬度の高いハンマーやビーズで空洞部を有する中空シリカ粒子凝集物を解砕することになるため、得られる中空シリカ粒子が割れやすかった。割れた中空シリカ粒子の割合が増えると、得られるシリカ粒子の空孔率が低下するため比誘電率が高くなる。また、割れた中空シリカ粒子の断面には、シラノール基が生成するため、誘電正接も高くなる。よって、従来の製造方法で得られる中空シリカ粒子は比誘電率及び誘電正接が高くなるため、絶縁材料等への配合には適さなかった。
一方、本発明の中空シリカ粒子の製造方法は、解砕部と分級部とを有する解砕機では、中空シリカ粒子凝集物を解砕し、続けて分級部により分級することにより、所定の粒子径以下となった中空シリカ粒子が必要以上に解砕部に滞留しないため、中空シリカ粒子の割れを抑制することができる。また、分級部にて解砕機外に排出されなかった、所定の粒子径より大きい中空シリカ粒子凝集物(すなわち、解砕が不十分であった中空シリカ粒子凝集物)は、再び解砕部に投入されて解砕される。そのため、所定の粒子径以下に解砕された中空シリカ粒子を効率的に得ることができる。
本発明で得られる中空シリカ粒子は、割れが抑制されているため、比誘電率及び誘電正接を低く保つことができる。
【0010】
<解砕部と分級部とを有する解砕機>
本発明において、解砕機は、解砕部と分級部とを有する。
(【0011】以降は省略されています)

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