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公開番号2025009235
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023112097
出願日2023-07-07
発明の名称電縫管の製造方法及び溶接装置
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類B21C 37/08 20060101AFI20250110BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】アプセット溶接のプロセスウィンドウを拡大し、良好な溶接品質を確保することができる電縫管の製造方法を提供する。
【解決手段】電縫管の製造方法は、金属板(10)を搬送しながら金属板(10)の両端部(11L,11R)が対向するように管状に成形する工程と、対向する両端部(11L,11R)の間隔をシームガイド(31)によって調整し、両端部(11L,11R)を加熱して溶融させた後、スクイズロール(33)を用い、金属板(10)の搬送方向の下流に向かうにつれて接近して接触した両端部(11L,11R)を押し付け合うように金属板(10)を加圧して両端部(11L,11R)を溶接する工程とを備える。溶接する工程において、搬送方向の下流に向かうにつれて接近して接触する両端部(11L,11R)がなす角(θ)は、5.0°以上である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
電縫管の製造方法であって、
金属板を搬送しながら前記金属板の両端部が対向するように管状に成形する工程と、
対向する前記両端部の間隔をシームガイドによって調整し、前記両端部を加熱して溶融させた後、スクイズロールを用い、前記金属板の搬送方向の下流に向かうにつれて接近して接触した前記両端部を押し付け合うように前記金属板を加圧して前記両端部を溶接する工程と、
を備え、
前記溶接する工程において、前記搬送方向の下流に向かうにつれて接近して接触する前記両端部がなす角は、5.0°以上である、製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の製造方法であって、
前記スクイズロールは、前記搬送方向に沿って見て前記金属板の両側に配置され、それぞれ中心軸側に凹に湾曲する側面を有する一対のサイドロールを含み、
前記シームガイドの幅をW
SG
、前記サイドロールの前記側面の底部での直径をD
SR
、前記側面の曲率半径をR
SR
とし、W
SG
/R
SR
を規格化シームガイド幅Y、D
SR
/R
SR
を規格化スクイズロール径Xとしたとき、規格化シームガイド幅Y及び規格化スクイズロール径Xは以下の各式を満たす、製造方法。
Y≦0.80
X≧3.60
Y≧0.003X

-0.025X+0.6
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法であって、
前記電縫管の外径は、10mm以上110mm以下である、製造方法。
【請求項4】
搬送されながら管状に成形される金属板の互いに対向する両端部を溶接する溶接装置であって、
対向する前記両端部の間隔を調整するシームガイドと、
前記金属板の搬送方向において前記シームガイドの下流に配置されるスクイズロールであって、それぞれ中心軸側に凹に湾曲する側面を有する一対のサイドロールを含む前記スクイズロールと、
を備え、
前記シームガイドの幅をW
SG
、前記サイドロールの前記側面の底部での直径をD
SR
、前記側面の曲率半径をR
SR
とし、W
SG
/R
SR
を規格化シームガイド幅Y、D
SR
/R
SR
を規格化スクイズロール径Xとしたとき、規格化シームガイド幅Y及び規格化スクイズロール径Xは以下の各式を満たす、溶接装置。
Y≦0.80
X≧3.60
Y≧0.003X

