TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024173677
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2024061839
出願日2024-04-08
発明の名称ゴム組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08L 7/00 20060101AFI20241205BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐摩耗性に優れ、更に貯蔵弾性率が高いゴム成形体を得られるゴム組成物、これを用いたゴム成形体、タイヤ部材を提供すること。
【解決手段】ゴム成分及びポリエステルを含むゴム組成物であり、ゴム成分が天然ゴムを含み、ポリエステルが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、アルコール成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジオールの含有量が85質量%以上であり、カルボン酸成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量が50質量%以上であるゴム組成物、前記ゴム組成物を加硫してなるゴム成形体、前記ゴム成形体を含むタイヤ部材、及びゴム成分及びポリエステルを含むゴム成形体の耐摩耗性向上方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゴム成分及びポリエステルを含むゴム組成物であり、
ゴム成分が天然ゴムを含み、
ポリエステルが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、
アルコール成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジオールの含有量が85質量%以上であり、カルボン酸成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量が50質量%以上である、ゴム組成物。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
脂肪族ジオールが、炭素数2以上16以下のα,ω-直鎖アルカンジオールである、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
脂肪族ジカルボン酸化合物が、炭素数2以上16以下のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸である、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項4】
ポリエステルの重量平均分子量が、3000以上100,000以下である、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項5】
ポリエステルの融点が、60℃以上150℃以下である、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項6】
ゴム成分が、更に合成ゴムを含む、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項7】
合成ゴムが、ジエン系合成ゴムである、請求項6に記載のゴム組成物。
【請求項8】
天然ゴムと合成ゴムとの含有量の質量比(天然ゴム/合成ゴム)が、50/50以上である、請求項6に記載のゴム組成物。
【請求項9】
更に無機充填材を含有する、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項10】
更にプロセスオイルを含有し、ゴム成分100質量部に対し、プロセスオイルの含有量が4質量部以上16質量部以下である、請求項1に記載のゴム組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物、ゴム成形体、タイヤ部材、ゴム組成物の製造方法、ゴム成形体の製造方法及びゴム成形体の耐摩耗性向上方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
ゴムは、無定形かつ軟質の高分子物質であり、天然ゴムや合成ゴムのような有機高分子を主成分とし、弾性限界が高く弾性率の低い材料(弾性ゴム)である。かかるゴムの特性を利用して、ゴムを含有するゴム組成物は、タイヤ、シール材、免振防振材等の様々な分野で利用されている。
タイヤ用途等のゴム組成物には、弾性率を向上させるために無機充填材等が配合されている。また、ゴムの有する特性を生かし、種々の要求される物性を満たすために、ポリエステルを配合する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、SNOW性能、WET性能、低転がり抵抗性及び操縦安定性が高度に並立したゴム組成物として、ゴム成分と、充填剤と、スチレン・アルキレンブロック共重合体及び芳香族環を有するポリエステルポリオール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む熱可塑性樹脂(C)と、分子骨格内にジエン骨格を有さない高分子材料(D)とを特定割合で含有するゴム組成物が開示されている。
特許文献2には、引張伸びの大幅な低下を抑えながら、加工性を確保しつつ、高弾性化を図ることができるゴム組成物として、特定の低極性ジエン系ゴム、特定の熱可塑性ポリエステル樹脂、特定の高極性ジエン系ゴムを特定割合で含有するゴム組成物が開示されている。
特許文献3には、変形しにくく、変形時においても発熱性が低いゴム成形体を得ることができるゴム用添加剤及びゴム組成物として、特定のアルコール成分と特定のカルボン酸成分との重縮合物であるポリエステルからなるゴム用添加剤及びこれを含有するゴム組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-94113号公報
特開2012-136586号公報
国際公開第2021/193795号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2のゴム組成物では、主に芳香族系ポリエステルの配合が検討されているが、脂肪族系ポリエステルによる天然ゴムを含むタイヤ成形体における耐摩耗性については検討されておらず、耐摩耗性と貯蔵弾性率の両立が不十分であった。
また、本発明者は特許文献3に記載するように脂肪族系ポリエステルをゴム添加剤として用いることで、変形しにくく、変形時においても発熱性の低いゴム成形体を見出しているが、天然ゴムを含むタイヤ成形体における耐摩耗性については十分に検討されていなかった。
本発明は、耐摩耗性に優れ、更に貯蔵弾性率が高いゴム成形体を得られるゴム組成物、これを用いたゴム成形体、タイヤ部材、ゴム組成物の製造方法、ゴム成形体の製造方法及びゴム成形体の耐摩耗性向上方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]ゴム成分及びポリエステルを含むゴム組成物であり、ゴム成分が天然ゴムを含み、ポリエステルが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、アルコール成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジオールの含有量が85質量%以上であり、カルボン酸成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量が50質量%以上である、ゴム組成物。
