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公開番号2025013207
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024100986
出願日2024-06-24
発明の名称複合シート
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人南青山国際特許事務所
主分類D06M 13/50 20060101AFI20250117BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】繊維で構成されたシート基材中に金属有機構造体が担持され、ガス吸着性能が高い複合シートを提供する。
【解決手段】複合シートでは、繊維で構成されたシート基材中に金属有機構造体が分散されている。上記金属有機構造体が上記繊維の表面に担持されている。上記熱処理の後において上記複合シート全体の質量に対する上記金属有機構造体の質量の比率が80質量%以上である。上記複合シートの厚み方向の中央部を構成する上記繊維における上記金属有機構造体による表面被覆率が60%以上である。上記金属有機構造体の表面露出率が50%以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
繊維で構成されたシート基材中に金属有機構造体が分散された複合シートであって、
前記金属有機構造体が前記繊維の表面に担持され、
前記複合シート全体の質量に対する前記金属有機構造体の質量の比率が80質量%以上であり、
前記複合シートの厚み方向の中央部を構成する前記繊維における前記金属有機構造体による表面被覆率が60%以上であり、
前記金属有機構造体の表面露出率が50%以上である
複合シート。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記繊維が有機繊維を含む
請求項1に記載の複合シート。
【請求項3】
前記繊維が親水性繊維及び疎水性繊維を含む
請求項1又は2に記載の複合シート。
【請求項4】
最大曲げ応力が5MPa以下である
請求項1又は2に記載の複合シート。
【請求項5】
前記複合シートにおける前記シート基材の繊維間距離は1μm以上1000μm以下である
請求項1又は2に記載の複合シート。
【請求項6】
繊維で構成されたシート基材中に金属有機構造体が担持された複合シートの製造方法であって、
前記金属有機構造体の原料となる金属イオン及び有機配位子のうち、一方を含む第1原料溶液と、他方を含む第2原料溶液と、を用意し、
前記第1原料溶液を前記シート基材に含浸させ、
前記シート基材に含浸させた前記第1原料溶液が乾燥しないうちに前記第2原料溶液を前記シート基材に含浸させ、
前記第2原料溶液を含浸させた前記シート基材を乾燥させ、
乾燥させた前記シート基材に熱処理を加え、
前記熱処理の後において前記複合シート全体の質量に対する前記金属有機構造体の質量の比率が80質量%以上となるように、前記熱処理の前における、
前記第1原料溶液を前記シート基材に含浸させ、
前記シート基材に含浸させた前記第1原料溶液が乾燥しないうちに前記第2原料溶液を前記シート基材に含浸させ、
前記第2原料溶液を含浸させた前記シート基材を乾燥させる
工程を繰り返す
複合シートの製造方法。
【請求項7】
前記第1原料溶液及び前記第2原料溶液のうち、一方が30質量%以上99質量%以下の水を含み、他方が30質量%以上99質量%以下の有機溶媒を含む
請求項6に記載の複合シートの製造方法。
【請求項8】
前記第1原料溶液を前記シート基材に含浸させる時間、及び前記第2原料溶液を前記シート基材に含浸させる時間の少なくとも一方が0.01分以上30分以下である
請求項6又は7に記載の複合シートの製造方法。
【請求項9】
前記繊維が有機繊維を含む
請求項6又は7に記載の複合シートの製造方法。
【請求項10】
前記繊維が親水性繊維及び疎水性繊維を含む
請求項6又は7に記載の複合シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シート基材に金属有機構造体が担持された複合シートに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)は、均一な孔径、高い比表面積、高い分離性能などを有するため、高性能なガス吸着材料として注目されている。この一方で、MOFは、ミクロンスケールの微粉であるため単体では取り扱いにくいことが知られている。これに対し、MOFを不織布などの基材に担持させることで、多量のMOFを一括して取り扱えるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-191913号公報
中国特許出願公開第112002938号明細書
中国特許出願公開第109881483号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス吸着性能を高めるためには、不織布に多くのMOFを担持させる必要がある。そのためには、不織布の表層部のみならず内部にもMOFを担持させることが有利である。ところが、不織布にMOFの粒子を散布する手法や、不織布にMOFの分散液を含浸させる手法などといった一般的な手法では、MOFの各粒子が不織布の内部まで入って行かずに表層部に留まりやすい。
【0005】
本発明の課題は、繊維で構成されたシート基材中に金属有機構造体が担持され、ガス吸着性能が高い複合シートを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る複合シートでは、繊維で構成されたシート基材中に金属有機構造体が分散されている。
一実施形態においては、上記金属有機構造体が上記繊維の表面に担持されている。
一実施形態においては、上記複合シート全体の質量に対する上記金属有機構造体の質量の比率が80質量%以上である。
一実施形態においては、上記複合シートの厚み方向の中央部を構成する上記繊維における上記金属有機構造体による表面被覆率が60%以上である。
一実施形態においては、上記金属有機構造体の表面露出率が50%以上である。
【0007】
本発明の一形態に係る複合シートの製造方法では、繊維で構成されたシート基材中に金属有機構造体が担持された複合シートが製造される。
一実施形態においては、上記金属有機構造体の原料となる金属イオン及び有機配位子のうち、一方を含む第1原料溶液と、他方を含む第2原料溶液と、を用意する。
一実施形態においては、上記シート基材に上記第1原料溶液を含浸させる。
一実施形態においては、上記シート基材に含浸させた上記第1原料溶液が乾燥しないうちに上記シート基材に上記第2原料溶液を含浸させる。
一実施形態においては、上記第2原料溶液を含浸させた前記シート基材を乾燥させる。
一実施形態においては、乾燥させた上記シート基材に熱処理を加える。
一実施形態においては、上記熱処理の後において前記複合シート全体の質量に対する前記金属有機構造体の質量の比率が80質量%以上となるように、前記熱処理の前における、
前記第1原料溶液を前記シート基材に含浸させ、
前記シート基材に含浸させた前記第1原料溶液が乾燥しないうちに前記第2原料溶液を前記シート基材に含浸させ、
前記第2原料溶液を含浸させた前記シート基材を乾燥させる
工程を繰り返す。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、繊維で構成されたシート基材中に金属有機構造体が担持され、ガス吸着性能が高い複合シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
複合シートの断面をSEMによって撮像した微細組織写真である。
複合シートを構成する繊維の断面を模式的に示す図である。
本発明の一実施形態に係る複合シートの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[複合シートの基本構成]
本発明の一実施形態に係る複合シートは、シート基材と金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)とを有する。
本実施形態に係る複合シートのシート基材は、繊維によってシート状に形成された基材であり、典型的には不織布であるが、織布、ニット布、メッシュなどであってもよい。
本実施形態に係る複合シートのMOFは、典型的には金属イオンと有機配位子とから構成される微粉であり、シート基材中に分散され、シート基材を構成する繊維の表面に担持されている。なお、このような構造体について、多孔性配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymer)との呼称が用いられることもあるが、本明細書では金属有機構造体(MOF)との呼称に統一するものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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