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公開番号2025025843
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023131004
出願日2023-08-10
発明の名称吸収性物品用不織布
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人,個人
主分類D04H 1/559 20120101AFI20250214BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】吸収性物品における軟便吸収性の高さを想起でき、かつ軟便吸収力の高い吸収性物品用不織布を提供する。
【解決手段】厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、前記第1繊維層は、肌面側に向かって開いた空間部を備えた複数の凹部と、隣り合う凹部間で厚み方向に貫通する開孔部とを有し、前記複数の凹部それぞれは、前記不織布の平面方向に対して垂直に延在する壁部と、底部とを備え、前記第2繊維層は、前記第1繊維層の非肌面側に配され、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有する、吸収性物品用不織布。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、
前記第1繊維層は、肌面側に向かって開いた空間部を備えた複数の凹部と、隣り合う凹部間で厚み方向に貫通する開孔部とを有し、
前記複数の凹部それぞれは、前記不織布の平面方向に対して垂直に延在する壁部と、底部とを備え、
前記第2繊維層は、前記第1繊維層の非肌面側に配され、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有する、吸収性物品用不織布。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記隆起部は、前記第1繊維層の側から視認可能である、請求項1記載の吸収性物品用不織布。
【請求項3】
前記第2繊維層の繊維は前記不織布の平面方向に配向している、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項4】
前記第1繊維層における前記凹部の壁部と前記第2繊維層との当接領域において、前記壁部の繊維と前記第2繊維層の繊維との交差部における繊維融着部を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項5】
前記隆起部の裾部が、前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域に接続されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項6】
前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域において、前記第2繊維層の繊維が前記不織布の平面方向に配向し、前記隆起部の裾部の表面の繊維が、前記壁部の繊維とは異なる繊維配向を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項7】
目付が20g/m

以上100g/m

以下である、請求項1~6いずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項8】
4.9mN/cm

荷重下における厚みが0.8mm以上10mm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項9】
前記壁部の繊維が前記不織布の厚み方向に配向している、請求項1~8のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布を有する吸収性物品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品用不織布に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
不織布は、おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の構成部材など様々な用途に用いられている。例えば、吸収性物品の表面シートとして用いられる不織布には様々な構造を備えたものがある。
例えば、特許文献1には、互いに繊維配向方向が異なる縦畝部と横畝部とを備えた凹凸構造を備える不織布が記載されている。特許文献2には、吸収性物品の表面シートとして、複数の畝部と底部とを有し、前記底部に開孔を配した凹凸構造の不織布が記載されている。特許文献3には、第1不織布層と第2不織布層とが積層された不織布が記載されている。前記第1不織布層は凹凸構造を有し、第2不織布層は略平坦な形状とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-44320号公報
特開2020-467号公報
特開2019-44293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
凹凸構造の底部に開孔部を有する不織布は、吸収性物品の表面シートとして用いた場合、前記開孔部の存在によって吸収性物品の液吸収性(特に、軟便吸収性)を高めることができる。ここでいう開孔部は、厚み方向に貫通した孔と凹状底部を有する孔とを含む。この軟便吸収性の高さは、吸収性物品を手に取った使用者にとっては開孔構造を認識することで理解されやすい。
しかし、前記不織布が表面シートとして吸収性物品に組み込まれると、前記開孔部は下層の部材の存在によって視認され難くなる。そのため、使用者に軟便吸収性の高さを訴求する観点から、上記のような不織布において底部の開孔部の視認性が高いことが望まれる。またこれに応じて、前記不織布は、前記表面シートとして排泄物を吸収体へと移行させる軟便吸収力を更に向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、吸収性物品における軟便吸収性の高さを想起でき、かつ軟便吸収力の高い吸収性物品用不織布に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、前記第1繊維層は、肌面側に向かって開いた空間部を備えた複数の凹部と、隣り合う凹部間で厚み方向に貫通する開孔部とを有し、前記複数の凹部それぞれは、前記不織布の平面方向に対して垂直に延在する壁部と、底部とを備え、前記第2繊維層は、前記第1繊維層の非肌面側に配され、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有する、吸収性物品用不織布を提供する。
【0007】
また、本発明は、複数の突起と該突起間の凹部とを備えた凹凸形状の支持体上に第1繊維ウエブを載置し、前記凹部に沿って、前記第1繊維ウエブを、押し込み部材の押し込み部によって押し込んで賦形すると共に、前記第1繊維ウエブの前記突起に対応する箇所を開孔し、前記支持体と反対側に開孔面を有する凹凸開孔繊維ウエブを形成する、押し込み工程と、前記支持体から前記押し込み部材を取り外した後、前記凹凸開孔繊維ウエブに第1の熱風を吹き付けて繊維同士を融着させて凹凸開孔不織布を得る工程と、第2繊維ウエブを供給して、前記凹凸開孔不織布の、前記支持体の凹部へと押し込まれた面側に前記第2繊維ウエブを積層させる工程と、第2の熱風を吹き付けて前記凹凸開孔不織布と前記第2繊維ウエブとの繊維同士を融着させ、かつ前記第2繊維ウエブ中の繊維同士を融着する熱融着工程と、を有する吸収性物品用不織布の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の吸収性物品用不織布は、吸収性物品における軟便吸収性の高さを想起でき、かつ軟便吸収力の高いものとなる。本発明の吸収性物品用不織布の製造方法によれば、上記の本発明の吸収性物品用不織布を好適に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係る吸収性物品用不織布の好ましい一実施形態を模式的に示す断面図である。
図1に示す吸収性物品用不織布の部分拡大断面図である。
本実施形態の吸収性物品用不織布の具体例を肌面側から模式的に示す平面図である。
図3に示す吸収性物品用不織布のR1-R1線断面図である。
図3に示す吸収性物品用不織布のR2-R2線断面図である。
図3に示す吸収性物品用不織布のR3-R3線断面図である。
図3に示す吸収性物品用不織布のR4-R4線断面図である。
本発明に係る吸収性物品用不織布の製造方法の好ましい一実施形態を模式的に示す説明図であり、(A)は押し込み工程を示し、(B)は第1の熱風により凹凸開孔不織布を得る工程を示し、(C)は第2繊維ウエブを凹凸開孔不織布に積層する工程を示し、(D)は第2の熱風により凹凸開孔不織布と第2繊維ウエブとを一体化し、第2繊維ウエブを不織布化する工程を示している。
支持体の平面図である。
押し込み部材の平面図である。
支持体と押し込み部材とを組み合わせた状態を示す平面図である。
第2の熱風の吹き付け方向の一例を示す説明図である。
第2の熱風の吹き付け方向の別の一例を示す説明図である。
エアーの吹き付け工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る吸収性物品用不織布の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら、以下に説明する。なお、本明細書において、吸収性物品用不織布を単に不織布ということがある。
本実施形態の不織布10は、繊維同士の交差部に繊維融着部を有する不織布である。例えば、エアスルー法によって前記繊維融着部を形成したエアスルー不織布が挙げられる。そのため、不織布10は構成繊維に熱可塑性繊維を含む。すなわち、不織布10を構成する後述の第1繊維層M1及び第2繊維層M2は構成繊維に熱可塑性繊維を含み、前記繊維融着部を形成した不織布である。第1繊維層M1と第2繊維層M2とは互いの繊維同士の交差部における繊維融着部によって一体化されている。
(【0011】以降は省略されています)

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