[2]前記[1]に記載のゴム組成物を加硫してなる、ゴム成形体。
[3]前記[2]に記載のゴム成形体を含むタイヤ部材。
[4]下記工程(1)及び(2)を有する、前記[1]に記載のゴム組成物の製造方法。
工程(1):ゴム成分及びポリエステルを含み、ゴム成分が天然ゴムを含み、ポリエステルが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、アルコール成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジオールの含有量が85質量%以上であり、カルボン酸成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量が50質量%以上である組成物を混練する工程
工程(2):更に硫黄を添加混合する工程
[5]前記[1]に記載のゴム組成物を加硫する工程を有する、ゴム成形体の製造方法。
[6]ゴム成分及びポリエステルを含むゴム成形体の耐摩耗性向上方法であり、ゴム成分が天然ゴムを含み、ポリエステルが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、アルコール成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジオールの含有量が85質量%以上であり、カルボン酸成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量が50質量%以上である、ゴム成形体の耐摩耗性向上方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐摩耗性に優れ、更に貯蔵弾性率が高いゴム成形体を得られるゴム組成物、これを用いたゴム成形体、タイヤ部材、ゴム組成物の製造方法、ゴム成形体の製造方法及びゴム成形体の耐摩耗性向上方法を提供することができる。
また、本発明によれば、更にゴム成形体の損失正接を低減させ、ゴム成形体の発熱性を低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、ゴム成分及びポリエステルを含むゴム組成物であり、ゴム成分が天然ゴムを含み、ポリエステルが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、アルコール成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジオールの含有量が85質量%以上であり、カルボン酸成分中の炭素数2以上16以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量が50質量%以上である。
【0009】
本発明のゴム組成物によれば、耐摩耗性に優れ、更に貯蔵弾性率が高いゴム成形体を得ることができる。その理由は必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
本発明のゴム成分として含まれる天然ゴムは、伸長されることによって分子が配向し結晶化する、いわゆる伸長結晶化を示す。天然ゴムは、この伸長結晶化により、応力緩和が顕著となる傾向がある。
一方、本発明のポリエステルは、炭素数2以上16以下の脂肪族ジオールを含むアルコール成分と、炭素数2以上16以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを重縮合してなる。ここで、前記ポリエステルのアルコール成分とカルボン酸成分とが共に炭素数2以上16以下の脂肪族化合物であることから、このポリエステルはゴム組成物及びゴム成形体中で天然ゴムを含むゴム成分とは相溶せずに微細な結晶を形成し、ゴム成分中でポリエステルのネットワークを形成すると考えられる。そのため、ポリエステルは、ゴム成分に含まれる天然ゴムの伸長結晶の核となると考えられる。
このように、本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び上記ポリエステルを含むことから、得られるゴム成形体は伸長結晶化が促進されるため、耐摩耗性に優れると考えられる。更に、本発明のゴム成形体は、上記のようにポリエステルのネットワークが存在するため、得られるゴム成形体は、高い貯蔵弾性率を発現することができ、タイヤ部材等に用いた際に、操縦安定性に優れることが期待される。
また、本発明のゴム組成物は、上記のようにポリエステルのネットワークが存在することにより、得られるゴム成形体は、変形時においても損失正接(tanδ)が大きくなり難く、発熱性を低減でき、タイヤ部材等に用いた際に低燃費性に優れることが期待される。
【0010】
<ゴム成分>
本発明のゴム組成物は、天然ゴムを含む。ゴム成分が天然ゴムを含むことにより、後述のポリエステルを核として伸長結晶化が促進されるため、得られるゴム成形体は耐摩耗性に優れ、更に高い貯蔵弾性率を発現することができる。
天然ゴムとしては、SMR、SIR、STR、RSS等が挙げられ、SMR20、STR20、RSS#3、RSS#4から選ばれる1種以上が好ましく、RSS#3、RSS#4から選ばれる1種以上がより好ましく、RSS#3がより好ましい。
また、天然ゴムは変性して用いることができ、変性天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム、水素化天然ゴム等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

花王株式会社
化粧料
今日
花王株式会社
冷却具
21日前
花王株式会社
冷却具
21日前
花王株式会社
冷却具
1日前
花王株式会社
冷却具
1日前
花王株式会社
装着具
2か月前
花王株式会社
ホルダ
今日
花王株式会社
毛髪化粧料
1か月前
花王株式会社
樹脂組成物
20日前
花王株式会社
ゴム組成物
20日前
花王株式会社
液状組成物
1か月前
花王株式会社
パウチ容器
1日前
花王株式会社
吸収性物品
1か月前
花王株式会社
皮膚化粧料
1か月前
花王株式会社
ゴム組成物
今日
花王株式会社
吸収性物品
今日
花王株式会社
吸収性物品
1か月前
花王株式会社
乳化組成物
2か月前
花王株式会社
生理用物品
今日
花王株式会社
消毒用組成物
14日前
花王株式会社
殺菌剤組成物
1か月前
花王株式会社
口腔用組成物
2か月前
花王株式会社
配向性制御剤
2か月前
花王株式会社
研磨液組成物
2か月前
花王株式会社
固形状組成物
今日
花王株式会社
振動検出装置
1か月前
花王株式会社
監視システム
1日前
花王株式会社
固形状組成物
今日
花王株式会社
酵素センサー
13日前
花王株式会社
植物生育促進剤
2か月前
花王株式会社
油性固形化粧料
1か月前
花王株式会社
豆腐の製造方法
2か月前
花王株式会社
土壌の洗浄方法
1か月前
花王株式会社
皮膚状態改善剤
1か月前
花王株式会社
固形粉末化粧料
1か月前
花王株式会社
物品の製造方法
1日前
続きを見る