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公開番号2025015112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118267
出願日2023-07-20
発明の名称油圧式チェーンテンショナ
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16H 7/08 20060101AFI20250123BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】プランジャのシリンダ内への挿入端を押圧するコイルスプリングを有する油圧式チェーンテンショナにおいて、圧力室に混入したエアの排出性を高める。
【解決手段】プランジャ10のシリンダ9内への挿入端を押圧するようにシリンダ9内に同軸に配置されたコイルスプリング36を有し、プランジャ10のシリンダ9からの突出方向が水平よりも上向きとなる姿勢で使用される油圧式チェーンテンショナ1において、シリンダ9の内周の少なくともコイルスプリング36の上側に対向する部分に、内周円筒面27の径方向位置に対して径方向外側に凹み、かつ、リーク隙間26と軸方向に隣接するエア収容凹部37が形成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする有底筒状のシリンダ(9)と、
前記シリンダ(9)の内周に形成された内周円筒面(27)で軸方向に摺動可能に支持されたプランジャ(10)と、
前記シリンダ(9)と前記プランジャ(10)とで囲まれた圧力室(15)と、
前記圧力室(15)に作動油を供給する給油通路(16)と、
前記給油通路(16)の前記圧力室(15)の側の端部に設けられ、前記給油通路(16)の側から前記圧力室(15)の側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ(20)と、
前記シリンダ(9)の前記内周円筒面(27)と前記プランジャ(10)の外周との間に形成されるリーク隙間(26)と、
前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内への挿入端を押圧するように前記シリンダ(9)内に同軸に配置されたコイルスプリング(36)と、を有し、
前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)からの突出方向が水平よりも上向きとなる姿勢で使用される油圧式チェーンテンショナにおいて、
前記シリンダ(9)の内周の少なくとも前記コイルスプリング(36)の上側に対向する部分に、前記内周円筒面(27)の径方向位置に対して径方向外側に凹み、かつ、前記リーク隙間(26)と軸方向に隣接するエア収容凹部(37)が形成されていることを特徴とする油圧式チェーンテンショナ。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記エア収容凹部(37)は、前記シリンダ(9)の内周の全周を径方向外側に凹ませた円環状の凹部である請求項1に記載の油圧式チェーンテンショナ。
【請求項3】
前記エア収容凹部(37)は、前記シリンダ(9)の内周のうち、前記コイルスプリング(36)の上側に対向する部分を軸方向に延びる凹溝である請求項1に記載の油圧式チェーンテンショナ。
【請求項4】
前記凹溝は、軸方向に直角な断面形状が円弧状である請求項3に記載の油圧式チェーンテンショナ。
【請求項5】
前記エア収容凹部(37)の前記シリンダ(9)の開口端に近い側の端部に、前記エア収容凹部(37)に溜まったエアを前記シリンダ(9)の内周側から外周側に排出する径方向エア抜き通路(38)が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の油圧式チェーンテンショナ。
【請求項6】
前記径方向エア抜き通路(38)は、前記シリンダ(9)を径方向に貫通して形成されたねじ孔(39)と、前記ねじ孔(39)にねじ係合するおねじ部品(40)との間に形成されるねじ隙間である請求項5に記載の油圧式チェーンテンショナ。
【請求項7】
前記径方向エア抜き通路(38)は、前記シリンダ(9)を径方向に貫通して形成された円筒孔(44)の内周と、前記円筒孔(44)に圧入された円柱部材(45)の外周とのうちのいずれか一方に形成されたストレート溝またはねじ溝である請求項5に記載の油圧式チェーンテンショナ。
【請求項8】
前記リーク隙間(26)の軸方向長さが5mm以上に設定されている請求項1から4のいずれかに記載の油圧式チェーンテンショナ。
【請求項9】
前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)からの突出端に、前記圧力室(15)内の作動油に混入したエアを排出する先端エア抜き通路(28)が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の油圧式チェーンテンショナ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、主として自動車エンジンのカムを駆動するチェーンの張力保持に用いられる油圧式チェーンテンショナに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
