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公開番号
2025006883
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023107922
出願日
2023-06-30
発明の名称
電動弁
出願人
株式会社不二工機
代理人
個人
主分類
F16K
31/04 20060101AFI20250109BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】送りねじ部材の摩耗を防ぎヒステリシスの増大を防ぐ。
【解決手段】流入路15と流出路16に連通する弁室14を内部に有する弁本体13と、弁座23に対して進退動する弁体17と、ロータ43及びステータ42を有する電動機41と、ロータの回転を減速する減速機構51と、減速機構で減速された回転を出力する出力軸61と、出力軸の回転運動を直線運動に変換して弁体に伝える伝達機構31を備え、伝達機構は、出力軸に形成したスリット状の嵌合溝61aに上下動可能に嵌入させた板状部33b及び送りねじを構成する雄ねじ部33aを有し出力軸の回転を受けて回転することにより上下動する送りねじ部材33を有する電動弁で、嵌合溝と板状部の間に介在され板状部が嵌合溝の内面に接触することを阻止し、板状部の上下動に伴い自転し且つ出力軸の回転を板状部に伝える回転体(例えば嵌合溝内に配された一対の丸棒部材)24~27を備えた。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
流入路および流出路に連通する弁室を内部に有する弁本体と、
前記弁室内に形成した弁座に対して進退動する弁体と、
前記弁体を駆動するロータおよびステータを有する電動機と、
前記ロータの回転を減速して出力軸に出力する減速機構と、
前記出力軸の回転運動を直線運動に変換して前記弁体に伝達する伝達機構と、
を備え、
前記伝達機構は、
送りねじを構成する雄ねじ部を有し、前記出力軸の回転を受けて回転することにより上下動する、送りねじ部材
を有し、
前記送りねじ部材が、前記出力軸に形成したスリット状の嵌合溝に上下動可能に嵌入させた板状部、または、前記出力軸に形成した板状部が上下方向に相対移動できるように嵌入された嵌合溝、のいずれか一方をさらに有する
電動弁であって、
前記嵌合溝と前記板状部との間に介在されて前記板状部が前記嵌合溝の内面に接触することを阻止する一方、前記板状部と前記嵌合溝との間に生じる上下方向への相対移動に伴って自転し且つ前記出力軸の回転を前記送りねじ部材に伝達する、回転体
を備えたことを特徴とする電動弁。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記回転体として、前記嵌合溝内に配置され且つ前記板状部を上下方向への相対移動が可能なように挟持する一対の丸棒状部材を備えた
請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記一対の丸棒状部材として、第1部材と第2部材とを備え、
前記第1部材は、前記嵌合溝の一方の内面に沿って水平に延びるように前記嵌合溝の内面部に形成した第1保持穴に、自転可能に且つ当該第1保持穴から前記嵌合溝内に外周面が突出するように保持され、当該嵌合溝内に突出した外周面が前記板状部の一方の側面に接触し、
前記第2部材は、前記嵌合溝の他方の内面に沿って水平に延びるように前記嵌合溝の内面部に形成した第2保持穴に、自転可能に且つ当該第2保持穴から前記嵌合溝内に外周面が突出するように保持され、当該嵌合溝内に突出した外周面が前記板状部の他方の側面に接触している
請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記一対の丸棒状部材として、第3部材と第4部材とをさらに備え、
前記第3部材は、前記第1保持穴より下方位置において前記嵌合溝の一方の内面に沿って水平に延びるように前記嵌合溝の内面部に形成した第3保持穴に、自転可能に且つ当該第3保持穴から前記嵌合溝内に外周面が突出するように保持され、当該嵌合溝内に突出した外周面が前記板状部の一方の側面に接触し、
前記第4部材は、前記第2保持穴より下方位置において前記嵌合溝の他方の内面に沿って水平に延びるように前記嵌合溝の内面部に形成した第4保持穴に、自転可能に且つ当該第4保持穴から前記嵌合溝内に外周面が突出するように保持され、当該嵌合溝内に突出した外周面が前記板状部の他方の側面に接触している
請求項3に記載の電動弁。
【請求項5】
前記回転体として、水平方向に配列され且つ前記板状部に形成した保持穴内にそれぞれ自転可能に保持された2以上の球状部材を備え、
これらの球状部材は、前記嵌合溝の対向する内面の間に自転および上下方向への相対移動可能に挟持されている
請求項1に記載の電動弁。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動弁に係り、特に、冷暖房システム等において冷媒の流量を制御する電動弁に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ステッピングモータ等の電動機を使用して弁の開度を調整し冷媒の流量を制御する電動弁が空気調和機や冷蔵・冷凍装置などの冷媒回路を備えた冷凍サイクル装置に従来から使用されている。
【0003】
図6はこのような電動弁の一例を示すものである。同図に示すように当該電動弁は、流入路15および流出路16に連通する弁室14を内部に有する弁本体13と、弁室13内に形成した弁座23に対して進退動する弁体17と、弁体17を駆動するロータ43およびステータ42を有する電動機41と、ロータ43の回転を減速する減速機構(不思議遊星歯車減速機構)51と、減速機構51により減速された回転を出力する出力軸61と、出力軸61の回転運動を直線運動に変換して弁体17に伝達する伝達機構(送りねじ)31とを備えている。
【0004】
伝達機構31は、出力軸61に形成したスリット状の嵌合溝61aに上下動可能に嵌入させた板状部33bを有する送りねじ部材33と、軸受部材32の中心孔の下部内面に形成した雌ねじ部32aとを有する。送りねじ部材33はその外周面に、軸受部材32の雌ねじ部32aに螺合する雄ねじ部33aを有し、これら雌ねじ部32aと雄ねじ部33aとにより送りねじ31が構成されている。したがって、出力軸61の回転が板状部33bを介して送りねじ部材33に伝えられると、送りねじ部材33は回転しながら上下方向に移動する。そして、送りねじ部材33の上下動は、ボール状継手34を介して弁体17に伝えられる。
【0005】
また、このような電動弁を開示する文献として下記特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-9025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の電動弁では、ロータ43(減速機構51の出力ギヤに連結された出力軸61)は両方向に回転して送りねじ部材33を介して弁体17の軸線方向の位置を制御する。また、送りねじ部材33の円滑な直線運動を可能とするために、出力軸61の嵌合溝61aと送りねじ部材33の板状部33bとの間には或る程度の隙間が必要となる。このため、出力軸61の回転と送りねじ部材33の回転には回転方向が変化するときにヒステリシスが必然的に生じる。
【0008】
一方、上記従来の電動弁は、弁の開閉時に送りねじ部材33の板状部33bが出力軸61の嵌合溝61a内で摺動する構造となっている。このため、経年使用により板状部33bの角部が摩耗することがあり、この摩耗によって上記ヒステリシスが増大する問題がある。
【0009】
したがって、本発明の目的は、送りねじ部材の摩耗を防ぐことによりヒステリシスの増大を回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る電動弁は、流入路および流出路に連通する弁室を内部に有する弁本体と、弁室内に形成した弁座に対して進退動する弁体と、弁体を駆動するロータおよびステータを有する電動機と、ロータの回転を減速して出力軸に出力する減速機構と、出力軸の回転運動を直線運動に変換して弁体に伝達する伝達機構を備えている。また伝達機構は、送りねじを構成する雄ねじ部を有し出力軸の回転を受けて回転することにより上下動する送りねじ部材を有する。また、送りねじ部材は、出力軸に形成したスリット状の嵌合溝に上下動可能に嵌入させた板状部、または、出力軸に形成した板状部が上下方向に相対移動できるように嵌入された嵌合溝、のいずれか一方を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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