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公開番号
2024128535
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-24
出願番号
2023037542
出願日
2023-03-10
発明の名称
鍛造金型及び曲げ加工方法
出願人
株式会社佐藤精機
代理人
個人
,
個人
主分類
B21J
13/02 20060101AFI20240913BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約
【課題】バスバー用等の板幅変化部を有する素材をブランクの歩留まりを高めて製造する。
【解決手段】専用の鍛造金型1を使用する。コマ47を嵌入して押込むと、コマ47の先行面51が鍛造素材Wの端面t2に当接して押圧する。鍛造素材Wに塑性流動が発生するが、ガイド面55により幅方向に展開するのが規制され、コマ47の成形面61aにより上方への展開も規制されるので、隙間Sに肉が主に流れ込む。更に、コマ47を押込むと、コマ47の後続面53が鍛造素材Wに当接して、湾曲部位Rの内側の肉も隙間S側に流れ込む。そして、最終的に後続面53が幅狭凹面部21の手前側の凹側面25と面一になると、鍛造素材Wの湾曲部位Rの外側角部がL形隅部29の転写形状になり、内側角部がL形角部59の転写形状になっており、殆ど直角の曲げが実現される。そして、曲げ後の鍛造素材Wには割れや肉の盛り上げも生じない。また、この鍛造金型1では、特にコマ47に補強部位61が設けられており、破損し難くなっている。
【選択図】 図5
特許請求の範囲
【請求項1】
型締めした下型と上型との間に湾曲した鍛造素材をセットし、前記下型内にコマを押込んで鍛造素材の湾曲部位の曲げを更に大きくする冷間鍛造用の鍛造金型において、
前記下型では、四角状の幅広凹面部と幅狭凹面部がL形隅部を作って連なり、前記幅広凹面部側が開放されて前記鍛造素材の受入れ凹部が構成され、
前記コマは、前記幅広凹面部に嵌入される押込み部位と前記上型の凹面部に嵌入される補強部位とが一体になり、
前記押込み部位の押込み方向先端の押圧面の中間に段差が設けられて、前記L形隅部に相対するL形角部が作られており、
鍛造素材の湾曲部位は前記L形隅部と前記L形角部が相対したときの転写形状の曲げになることを特徴とする鍛造金型。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
請求項1に記載した鍛造金型において、
補強部位には鍛造素材に当接する成形面が作られていることを特徴とする鍛造金型。
【請求項3】
請求項2に記載した鍛造金型において、
下型の幅広凹面部にコマが嵌入されると、前記コマの段差により幅が狭められて幅狭凹面部と同じ幅になることを特徴とする鍛造金型。
【請求項4】
請求項3に記載した鍛造金型において、
下型の幅広凹面部にコマが最奥まで押込まれると、前記コマの押圧面と前記幅広凹面部との間の隙間も幅狭凹面部と同じ幅になることを特徴とする鍛造金型。
【請求項5】
請求項4に記載した鍛造金型において、
L形隅部が直角隅部になっていることを特徴とする鍛造金型。
【請求項6】
請求項5に記載した鍛造金型において、
下型では、幅狭凹面部側が閉塞していることを特徴とする鍛造金型。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載した鍛造金型を用いた鍛造素材の曲げ加工方法において、
鍛造素材にプレス加工を施して湾曲部位を作り出し、その後に、
前記湾曲部位を鍛造金型の下型の受入れ凹部にセットし、前記下型内にコマを押込んで前記湾曲部位の曲げを更に大きくすることを特徴とする曲げ加工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍛造金型及び前記鍛造金型を用いた曲げ加工方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
バスバーは大容量の電流が流れる部分に使用される導体であり、操作盤、配電盤、電池などに従来から広く使用されている。
最近では、電気自動車の普及に伴い、電気配線の主流である高圧ハーネスに代わる部品としてバスバーが注目されている。
