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公開番号
2025012354
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023115129
出願日
2023-07-13
発明の名称
冷蔵調理済み中華麺類の製造方法
出願人
日清製粉株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
A23L
7/109 20160101AFI20250117BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】生麺から調理して冷蔵保存し、喫食したときにも、良好な食感を有する中華麺類の提供。
【解決手段】冷蔵調理済み中華麺類の製造方法であって、原料粉100質量部に、かんすい原料、3~8質量部の食塩、及び20~33質量部の水を加えて麺生地を調製する工程;該麺生地から生麺を製造する工程;該生麺を加熱調理する工程;及び、該加熱調理した麺を冷蔵する工程、を含む方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
冷蔵調理済み中華麺類の製造方法であって、以下:
原料粉100質量部に、かんすい原料、3~8質量部の食塩、及び20~33質量部の水を加えて麺生地を調製する工程;
該麺生地から生麺を製造する工程;
該生麺を加熱調理する工程;及び、
該加熱調理した麺を冷蔵する工程、
を含む、方法。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記原料粉100質量部に対して、前記かんすい原料が0.2~1.5質量部添加される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記原料粉における穀粉及び澱粉の合計含有量が80質量%以上である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記生麺が、2つのA層の間にB層が配置された積層構造を有する多層麺であり、
前記麺生地を調製する工程が、B層用の原料粉100質量部にかんすい原料、3~8質量部の食塩、及び20~33質量部の水を加えてB層用の麺生地を調製する工程を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記B層用の原料粉100質量部に対して、前記かんすい原料が0.2~1.5質量部添加される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記麺生地を調製する工程がさらに、A層用の原料粉にかんすい原料及び水を加えてA層用の麺生地を調製する工程を含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記A層用の原料粉100質量部に対して、前記かんすい原料が0.2~1.5質量部、及び前記水が35~55質量部添加される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記A層用及びB層用の原料粉における穀粉及び澱粉の合計含有量が80質量%以上である、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記多層麺における前記A層と前記B層との厚さの比が、A層/B層/A層=0.3~4/1/0.3~4である、請求項4記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵調理済み中華麺類の製造方法の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
生中華麺は、即席麺や乾麺と比べて食感や風味に優れ、特に茹で立ては美味である。茹で麺は、茹で立てのときには、麺内部の水分勾配により麺の内外で食感に差(勾配)が生じることで中心部に噛み応えのある硬さを感じる良好な食感を有することができる。一方、茹で麺を保存すると、上記の水分勾配による食感の差は小さくなるため食感は低下する。特に、生中華麺を茹でた後冷蔵すると、かんすいの影響でぼそぼそして弾力のない食感になりやすい。
【0003】
従来、麺類の製造においては、生地に食塩が添加されることがある。例えば手打ちうどんの製造においては、一般に、麺の食感や手作業の作業性を考慮して、水分量が比較的多い柔らかい麺生地を製造する一方、該水分量の高い生地が手作業での圧延や成形の際にまとまりやすくなるように、生地への食塩の添加量は比較的多い。また乾麺の製造では、乾燥速度を制御するために、生地の塩分量を調整することがある。一方、中華麺の場合、一般にかんすいを使用することで独特の硬くしこしこした食感を付与するため、特に生中華麺の製造では、食塩を使用することは少ない。
【0004】
