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公開番号
2024179032
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023097521
出願日
2023-06-14
発明の名称
水系顔料分散体
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C09D
17/00 20060101AFI20241219BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】サーマル方式のインクジェット記録においても、吐出性に優れる水系顔料分散体、及び該水系顔料分散体の製造方法、並びに該水系顔料分散体を含有するインクジェット記録用水系インクを提供する。
【解決手段】顔料、架橋ポリマー分散剤A、及び水系媒体を含有する水系顔料分散体であって、該架橋ポリマー分散剤Aが、カルボキシ基を有するポリマー(a)由来の構造と多官能エポキシ化合物(b)由来の構造とを含み、該架橋ポリマー分散剤Aのカルボキシ基の少なくとも一部は、アルカリ金属水酸化物で中和されてなり、該架橋ポリマー分散剤Aの架橋度及び該ポリマー(a)の酸価が下記の条件1を満たす、水系顔料分散体、及び該水系顔料分散体の製造方法、並びに該水系顔料分散体を含有するインクジェット記録用水系インクである。
条件1:〔(架橋ポリマー分散剤Aの架橋度)/100〕×(ポリマー(a)の酸価)の値が、230mgKOH/g以上360mgKOH/g以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
顔料、架橋ポリマー分散剤A、及び水系媒体を含有する水系顔料分散体であって、
該架橋ポリマー分散剤Aが、カルボキシ基を有するポリマー(a)由来の構造と多官能エポキシ化合物(b)由来の構造とを含み、
該架橋ポリマー分散剤Aのカルボキシ基の少なくとも一部は、アルカリ金属水酸化物で中和されてなり、
該架橋ポリマー分散剤Aの架橋度及び該ポリマー(a)の酸価が下記の条件1を満たす、水系顔料分散体。
条件1:〔(架橋ポリマー分散剤Aの架橋度)/100〕×(ポリマー(a)の酸価)の値が、230mgKOH/g以上360mgKOH/g以下である。
ここで、架橋ポリマー分散剤Aの架橋度は、架橋ポリマー分散剤Aを構成する多官能エポキシ化合物(b)に由来するエポキシ基のモル当量数を、架橋ポリマー分散剤Aを構成するポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数で除した値〔(多官能エポキシ化合物(b)に由来するエポキシ基のモル当量数)/(ポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数)〕の百分比である。
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【請求項2】
架橋ポリマー分散剤Aの酸価が40mgKOH/g以上250mgKOH/g以下である、請求項1に記載の水系顔料分散体。
【請求項3】
架橋ポリマー分散剤Aの架橋度が40モル%以上90モル%以下である。請求項1又は2に記載の水系顔料分散体。
【請求項4】
ポリマー(a)の酸価が300mgKOH/g以上800mgKOH/g以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水系顔料分散体。
【請求項5】
ポリマー(a)がカルボキシ基含有モノマー(a-1)由来の構成単位を含むビニル系ポリマーであり、該カルボキシ基含有モノマー(a-1)が、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水系顔料分散体。
【請求項6】
ポリマー(a)がスチレン/マレイン酸共重合体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の水系顔料分散体。
【請求項7】
多官能エポキシ化合物(b)の水溶率が45質量%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の水系顔料分散体。
【請求項8】
架橋ポリマー分散剤Aの架橋度の、架橋ポリマー分散剤Aの中和度に対する比〔(架橋ポリマー分散剤Aの架橋度)/(架橋ポリマー分散剤Aの中和度)〕が、1以上7以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の水系顔料分散体。
ここで、架橋ポリマー分散剤Aの中和度は、水系顔料分散体中のアルカリ金属水酸化物のモル当量数を、架橋ポリマー分散剤Aを構成するポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数で除した値〔(アルカリ金属水酸化物のモル当量数)/(ポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数)〕の百分比である(ただし、該値〔(アルカリ金属水酸化物のモル当量数)/(ポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数)〕の百分比及び架橋ポリマー分散剤Aの架橋度の合計が100モル%を超える場合には、架橋ポリマー分散剤Aの中和度は、100モル%から架橋度(モル%)を差し引いた値である)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の水系顔料分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
【請求項10】
サーマル方式インクジェット記録用である、請求項9に記載のインクジェット記録用水系インク。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水系顔料分散体、及び該水系顔料分散体の製造方法、並びに該水系顔料分散体を含有するインクジェット記録用水系インクに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、微細なノズルからインク液滴を直接吐出し、記録媒体に付着させて、文字や画像が記録された記録物を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易でかつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被記録媒体に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。特に記録物の耐候性や耐水性の観点から、着色材に顔料を用いるものが主流となってきている。
