TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025023347
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-14
出願番号
2024215074,2021139172
出願日
2024-12-10,2021-08-27
発明の名称
RNAの保存方法
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
C12N
15/10 20060101AFI20250206BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】皮膚表上脂質由来RNAを安定に保存するための方法の提供。
【解決手段】皮膚表上脂質を含む採取媒体を、水又はアルコール水溶液を溶媒とするグアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液で処理することを含む、皮膚表上脂質由来RNAの分解防止方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
皮膚表上脂質由来RNAの分解防止方法であって、
皮膚表上脂質を含むシート状皮膚表上脂質吸収性素材を、水又はアルコール水溶液を溶媒とするグアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液で処理すること、
さらに、該水溶液で処理したシート状皮膚表上脂質吸収性素材を乾燥させること、
を含む、方法。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
皮膚表上脂質由来RNAの保存方法であって、
皮膚表上脂質を含むシート状皮膚表上脂質吸収性素材を、水又はアルコール水溶液を溶媒とするグアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液で処理すること、
さらに、該水溶液で処理したシート状皮膚表上脂質吸収性素材を乾燥させること、及び、
該乾燥させたシート状皮膚表上脂質吸収性素材を保存すること、
を含む、方法。
【請求項3】
前記溶媒が、アルコールの濃度が20体積%以上70体積%以下のアルコール水溶液である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記水溶液中における前記グアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の濃度が0.50g/mL以上である、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記処理が、前記皮膚表上脂質を含むシート状皮膚表上脂質吸収性素材に前記水溶液を浸透させることを含む、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、RNAの保存方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
DNA、RNAなどの生体由来の核酸の解析により、生体の生理状態を含む様々な情報を獲得することができる。生体由来の核酸は、細胞、組織、体液、分泌物などの生体由来の試料から抽出することができる。特許文献1には、皮膚表上脂質(skin surface lipids;SSL)にRNAが含まれており、該SSL由来RNAを生体の解析に用いることができることが記載されている。しかし、SSLに含まれるRNAの量は微量であるため、生体から採取したSSLからできるだけ高収量でRNAを抽出することが求められる。
【0003】
生体由来の核酸の中でも、RNAは、DNAと比較して不安定であり分解されやすい。さらに、RNA分解酵素であるリボヌクレアーゼ(RNase)は、細胞及び組織中だけでなく、汗、唾液などの体液、及び環境中にも広く存在する。従来、生体試料中のRNAの分解を防止するためには、採取した試料からRNAを直ちに抽出する、試料中もしくは抽出したRNAを-80℃で保存する、又はRNase阻害剤を使用する、などの手段がとられている。例えば、グアニジン塩などのカオトロピック塩を生体試料に添加することにより、試料中のRNaseを含む蛋白質を変性させてRNaseを不活性化させることができる。ただしカオトロピック塩を添加した場合でも、周囲温度下ではRNAの分解は完全には防止できないことから、試料中もしくは抽出したRNAは-80℃で保存されるのが通常である。
【0004】
特許文献2には、生体試料にチオシアン酸グアニジン、塩酸グアニジン、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、尿素などの蛋白質変性剤を添加して、細胞膜や細胞壁等を破壊し、蛋白質を変性させて核酸だけを遊離させる工程と、アルコール類を添加して遊離した核酸を凝集させる工程と、得られた核酸含有抽出物をフィルターに通過させて核酸をフィルターに捕集させる工程と、精製水あるいは低濃度の緩衝液により核酸を可溶化させフィルターから回収する工程とからなる、核酸の簡易抽出法が記載されている。
特許文献3には、フェノール及びチオシアン酸グアニジンを含有するRNA抽出用薬剤を用いて乳からRNAを抽出した後、速やかに-80℃に冷凍することにより、乳からのRNAサンプルの3日以上の長期保存が可能となることが記載されている。
