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公開番号2024173623
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023220295
出願日2023-12-27
発明の名称H形鋼の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B21B 1/088 20060101AFI20241205BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】ブレークダウン圧延機による粗圧延工程の工夫によって、仕上圧延後のH形鋼のフランジ部のフランジ幅の長手方向のばらつきを低減することができるH形鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】H形鋼の製造方法における粗圧延工程において、H形鋼素材S1のフランジ部S1Fのフランジ幅だけを圧下する圧延パスを設け、粗圧延工程終了後の粗形鋼片S2のフランジ部S2Fのフランジ幅B4を仕上圧延工程後のH形鋼Hのフランジ部Fの目標フランジ幅Bf以下に造形する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
H形鋼素材をブレークダウン圧延機によって粗圧延して粗形鋼片とする粗圧延工程と、該粗圧延工程で粗圧延された前記粗形鋼片を中間圧延機によって圧延して仕上圧延用の被圧延材とする中間圧延工程と、該中間圧延工程で圧延された仕上圧延用の前記被圧延材を仕上圧延機によって仕上圧延して製品寸法のH形鋼とする仕上圧延工程とを有するH形鋼の製造方法であって、
前記粗圧延工程において、前記H形鋼素材のフランジ部のフランジ幅だけを圧下する圧延パスを設け、前記粗圧延工程終了後の前記粗形鋼片のフランジ部のフランジ幅を前記仕上圧延工程後の前記H形鋼のフランジ部の目標フランジ幅以下に造形することを特徴とするH形鋼の製造方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記粗圧延工程における前記圧延パスは、前記粗圧延工程における最終圧延パスであることを特徴とする請求項1に記載のH形鋼の製造方法。
【請求項3】
前記粗圧延工程は、
前記H形鋼素材のウェブ部を厚さ方向に圧延し、かつ、前記H形鋼素材のフランジ部を幅方向に圧延するサイジング圧延工程と、
前記H形鋼素材のウェブ部の内幅を拡幅するウェブ拡幅圧延工程と、
前記H形鋼素材のフランジ部のフランジ幅だけを圧下する前記圧延パスを有するエッジング圧延工程と、を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のH形鋼の製造方法。
【請求項4】
前記ウェブ拡幅圧延工程に用いるウェブ拡幅圧延用孔型における前記H形鋼素材のフランジ部を幅方向に圧延するフランジ圧延部の孔型深さは、前記サイジング圧延工程に用いるサイジング圧延用孔型における前記H形鋼素材のフランジ部を幅方向に圧延するフランジ圧延部の孔型深さよりも浅いことを特徴とする請求項3に記載のH形鋼の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粗圧延工程、中間圧延工程、及び仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、H形鋼は、粗圧延工程、中間圧延工程、及び仕上圧延工程を経て製造される。粗圧延工程では、加熱炉で加熱されたH形鋼素材をブレークダウン圧延機によって粗圧延して粗形鋼片とする。中間圧延工程では、粗圧延工程で粗圧延された粗形鋼片を中間ユニバーサル圧延機及び中間エッジング圧延機によって圧延して略製品寸法となる仕上圧延用の被圧延材とする。仕上圧延工程では、中間圧延工程で圧延された略製品寸法となる仕上圧延用の被圧延材を仕上ユニバーサル圧延機によって仕上圧延して製品寸法のH形鋼とする。
【0003】
従来、この種のH形鋼の製造方法として、例えば、特許文献1乃至5に示すものが提案されている。
特許文献1に示すH形鋼用粗形鋼片の圧延方法は、二重可逆式圧延機によりH形鋼用粗形鋼片を圧延するに際し、ウェブ深さをそれぞれ同一の深さとした隣り合う2つ以上の造形孔型のうち粗形鋼片のウェブ高さにマッチする2つの造形孔型のウェブ部を共用し、粗形鋼片をこの共用する2つの造形孔型のウェブ部に跨った状態に挿通してフランジ幅を縮小圧延する段階を有するものである。
【0004】
この特許文献1に示すH形鋼用粗形鋼片の圧延方法によれば、フランジ幅縮小のための孔型が必要ないので、単一断面のビームブランクからウェブ高さが高く、しかもフランジ幅の狭いH形鋼を圧延することができる。
【0005】
また、特許文献2に示すH形鋼の圧延方法は、素材鋼片に、ブレークダウン圧延、粗ユニバーサル圧延およびエッジング圧延を行う粗圧延、仕上ユニバーサル圧延を順次施すH形鋼の圧延方法において、先材の仕上ユニバーサル圧延後もしくは粗ユニバーサル圧延後の長さ方向のフランジ幅分布を求める。そして、フランジ幅分布に基づいて次材に対する粗ユニバーサル圧延のフランジ厚み圧下率、ウェブ厚み圧下率のいずれかまたは両方を、先材の設定値を基準として変更するものである。
【0006】
この特許文献2に示すH形鋼の圧延方法によれば、特別な装置なしで、製品長さ方向のフランジ幅精度が良好なH形鋼を安定して製造することができる。
【0007】
また、特許文献3に示すH形鋼の圧延方法は、素材鋼片に、ブレークダウン圧延、粗ユニバーサル圧延およびエッジング圧延を行う粗圧延、仕上ユニバーサル圧延を順次施すH形鋼の圧延方法において、粗ユニバーサル圧延中、被圧延材の長手方向でフランジ厚み圧下率、ウェブ厚み圧下率のいずれか一方または両方を変化させるものである。
【0008】
この特許文献3に示すH形鋼の圧延方法によれば、製品長さ方向のフランジ幅精度が良好なH形鋼を安定して製造することができる。
【0009】
更に、特許文献4に示すH形鋼用粗圧延材のフランジ幅可変圧延方法は、孔底の幅方向中央に中央膨出部と中央膨出部の両側に溝部を形成した複数のフランジ拡幅孔型と、ウェブ部及びフランジ部を圧下する整形孔型とを有する二重孔型ロールを用い、矩形断面鋼片を素材としてH形鋼フランジ相当側面に割り込み・拡幅圧延した後、整形圧延を行うものである。そして、各フランジ拡幅孔型のうち第1孔型を除く孔型および整形孔型における最後パス後の被圧延材のフランジ幅を当該孔型の孔底幅より狭くし各孔型に被圧延材のフランジ相当部が充満しないように圧延するものである。
【0010】
この特許文献4に示すH形鋼用粗圧延材のフランジ幅可変圧延方法によれば、矩形断面のスラブを素材としてH形鋼の粗圧延材を二重孔型ロールを用いたブレークダウンミルで製造するに際して、ロール組替えをせずに一組のロール対のみでフランジ幅が異なりウェブ高さが等しい複数シリーズの粗圧延材を圧延することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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