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公開番号2025030829
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136469
出願日2023-08-24
発明の名称乳酸応答性酵素電極
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 11/00 20060101AFI20250228BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】酸性pHでの活性低下が抑制されたL-乳酸オキシダーゼ及びその利用の提供。
【解決手段】特定のアミノ酸配列からなるポリペプチド又は特定のアミノ酸配列のいずれかで示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり且つL-乳酸酸化活性を有するポリペプチドを含む酵素電極。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり且つL-乳酸酸化活性を有するポリペプチドを含む酵素電極。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
電子メディエーターをさらに含む、請求項1記載の酵素電極。
【請求項3】
電極上に前記ポリペプチドが固定化された、請求項1又は2記載の酵素電極。
【請求項4】
電極上に配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり且つL-乳酸酸化活性を有するポリペプチドを固定化する工程を含む、酵素電極の製造方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項記載の酵素電極を備える乳酸センサー。
【請求項6】
作用極及び対極を含む電極系を備え、前記作用極に前記酵素電極を備える、請求項5記載の乳酸センサー。
【請求項7】
請求項6記載の乳酸センサーと、前記乳酸センサーの電極系に電極に印加する手段と、前記乳酸センサーの電極系における電流値を測定する手段とを備えるL-乳酸測定システム。
【請求項8】
請求項5若しくは6記載の乳酸センサー又は請求項7記載のL-乳酸測定システムを用いたL-乳酸測定方法。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項記載の酵素電極を備えるバイオ燃料電池。
【請求項10】
アノードとカソードとを備え、前記アノードに前記酵素電極を備える、請求項9記載のバイオ燃料電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素電極に有用な乳酸オキシダーゼ及びその利用に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ヒトの血液に含まれるL-乳酸は、疲労状態等の生体指標(バイオマーカー)として知られている。しかしながら、血中L-乳酸の測定は、生体からの血液の採取が必須となり侵襲性が高い。
【0003】
その後、ヒトの汗に含まれるL-乳酸にも血中L-乳酸と同様に疲労状態等の生体指標機能が認められ、汗中L-乳酸は、非侵襲的な計測が可能となることから計測対象として注目を集めている(非特許文献1)。一方、汗のpHは、通常中性であることが多いものの、個人差があり、また激しい運動によって酸性側にシフトすることが知られている(非特許文献2)。ところが、乳酸センサーやL-乳酸を燃料とするバイオ燃料電池の電極に用いられ、L-乳酸センシングの要となるL-乳酸オキシダーゼ(L-lactate oxidase、LOX)の市販品は、中性pH付近で活性至適となるのに対し、酸性pHで顕著に活性が低下するという課題を有する。よって、酸性pHの影響が低減されたL-乳酸センシングの手法が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Van Hoovels et al. ACS sensors 2021, 6, 10, 3496-3508
Anastasova et al. Biosensors and Bioelectronics, 2017, 93, 139-145
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、酸性pHでの活性低下が抑制されたL-乳酸オキシダーゼ及びその利用を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定のL-乳酸オキシダーゼが、既存のL-乳酸オキシダーゼと比較して、優れた酸性耐性を有し、酵素電極の電極触媒として用いると酸性条件下で該酵素電極の電流密度が向上することを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の1)~9)に係るものである。
1)配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり且つL-乳酸酸化活性を有するポリペプチドを含む酵素電極。
2)電極上に配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり且つL-乳酸酸化活性を有するポリペプチドを固定化する工程を含む、酵素電極の製造方法。
3)1)記載の酵素電極を備える乳酸センサー。
4)3)記載の乳酸センサーと、前記乳酸センサーの電極系に電極に印加する手段と、前記乳酸センサーの電極系における電流値を測定する手段とを備えるL-乳酸測定システム。
5)3)記載の乳酸センサー又は4)記載の乳酸測定システムを用いたL-乳酸測定方法。
6)1)記載の酵素電極を備えるバイオ燃料電池。
7)6)記載のバイオ燃料電池を用いた発電方法。
8)配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり且つL-乳酸酸化活性を有するポリペプチドを用いるL-乳酸測定方法。
9)配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又は配列番号3~6のいずれかで示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列からなり且つL-乳酸酸化活性を有するポリペプチド、ペルオキシダーゼ、新トリンダー試薬及びカプラー化合物を含むL-乳酸測定キット。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、酸性耐性を有し、広いpH域で活性を示すL-乳酸オキシダーゼを用いる酵素電極、乳酸センサー及びバイオ燃料電池を提供することができる。これにより、L-乳酸センシングにおいて、デバイスの使用環境の拡大、安定化、高感度化、高出力化、小型化に資することができる。また、該L-乳酸オキシダーゼは、L-乳酸測定用の試薬としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
L-乳酸オキシダーゼの比活性。
pHがL-乳酸オキシダーゼ活性に与える影響。(A)比活性、(B)相対活性。
L-乳酸応答性酵素電極を用いた電流密度評価。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、アミノ酸配列又はヌクレオチド配列の同一性は、Lipman-Pearson法(Science,1985,227:1435-1441)によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGENETYX Ver.12のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
(【0011】以降は省略されています)

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