特許文献4には、グアニジニウム塩酸塩、チオシアン酸グアニジニウム、アルギニン、SDS、尿素などのタンパク質変性剤、還元剤、及び緩衝剤を含む組成物が乾燥状態で存在する固体マトリクスを適用して、試料から核酸を収集し、該固体マトリクスを乾燥し、周囲条件下において核酸を乾燥状態で該固体マトリクス上に貯蔵する、核酸を試料から抽出し貯蔵する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開公報第2018/008319号
特開2009-153467号公報
特開2000-264898号公報
特開2018-68303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、被験体から採取した皮膚表上脂質(SSL)に含まれるRNAの分解を防止し、該RNAを安定に保存するための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、採取媒体により被験体からSSLを採取した後、該SSLを含む採取媒体を、水又はアルコール水溶液を溶媒とするグアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液で処理することにより、該SSLに含まれるRNAの分解を防止し、該RNAを安定に保存することが可能であることを見出した。
【0008】
したがって、本発明は、皮膚表上脂質由来RNAの分解防止方法であって、皮膚表上脂質を含む採取媒体を、水又はアルコール水溶液を溶媒とするグアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液で処理することを含む、方法を提供する。
また本発明は、皮膚表上脂質由来RNAの保存方法であって、
皮膚表上脂質を含む採取媒体を、水又はアルコール水溶液を溶媒とするグアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液で処理すること、及び、
該処理した採取媒体を保存すること、
を含む、方法を提供する。
また本発明は、皮膚表上脂質を採取するための採取媒体、ならびに、
該採取媒体を処理するための、水又はアルコール水溶液を溶媒とするグアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液、を備える、皮膚表上脂質由来RNAの採取用キットを提供する。
また、本発明は、被験体の皮膚表上脂質由来RNAの回収方法であって、
皮膚表上脂質由来RNAの採取を必要とする又は希望する被験体に、皮膚表上脂質を採取するための採取媒体、ならびに、該採取媒体を処理するための、水又はアルコール水溶液を溶媒とするグアニジン塩酸塩及びグアニジンチオシアン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液を備える、前記皮膚表上脂質由来RNAの採取用キットを提供すること、及び、
該被験体から採取した皮膚表上脂質を含む該採取媒体を、該被験体から回収すること、を含み、
ここで、回収した皮膚表上脂質を含む該採取媒体は、前記皮膚表上脂質由来RNAの分解防止方法又は保存方法に従って、該水溶液により処理されており、かつ該被験体の皮膚表上脂質を採取後、周囲温度にて保存されている、
方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法によれば、被験体から採取したSSLに含まれるRNAの分解を防止し、該RNAを安定に保存することができる。本発明によれば、分解しやすく取り扱いが困難なRNAを周囲温度下で保存することを可能にする。また本発明によれば、SSLからのRNAの収量、及び該RNAを用いた各種解析の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のSSL由来RNAの採取用キットに用いられる、採取媒体を保存するための容器の一例を示す図である。A:側面図(左)とその断面図(右)、B:上方斜視図(左)とその断面図(右)。
SSL由来RNAを含む採取媒体及び乾燥剤を収納した状態の図1の容器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
花王株式会社
不織布
14日前
花王株式会社
洗浄方法
1か月前
花王株式会社
殺菌方法
27日前
花王株式会社
水性組成物
1か月前
花王株式会社
複合シート
27日前
花王株式会社
樹脂組成物
15日前
花王株式会社
吸収性物品
2か月前
花王株式会社
ゴム組成物
2か月前
花王株式会社
複合シート
27日前
花王株式会社
皮膚化粧料
1か月前
花王株式会社
吸収性物品
2か月前
花王株式会社
金属分離方法
1か月前
花王株式会社
水硬性組成物
1か月前
花王株式会社
抗菌剤組成物
27日前
花王株式会社
可塑剤組成物
1か月前
花王株式会社
剥離剤組成物
1か月前
花王株式会社
情報処理方法
1か月前
花王株式会社
流体密封容器
1か月前
花王株式会社
研磨液組成物
27日前
花王株式会社
水硬性組成物
1か月前
花王株式会社
水系顔料分散体
1か月前
花王株式会社
害虫忌避組成物
1か月前
花王株式会社
抗微生物組成物
1か月前
花王株式会社
締結紐切断装置
13日前
花王株式会社
エアゾール化粧料
2か月前
花王株式会社
衛生物品用不織布
1か月前
花王株式会社
衛生物品用不織布
1か月前
花王株式会社
情報処理システム
13日前
花王株式会社
2層分離型組成物
1か月前
花王株式会社
再生樹脂の製造方法
2か月前
花王株式会社
肌画像撮像システム
1か月前
花王株式会社
水中油型乳化組成物
1か月前
花王株式会社
吸収性物品用不織布
1か月前
花王株式会社
パンツ型吸収性物品
1か月前
花王株式会社
電子基板の製造方法
6日前
花王株式会社
油中水型乳化化粧料
2か月前
続きを見る
他の特許を見る