四輪自動車や二輪自動車等のエンジンに使用されるチェーン伝動装置として、例えば、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するものや、クランクシャフトの回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するものや、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するものや、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するものなどがある。これらのチェーン伝動装置のチェーンの張力を適正範囲に保つために、油圧式チェーンテンショナが使用される。
【0003】
このような用途に使用される油圧式チェーンテンショナとして、例えば、特許文献1のものが知られている。特許文献1の油圧式チェーンテンショナは、有底筒状のシリンダと、シリンダの内周に形成された内周円筒面で軸方向に摺動可能に支持されたプランジャと、シリンダとプランジャとで囲まれた圧力室と、圧力室に作動油を供給する給油通路と、給油通路の圧力室の側の端部に設けられたチェックバルブと、シリンダの内周円筒面とプランジャの外周との間に形成されるリーク隙間とを有する。
【0004】
この特許文献1の油圧式チェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、圧力室からリーク隙間を通って流出する作動油の粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャはゆっくりと移動する。一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、圧力室内の作動油の圧力により、プランジャがシリンダから突出する方向に移動し、チェーンの弛みを吸収する。このとき、チェックバルブが開き、給油通路から圧力室内に作動油が流入するので、プランジャは速やかに移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3635198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の油圧式チェーンテンショナにおいて、圧力室内の圧力の急激な低下によって圧力室内の作動油からエアが析出したり、オイルポンプからエアを含む作動油が供給されたりすることで、圧力室内の作動油にエアが混入した状態となる場合がある。圧力室内の作動油にエアが混入すると、チェーンの張力が大きくなったときに、圧力室内のエアの体積変化によりプランジャが移動するので、油圧式チェーンテンショナのダンパ力が低下するという問題がある(いわゆるエア噛み)。
【0007】
そこで、図14に示すように、圧力室50内の作動油にエアが混入したときに、そのエアを圧力室50から排出するため、プランジャ51のシリンダ52からの突出方向が水平よりも上向きとなる姿勢で使用される油圧式チェーンテンショナにおいては、プランジャ51のシリンダ52からの突出端に、エア抜き通路53を設けることが多い。このエア抜き通路53を設けると、圧力室50のうちプランジャ51の内側部分に溜まったエアは、プランジャ51のシリンダ52からの突出端に設けられたエア抜き通路53を通って外部に排出される。また、圧力室50のうちシリンダ52の内周に沿って溜まったエアは、シリンダ52の内周円筒面とプランジャ51の外周との間のリーク隙間54を通って外部に排出される。
【0008】
ところで、図14のように、プランジャ51のシリンダ52からの突出端を押圧するリターンスプリング55のばね力を補うため、リターンスプリング55とは別に、プランジャ51のシリンダ52内への挿入端を押圧するアシストスプリング56を設けたタイプの油圧式チェーンテンショナにおいては、圧力室50内の作動油にエアが混入したときに、そのエアが圧力室50から排出されるのに時間がかかり、ダンパ力の低下した状態が長く続くことがあった。
【0009】
そこで、本願の発明者らが、図14のように、プランジャ51のシリンダ52内への挿入端を押圧するアシストスプリング56を有するタイプの油圧式チェーンテンショナにおいて、圧力室50からエアが排出されるのに時間がかかる原因を調査したところ、アシストスプリング56を構成する線材にエア(気泡)が絡まり、エアの軸方向移動が阻害されることが原因であることが分かった。
【0010】
すなわち、図14のように、プランジャ51のシリンダ52内への挿入端を押圧するアシストスプリング56は、金属製の線材を螺旋状に巻回して形成されたコイルスプリングであり、シリンダ52内に同軸に配置されている。また、図15に示すように、シリンダ52の内周には、リーク隙間54を形成する内周円筒面57と同一内径の円筒面58が、リーク隙間54に対してシリンダ52の閉塞端の側(図では左側)に軸方向に延びている。アシストスプリング56の外周とシリンダ52の内周の円筒面58との間の隙間の半径方向の幅は0.5mm未満である。ここで、図14に示すように、圧力室50内の作動油にエアが混入すると、そのエアの一部がシリンダ52の内周に沿って溜まり、そのエア(気泡)が、アシストスプリング56を構成する線材に絡まることでエアの軸方向移動が阻害される。そのため、シリンダ52の内周に沿って溜まったエアがなかなかリーク隙間54に到達せず、エアが排出されるのに時間がかかることが分かった。
(【0011】以降は省略されています)

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