一方、着色材が顔料であるインクジェット記録用水系インクは、顔料粒子が水系媒体中に分散しているため、吐出性が劣るという問題がある。
そこで、着色材が顔料であるインクジェット記録用水系インクの特性を改善するため、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、インク吐出ノズルでの顔料やポリマーの固化による吐出ノズルの目詰りを抑制できる優れた再分散性と、高温下における保存安定性を確保できる水系顔料分散体等の提供を課題として、カルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(A)と水不溶性多官能エポキシ化合物(b)によって架橋してなるポリマー分散剤、及び顔料からなる水系顔料分散体であって、該水不溶性ポリマー(A)のカルボキシ基の少なくとも一部はアルカリ金属化合物で中和されており、かつ、中和された水不溶性ポリマー(A)の酸価と中和度と架橋度が特定の条件を満たす水系顔料分散体等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-65997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、水系顔料分散体については、該水系顔料分散体をインクジェット記録用インクに用いる際の吐出性の更なる向上に対する要望が高まっている。特許文献1の水系顔料分散体は、該水系顔料分散体をピエゾ方式のインクジェット記録用水系インクに用いた際には、吐出ノズルの目詰りを抑制することができると記載されているものの、インクに熱エネルギーを印加して飛翔させる、サーマル方式のインクジェット記録への適用においては未だ不十分なものであることが判明した。
本発明は、サーマル方式のインクジェット記録においても、吐出性に優れる水系顔料分散体、及び該水系顔料分散体の製造方法、並びに該水系顔料分散体を含有するインクジェット記録用水系インクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、顔料、架橋ポリマー分散剤A、及び水系媒体を含有する水系顔料分散体であって、該架橋ポリマー分散剤が、カルボキシ基を有するポリマー由来の構造と多官能エポキシ化合物由来の構造とを含み、該架橋ポリマー分散剤を構成するポリマーのカルボキシ基の少なくとも一部がアルカリ金属水酸化物で中和されてなり、更に該架橋ポリマー分散剤Aの架橋度及び該カルボキシ基を有するポリマーの酸価が特定の条件を満たすことにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の[1]~[3]に関する。
[1]顔料、架橋ポリマー分散剤A、及び水系媒体を含有する水系顔料分散体であって、
該架橋ポリマー分散剤Aが、カルボキシ基を有するポリマー(a)由来の構造と多官能エポキシ化合物(b)由来の構造とを含み、
該架橋ポリマー分散剤Aのカルボキシ基の少なくとも一部は、アルカリ金属水酸化物で中和されてなり、
該架橋ポリマー分散剤Aの架橋度及び該ポリマー(a)の酸価が下記の条件1を満たす、水系顔料分散体。
条件1:〔(架橋ポリマー分散剤Aの架橋度)/100〕×(ポリマー(a)の酸価)の値が、230mgKOH/g以上360mgKOH/g以下である。
ここで、架橋ポリマー分散剤Aの架橋度は、架橋ポリマー分散剤Aを構成する多官能エポキシ化合物(b)に由来するエポキシ基のモル当量数を、架橋ポリマー分散剤Aを構成するポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数で除した値〔(多官能エポキシ化合物(b)に由来するエポキシ基のモル当量数)/(ポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数)〕の百分比である。
[2]前記[1]に記載の水系顔料分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
[3]下記の工程1及び工程2を含む、前記[1]に記載の水系顔料分散体の製造方法。
工程1:顔料、カルボキシ基を有するポリマー(a)、及びアルカリ金属水酸化物を含む顔料混合物に剪断応力を加えて分散処理して顔料水分散体(d)を得る工程
工程2:工程1で得られた顔料水分散体(d)中のカルボキシ基を有するポリマー(a)のカルボキシ基と多官能エポキシ化合物(b)とを反応させて架橋ポリマー分散剤Aを形成して、顔料、架橋ポリマー分散剤A、及び水系媒体を含有する水系顔料分散体を得る工程
【発明の効果】
【0008】
本発明は、サーマル方式のインクジェット記録においても、吐出性に優れる水系顔料分散体、及び該水系顔料分散体の製造方法、並びに該水系顔料分散体を含有するインクジェット記録用水系インクを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[水系顔料分散体]
本発明の水系顔料分散体は、顔料、架橋ポリマー分散剤A、及び水系媒体を含有する水系顔料分散体であって、該架橋ポリマー分散剤Aが、カルボキシ基を有するポリマー(a)由来の構造と多官能エポキシ化合物(b)由来の構造とを含み、該架橋ポリマー分散剤Aのカルボキシ基の少なくとも一部は、アルカリ金属水酸化物で中和されてなり、該架橋ポリマー分散剤Aの架橋度及び該ポリマー(a)の酸価が下記の条件1を満たす。
条件1:〔(架橋ポリマー分散剤Aの架橋度)/100〕×(ポリマー(a)の酸価)の値が、230mgKOH/g以上360mgKOH/g以下である。
ここで、架橋ポリマー分散剤Aの架橋度は、架橋ポリマー分散剤Aを構成する多官能エポキシ化合物(b)に由来するエポキシ基のモル当量数を、架橋ポリマー分散剤Aを構成するポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数で除した値〔(多官能エポキシ化合物(b)に由来するエポキシ基のモル当量数)/(ポリマー(a)に由来するカルボキシ基のモル当量数)〕の百分比である。
【0010】
なお、本発明において、「水系」とは、顔料が分散されている媒体中で、水が質量基準で最大割合を占めていることを意味する。また、「記録」とは、文字や画像を記録する印刷及び印字を含む概念である。
本発明の水系顔料分散体は、サーマル方式のインクジェット記録において水系インクとして用いる際にも吐出性に優れる。そのため、本発明の水系顔料分散体は、サーマル方式インクジェット記録用水系インクとして好適に用いることができる。
また、本明細書において、サーマル方式のインクジェット記録におけるインクの吐出性を単に「インクの吐出性」ともいう。
(【0011】以降は省略されています)
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