-0.025X+0.6
【請求項5】
請求項4に記載の溶接装置であって、
前記曲率半径R
SR
は、5mm以上55mm以下である、溶接装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電縫管の製造方法に関する。また、本開示は、溶接装置に関し、より詳細には、搬送されながら管状に成形される金属板の互いに対向する両端部を溶接する溶接装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
電気抵抗溶接管、いわゆる電縫管は、成形工程、溶接工程、及び定形工程等を経て製造される。成形工程では、コイルから巻き戻された金属板がオープンパイプ状に成形される。溶接工程では、オープンパイプ状の金属板の両端部がアプセット溶接によって接合され、電縫管が形成される。定形工程では、電縫管の形状が調整される。
【0003】
電縫管の製造プロセスにおいて、溶接工程では、通常、加熱装置及びスクイズロールが使用される。特許文献1には、加熱装置としてのワークコイルと、一対のサイドロール及び一対のトップロールを含むスクイズロールとを用いて金属板の両端部を溶接することが開示されている。ワークコイルに高周波電流が流れることにより、金属板の両端部に誘導電流が発生して両端部が加熱される。スクイズロールは、オープンパイプ状の金属板を外周側から加圧して、溶融状態の両端部を押し付ける。金属板の搬送方向においてワークコイルの上流には、シームガイドロールが配置されている。シームガイドロールは、オープンパイプ状の金属板の両端部の間隔を調整するものである。金属板の両端部は、シームガイドロールから下流に向かうにつれて接近し、スクイズロールの手前で接触する。特許文献1の実施例では、金属板の両端部がなす角が3.3°となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-241079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電縫管の製造プロセスにおいて、例えば溶接速度に制約がある場合、アプセット溶接のプロセスウィンドウが狭くなることがある。プロセスウィンドウが狭い場合、例えば素材である金属板の特性等によって溶接条件が変動した際に溶接条件がプロセスウィンドウから外れやすい。そのため、溶接不良が発生しやすく、良好な溶接品質を安定して確保することが困難である。
【0006】
本開示は、アプセット溶接のプロセスウィンドウを拡大し、良好な溶接品質を確保することができる電縫管の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る電縫管の製造方法は、金属板を搬送しながら当該金属板の両端部が対向するように管状に成形する工程と、対向する両端部の間隔をシームガイドによって調整し、両端部を加熱して溶融させた後、スクイズロールを用い、金属板の搬送方向の下流に向かうにつれて接近して接触した両端部を押し付け合うように金属板を加圧して両端部を溶接する工程とを備える。溶接する工程において、搬送方向の下流に向かうにつれて接近して接触する両端部がなす角は、5.0°以上である。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る電縫管の製造方法によれば、アプセット溶接のプロセスウィンドウを拡大することができる。そのため、良好な溶接品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施形態における電縫鋼管の製造設備の構成を示す模式図である。
図2は、図1に示す製造設備に含まれるシームガイドの一例を示す横断面図である。
図3は、図1に示す製造設備に含まれるスクイズロールの正面図である。
図4は、図1に示す製造設備の平面図であり、スクイズロール及びその近傍を示す図である。
図5は、投入電力及び溶接速度に応じた溶接状態の変化を示す模式図であり、実施形態の効果を説明するための図である。
図6は、規格化スクイズロール径、規格化シームガイド幅、及び金属板の両端部の収束角の関係を示す図である。
図7は、規格化スクイズロール径及び規格化シームガイド幅の関係を示すグラフである。
図8は、投入電力及び溶接速度に応じた溶接状態の変化を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一般に、電縫管の製造時における溶接(電縫溶接)の状態は、投入電力(入熱量)及び溶接速度に応じて変化する。図8は、投入電力及び溶接速度に応じた溶接状態の変化を示す模式図(CPDダイアグラム)である。高周波電縫溶接が行われる際、金属板の両端部は、搬送方向の下流に向かうにつれて徐々に接近する。金属板の両端部が接近すると近接効果によって両端部が強く加熱されて溶融し、これらの端部に溶融金属が溜まると、電磁的な斥力によって溜まった溶融金属が排出される。また、両端部の溶融は、オープンパイプ状の金属板の内外面側の角から板厚中央に向かって進行する。図8における線Aは、金属板の両端部が接近する速度と、溶融して生成された溶融金属が端部間から排出される速度とが一致する条件を表す線である。図8における線Bは、金属板の両端部の全厚が溶融する条件を表す線である。線Aと線Bとの交点における溶接速度は、臨界溶接速度Vmである。電縫溶接の現象は、臨界溶接速度Vmを境界に大きく変化する。
(【0011】以降は省略されています)

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