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公開番号2024043180
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022148219
出願日2022-09-16
発明の名称輪切り板材の加工方法
出願人個人
代理人個人
主分類B27M 1/00 20060101AFI20240322BHJP(木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステープル打ち機一般)
要約【課題】 輪切り板材の木口面に水分が触れても、割れや湾曲を発生させることなく利用できる輪切り板材の加工方法を提供すること。
【解決手段】 輪切り板材1の加工方法であって、輪切り板材1を乾燥して割れ5を発生させる乾燥工程Paと、前記乾燥工程Paの後に、発生した割れ5を所望の形状に切除し、前記切除した切除部7に、前記切除部7の形状と合致する埋め込み材10を接着する補填工程Pbと、前記補填工程Pbの後に、輪切り板材1の木口面2および外周面3に浸透性塗料を塗布する塗布工程Pdと、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
輪切り板材の加工方法であって、
輪切り板材を乾燥して割れを発生させる乾燥工程と、
前記乾燥工程の後に、発生した割れを所望の形状に切除し、前記切除した切除部に、前記切除部の形状と合致する埋め込み材を接着する補填工程と、
前記補填工程の後に、輪切り板材の木口面および外周面に浸透性塗料を塗布する塗布工程と、を備える輪切り板材の加工方法。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記乾燥工程は、乾燥初期に、輪切り板材の外周面から中心に向けて切り込みを入れる切り込み工程を含む、請求項1に記載の輪切り板材の加工方法。
【請求項3】
前記補填工程は、前記埋め込み材を接着した輪切り板材の中心近傍に円形穴を開口し、前記開口した円形穴に、前記円形穴と合致する円形埋め込み材を接着する二次補填工程を含む、請求項1または2に記載の輪切り板材の加工方法。
【請求項4】
前記補填工程の後に、輪切り板材の木口面を研削する研削工程を含む、請求項1または2に記載の輪切り板材の加工方法。
【請求項5】
前記補填工程の後に、輪切り板材の木口面を研削する研削工程を含む、請求項3に記載の輪切り板材の加工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、丸太材から輪切りにされ、上下に木口面を有する輪切り板材の加工方法に関し、とくに、乾燥や含水による割れを防止するための輪切り板材の加工方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
原木は、切り出した直後では、芯側と樹皮側との含水率が相違する。ヒノキや杉などの針葉樹では、樹皮側の辺材が芯側の心材より含水率が高い。
とくに、原木丸太材を輪切りにした輪切り板材1は、そのまま放置したり乾燥したりすると、辺材の方が心材よりも大きく収縮するため、従来の輪切り板材1は、図7(b)に示すように、外周面3(樹皮側)から割れ5が発生したり、図7(c)に示すように、平板状態から湾曲してしまう。輪切り板材1は、図7(a)に示すように、木口面2に美しい年輪模様が現出し、厨房用途の木材として大きな可能性を秘めているが、このような割れ5が発生することから、利用が限られていた。
【0003】
このような割れを防止するために、これまでは、原木を長期にわたって自然乾燥したり、高価な乾燥設備を用いて人工的に乾燥するなどしてきた。しかし、このような従来の方法では生産性が悪く、コストの高いものになる。
しかも、輪切り板材では、切断した木口面が広く、木口面から急速に乾燥が進むため、このように乾燥が一定程度進んだ丸太材を使用しても、割れを十分に防ぐことができなかった。
【0004】
そこで、本発明者は、乾燥による割れを防止する加工技術として、格別の乾燥工程を経ていない丸太材を軸心に対して垂直または角度をなして切断する切断工程と、切断された板材を保湿する保湿工程と、保湿された板材を心材と辺材との境界付近に沿って切断分離する分離工程と、その後、板材を乾燥させる乾燥工程とを備える輪切り板材の製造方法(特許文献1参照)を開発して、好評を得ている。
【0005】
また、乾燥による割れを防止するための従来技術として、木口加工品本体の乾燥前の状態時に、木口加工品本体の外周部から略中心部に至るまで、木口加工品本体の厚さ方向の全長に対して切除部を設け、乾燥収縮した後、この切除部に切除部と同形に形成された挿嵌部材を嵌め込んで、切除部を設ける前の木口加工品本体の形状に形成させた丸太材の木口加工品における割れ防止方法(特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6467665号公報
特開2004-268292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の輪切り板材の製造方法では、輪切り板材を心材と辺材との境界付近に沿って切断分離するため、輪切り板材は、心材または辺材に分離する必要があり、輪切り板材全体を一枚の板材として利用できないという問題があった。
また、上記特許文献2に記載の木口加工品の割れ防止方法では、木口加工品本体を一体の木口加工品として利用できるものの、木口面に水分が触れると、切除部が閉じる方向に変形しようとするが、切除部を嵌装部材で埋めているため、切除部が閉じる方向に変形できず、木口面の中心に割れが発生するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、輪切り板材の木口面に水分が触れても、割れや湾曲を発生させることなく利用できる輪切り板材の加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するため、輪切り板材の加工方法であって、輪切り板材を乾燥して割れを発生させる乾燥工程と、前記乾燥工程の後に、発生した割れを所望の形状に切除し、前記切除した切除部に、前記切除部の形状と合致する埋め込み材を接着する補填工程と、前記補填工程の後に、輪切り板材の木口面および外周面に浸透性塗料を塗布する塗布工程と、を備える構成を採用する。
【0010】
本発明の輪切り板材の加工方法の実施形態として、前記乾燥工程は、乾燥初期に、輪切り板材の外周面から中心に向けて切り込みを入れる切り込み工程を含む構成、また、前記補填工程は、前記埋め込み材を接着した輪切り板材の中心近傍に円形穴を開口し、前記開口した円形穴に、前記円形穴と合致する円形埋め込み材を接着する二次補填工程を含む構成、また、前記補填工程の後に、輪切り板材の木口面を研削する研削工程を含む構成を採用する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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