特許文献1には、副原料として食塩、かんすい、食用油脂、アルコール、乳酸ナトリウム、及び水を含み、水分活性が0.85以上0.90未満である、茹でこぼし不要の生中華麺が記載されており、また、該水分活性を低くすることで製麺性、麺の結着が改善されること、水分活性の低下のため、生中華麺の通常の配合量よりも多量の食塩を麺に配合すること、主原料粉100重量部に対して食塩2~4重量部が好ましいこと、主原料粉100重量部に対する実質的な加水量が26重量部~30重量部であると好ましいことが記載されている。
特許文献2には、小麦粉を主体とする穀粉類100質量部に対し、かんすい原料0.8~2.0質量部を粉体の状態で混合した後、30質量部以下の加水量で混捏して麺生地を調製することにより、かんすい風味が豊かで製造後の変色が抑制された乾麺を製造できること、乾麺の変色抑制の向上の観点からは食塩を添加することが好ましく、食塩の添加量は穀粉類100質量部に対して1.5~4.0質量部が好ましいことが記載されている。
特許文献3には、内層の蛋白質含量が外層より多く、麺厚が麺幅よりも長くなるよう成形した多層麺、及び該多層麺において外層の水分量を内層よりも高くすることが記載されている。
特許文献4には、中心層が押出麺、外層が多加水麺であることを特徴とする三層麺により、多加水麺の乾燥時における麺伸びを改善できることが記載され、また、原料小麦粉100部に対して6%食塩水20~33部を添加混合して作製した押出麺を中心部とし、原料小麦粉200部に対して6%食塩水80~110部を添加混合して作製した多加水麺を外層とする三層麺が、乾燥時における麺の伸び率が低いことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-029079号公報
特開2020-129987号公報
特許第7085078号公報
特開昭62-228240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、生麺から調理して冷蔵保存し、喫食したときにも、良好な食感を有する中華麺類を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、代表的実施形態として、以下を提供する。
〔1〕冷蔵調理済み中華麺類の製造方法であって、以下:
原料粉100質量部に、かんすい原料、3~8質量部の食塩、及び20~33質量部の水を加えて麺生地を調製する工程;
該麺生地から生麺を製造する工程;
該生麺を加熱調理する工程;及び、
該加熱調理した麺を冷蔵する工程、
を含む、方法。
〔2〕前記原料粉100質量部に対して、前記かんすい原料が0.2~1.5質量部添加される、〔1〕記載の方法。
〔3〕前記原料粉における穀粉及び澱粉の合計含有量が80質量%以上である、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕前記生麺が、2つのA層の間にB層が配置された積層構造を有する多層麺であり、
前記麺生地を調製する工程が、B層用の原料粉100質量部にかんすい原料、3~8質量部の食塩、及び20~33質量部の水を加えてB層用の麺生地を調製する工程を含む、
〔1〕記載の方法。
〔5〕前記B層用の原料粉100質量部に対して、前記かんすい原料が0.2~1.5質量部添加される、〔4〕記載の方法。
〔6〕前記麺生地を調製する工程がさらに、A層用の原料粉にかんすい原料及び水を加えてA層用の麺生地を調製する工程を含む、〔4〕又は〔5〕記載の方法。
〔7〕前記A層用の原料粉100質量部に対して、前記かんすい原料が0.2~1.5質量部、及び前記水が35~55質量部添加される、〔6〕記載の方法。
〔8〕前記A層用及びB層用の原料粉における穀粉及び澱粉の合計含有量が80質量%以上である、〔6〕又は〔7〕記載の方法。
〔9〕前記多層麺における前記A層と前記B層との厚さの比が、A層/B層/A層=0.3~4/1/0.3~4である、〔4〕~〔8〕のいずれか1項記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の冷蔵調理済み中華麺類は、生麺から調理して冷蔵保存したときにも、中心部が密度感と硬さのある噛み応えのよい食感を有するとともに、粘りを維持しており、茹で立てに近い食感を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の冷蔵調理済み中華麺類は、基本的には、生中華麺を喫食可能に加熱調理し、次いで冷蔵保存することで製造される。該中華麺類は、その種類や形状は特に限定されないが、好ましくは麺線である。
【0010】
本発明で製造される中華麺類は、単層麺であっても、多層麺であってもよい。該多層麺は、2つのA層の間にB層が配置された積層構造を有する。すなわち、該積層構造において、該A層は該B層に対して外層であり、該B層は該A層に対して内層である。
(【0011】以降は省略されています)
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