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公開番号2024034677
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022139084
出願日2022-09-01
発明の名称改質木材の製造方法
出願人株式会社愛和ライト
代理人名古屋国際弁理士法人
主分類B27K 3/32 20060101AFI20240306BHJP(木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステープル打ち機一般)
要約【課題】木材の変色や腐食を抑制可能な改質木材の製造方法を提供する。
【解決手段】改質木材の製造方法は、湯煎工程と、含浸工程と、乾燥工程と、を含む。湯煎工程では、木材を、湯に浸漬することにより、木材を湯煎する。含浸工程では、湯煎工程で湯煎された木材を、少なくとも液媒と液媒中に分散させたコロイダルシリカ粒子とを含有する改質液に浸漬することにより、改質液を木材に含浸させる。乾燥工程では、含浸工程で改質液を含浸させた木材を乾燥させる。湯煎工程及び含浸工程において、木材が浸漬される液中にファインバブルを発生させる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
木材を、湯に浸漬することにより、前記木材を湯煎する湯煎工程と、
前記湯煎工程で湯煎された前記木材を、少なくとも液媒と前記液媒中に分散させたコロイダルシリカ粒子とを含有する改質液に浸漬することにより、前記改質液を前記木材に含浸させる含浸工程と、
前記含浸工程で前記改質液を含浸させた前記木材を乾燥させて、前記木材から前記液媒を除去することにより、前記木材における前記改質液の含浸部分に、前記コロイダルシリカ粒子由来のケイ素系化合物を析出させる乾燥工程と、
を含み、
前記湯煎工程及び前記含浸工程において、前記木材が浸漬される液中にファインバブルを発生させる、
改質木材の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
木材を、湯に浸漬することにより、前記木材を湯煎する湯煎工程と、
前記湯煎工程で湯煎された前記木材を、少なくとも液媒と前記液媒中に分散させたコロイダルシリカ粒子とを含有する改質液に浸漬することにより、前記改質液を前記木材に含浸させる含浸工程と、
前記含浸工程で前記改質液を含浸させた前記木材を乾燥させて、前記木材から前記液媒を除去することにより、前記木材における前記改質液の含浸部分に、前記コロイダルシリカ粒子由来のケイ素系化合物を析出させる乾燥工程と、
を含み、
前記含浸工程において、前記木材が浸漬される液中にファインバブルを発生させる、
改質木材の製造方法。
【請求項3】
木材を、湯に浸漬することにより、前記木材を湯煎する湯煎工程と、
前記湯煎工程で湯煎された前記木材を、少なくとも液媒と前記液媒中に分散させたコロイダルシリカ粒子とを含有する改質液に浸漬することにより、前記改質液を前記木材に含浸させる含浸工程と、
前記含浸工程で前記改質液を含浸させた前記木材を乾燥させて、前記木材から前記液媒を除去することにより、前記木材における前記改質液の含浸部分に、前記コロイダルシリカ粒子由来のケイ素系化合物を析出させる乾燥工程と、
を含み、
前記湯煎工程において、前記木材が浸漬される液中にファインバブルを発生させる、
改質木材の製造方法。
【請求項4】
木材を、少なくとも液媒と前記液媒中に分散させたコロイダルシリカ粒子とを含有する改質液に浸漬することにより、前記改質液を前記木材に含浸させる含浸工程と、
前記含浸工程で前記改質液を含浸させた前記木材を乾燥させて、前記木材から前記液媒を除去することにより、前記木材における前記改質液の含浸部分に、前記コロイダルシリカ粒子由来のケイ素系化合物を析出させる乾燥工程と、
を含み、
前記含浸工程において、前記木材が浸漬される液中にファインバブルを発生させる、
改質木材の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の改質木材の製造方法であって、
前記改質液が、ホウ酸を含有する、
改質木材の製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の改質木材の製造方法であって、
前記改質液が、シランカップリング剤を含有する、
改質木材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、改質木材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
シリカ含浸木材が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のシリカ含浸木材は、二酸化ケイ素微粒子のコロイド溶液にホウ素化合物を混合したコロイド溶液を減圧気中あるいは加圧気中で木材内部に含浸後、該木材を乾燥して得られる複合部材である。このシリカ含浸木材における木材構成成分には、二酸化ケイ素微粒子と、ホウ素化合物とが付着・結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-207016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術で木材を改質しても、木材表面に割れやひび等の欠陥が生じることがある。そのような欠陥が生じると、欠陥部から木材の内部へ雨水等が浸透し、あるいは欠陥部から腐朽菌が侵入し、その結果、木材の変色や腐食を招くことがある。したがって、木材の変色や腐食を抑制可能な技術が求められている。
【0005】
本開示の一局面においては、木材の変色や腐食を抑制可能な改質木材の製造方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、改質木材の製造方法であって、湯煎工程と、含浸工程と、乾燥工程と、を含む。湯煎工程では、木材を、湯に浸漬することにより、木材を湯煎する。含浸工程では、湯煎工程で湯煎された木材を、少なくとも液媒と液媒中に分散させたコロイダルシリカ粒子とを含有する改質液に浸漬することにより、改質液を木材に含浸させる。乾燥工程では、含浸工程で改質液を含浸させた木材を乾燥させて、木材から液媒を除去することにより、木材における改質液の含浸部分に、コロイダルシリカ粒子由来のケイ素系化合物を析出させる。湯煎工程及び含浸工程において、木材が浸漬される液中にファインバブルを発生させる。
【0007】
本開示でいうファインバブルは、ISO 20480-1及びJIS B 8741-1において定義される、体積相当の直径が100μm未満のバブルである。上記規格において、体積相当の直径は、球形を前提としたバブルの体積に基づいて導き出される直径、と定義されている。また、バブルは、界面で囲まれた媒体中の気体、と定義されている。ファインバブルには、ウルトラファインバブル及びマイクロバブルが含まれる。上記規格において、ウルトラファインバブルは、体積相当の直径が1μm未満のファインバブル、と定義されている。マイクロバブルは、体積相当の直径が1μm以上100μm未満の範囲のファインバブル、と定義されている。
【0008】
このように構成された改質木材の製造方法によれば、湯煎工程においては、木材の内部に含まれる気体が湯煎に伴う熱を受けて膨張し、木材の外部へと押し出される。また、木材の内部へ湯が浸透するのに伴い、木材の内部に含まれる気体が木材の外部へと押し出される。さらに、木材の表層にある細孔からは、その細孔を埋める塵埃や木材に含まれる油分等が滲み出て、それらの異物が除去される分だけ細孔内の空隙が増大する。
【0009】
含浸工程においては、木材の内部に改質液が浸透する。その際、湯煎工程で膨張していた木材内部の気体や液体は、温度低下に伴って収縮するので、改質液の浸透が促される。
乾燥工程においては、改質液を含浸させた木材から液媒が除去され、木材における改質液の含浸部分に、コロイダルシリカ粒子由来のケイ素系化合物が析出する。乾燥工程において析出するケイ素系化合物としては、例えば、微粉末状シリカ、ゲル状シリカ(シリカゲル)及びガラス状シリカ等の非晶質シリカを挙げることができる。
【0010】
あるいは、本開示でいうケイ素系化合物は、上述のような非晶質シリカと他の物質とが複合した複合化合物や、これら非晶質シリカ及び複合化合物のうちの少なくとも一方と他の物質との混合物である複合組成物であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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