而して、高圧ハーネスと異なり、バスバーは形状が固定されているため、予め所定の形状に成形しておく必要があるが、大容量電池などの搭載で車載スペースが限られる中、他の電気部品のための空間を確保するために、立体的な成形要求が益々過酷になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-200848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ブランク抜きした後にプレス加工で板幅方向に変化する曲げ部を作り出すのは難しい。一方、鍛造で作り出すのも、常温で成形する冷間鍛造は、成形圧力が高いため、金型への負荷も加工難易度も高くなり難しい。
そのため、ブランク抜きの段階で板幅変化部を予め作り出し、板厚方向で変化する曲げ部だけをプレス加工で作り出していた。その場合、図9の一例のブランクの歩留まり=10.7%で示すように歩留まりが低く、その歩留まりの低さが製作コストを引き上げていた。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたものであり、バスバー等の鍛造素材に対してその板幅方向で変化する曲げ部を鍛造で割れや肉盛りなく綺麗に作り上げるのに利用できる、新規且つ有用な鍛造金型を提供することを、その目的とする。
また、本発明は、前記鍛造金型を用いて、バスバー等の鍛造素材に対してその板幅方向で変化する曲げ部を綺麗に作り上げていく曲げ加工方法を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、型締めした下型と上型との間に湾曲した鍛造素材をセットし、前記下型内にコマを押込んで鍛造素材の湾曲部位の曲げを更に大きくする冷間鍛造用の鍛造金型において、前記下型では、四角状の幅広凹面部と幅狭凹面部がL形隅部を作って連なり、前記幅広凹面部側が開放されて前記鍛造素材の受入れ凹部が構成され、前記コマは、前記幅広凹面部に嵌入される押込み部位と前記上型の凹面部に嵌入される補強部位とが一体になり、前記押込み部位の押込み方向先端の押圧面の中間に段差が設けられて、前記L形隅部に相対するL形角部が作られており、鍛造素材の湾曲部位は前記L形隅部と前記L形角部が相対したときの転写形状の曲げになることを特徴とする鍛造金型である。
【0007】
好ましくは、補強部位には鍛造素材に当接する成形面が作られている。
好ましくは、下型の幅広凹面部にコマが嵌入されると、前記コマの段差により幅が狭められて幅狭凹面部と同じ幅になる。
好ましくは、下型の幅広凹面部にコマが最奥まで押込まれると、前記コマの押圧面と前記幅広凹面部との間の隙間も幅狭凹面部と同じ幅になる。
好ましくは、L形隅部が直角隅部になっている。
好ましくは、下型では、幅狭凹面部側が閉塞している。
【0008】
また、本発明は、上記の鍛造金型を用いた鍛造素材の曲げ加工方法において、鍛造素材にプレス加工を施して湾曲部位を作り出し、その後に、前記湾曲部位を鍛造金型の下型の受入れ凹部にセットし、前記下型内にコマを押込んで前記湾曲部位の曲げを更に大きくすることを特徴とする曲げ加工方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の鍛造金型を用いれば、バスバー等の鍛造素材に対してその板幅方向で変化する曲げ部を綺麗に作り上げていくことができ、ブランクの歩留まりを上げることができる。
また、本発明の鍛造金型は、単純な構造で耐久性良く構成されており、その使用を前提とすれば、ブランクの歩留まりの格段の向上により、曲げ加工方法を十分にコスト的に見合う形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施の形態に係る鍛造金型の斜視図である。
図1の鍛造金型の下型の斜視図である。
図1の鍛造金型の上型の別方向から見た斜視図である。
図1の鍛造金型のコマの2方向から見た斜視図である。
図1の鍛造金型の下型に鍛造素材をセットした状態の斜視図である。
図5に続いて、コマを嵌入した状態の斜視図である。
図6に続いて、コマを最終段階まで押込んだ状態の斜視図である。
図7における鍛造素材の曲げ状態を示す斜視図である。
ブランクの歩留まりの例である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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