TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024167892
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2024079091
出願日2024-05-15
発明の名称卵ソース用増粘促進剤
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23L 23/00 20160101AFI20241127BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
本発明は、卵の風味・食感を損なうことなく増粘させることができる素材を提供することを目的とする。
【解決手段】
20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を含む卵ソース用増粘促進剤が卵の風味・食感を損なうことなく卵ソースを増粘させることができることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を含む、卵ソース用増粘促進剤。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
請求項1記載の卵ソース用増粘促進剤を含有する、卵ソース。
【請求項3】
請求項2記載の卵ソースを利用した食品。
【請求項4】
以下の(A)~(C)の全工程を有する卵ソースの製造方法。
(A)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を準備する工程。
(B)(A)の水溶性多糖類と、卵類を含む原料とを混合する工程。ただし、(A)の水溶性多糖類が、卵類の蛋白質の質量に対して0.5~250質量%となるように添加する。
(C)(B)で得られる混合物を加熱する工程。
【請求項5】
(C)の工程において、加熱温度が95℃未満である、請求項4記載の卵ソースの製造方法。
【請求項6】
請求項4または5記載の製造方法により得られる卵ソースを利用する、食品の製造方法。
【請求項7】
以下の(a)~(c)の全工程を有する卵ソースの増粘促進方法。
(a)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を準備する工程。
(b)(a)の水溶性多糖類と、卵類を含む原料とを混合する工程。ただし、(a)の水溶性多糖類が、卵類の蛋白質の質量に対して0.5~250質量%となるように添加する。
(c)(b)で得られる混合物を加熱する工程。
【請求項8】
(c)の工程において、加熱温度が95℃未満である、請求項7記載の卵ソースの増粘促進方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、卵ソース用増粘促進剤に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液卵に味付けや粘性等を付与した卵加工物が様々な用途で活用されている。
例えば、カップ焼きそばや、照り焼きのタレに用いるソースや、ハンバーグやおにぎりに包餡するための中具、マヨネーズや調味液のコク出し、増粘目的で、流動性を有するソース状の卵加工物(以後、本発明において「卵ソース」と称する)が使用されている。これらの用途に卵加工物を用いる場合、卵加工物が「絡みやすくする」「外部に染み出させない」「増粘させて離水させない」ようにするため、適度な粘度を付与することが必要である。
一般的に卵加工物の物性をコントロールする方法として、多糖類等の増粘剤を用いる方法があり、例えば、グルコマンナンを添加する方法に関する技術(特許文献1)、キサンタンガム等の増粘多糖類を添加して粘度を調整した全卵液を使用する卵液の製造方法に関する技術(特許文献2)等がある。
また、卵の熱凝固力を利用した方法としてエタノールを添加する方法も提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2011/033807号公報
特開平8-116925号公報
特開2019-187265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1や2の技術のようにキサンタンガムやグルコマンナンなどの増粘剤を用いた場合、粘度は増加するため、「食材に絡みやすくなる」という効果や「増粘させて外部に染み出させない」という効果を得られるものの、増粘剤自体による物性が大きく発現するため卵本来の食感や風味が損なわれるという問題があった。また、特許文献3の技術ではエタノールを用いて増粘させてもアルコールによる風味を感じるため一定以上のナトリウムを添加して濃い味付けにしなければ望ましい風味が得られないという問題があった。
以上の如く、卵の風味・食感を損なうことなく増粘させる方法として満足される手法が確立されていない。
本発明は、卵の風味・食感を損なうことなく卵ソースを増粘させることができる素材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題の解決に対し鋭意検討を重ねた結果、20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を含む卵ソース用増粘促進剤が卵の風味・食感を損なうことなく卵ソースを増粘させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
(1)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を含む、卵ソース用増粘促進剤、
(2)(1)記載の卵ソース用増粘促進剤を含有する、卵ソース、
(3)(2)記載の卵ソースを利用した食品、
(4)以下の(A)~(C)の全工程を有する卵ソースの製造方法、
(A)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を準備する工程、
(B)(A)の水溶性多糖類と、卵類を含む原料とを混合する工程。ただし、(A)の水溶性多糖類が、卵類の蛋白質の質量に対して0.5~250質量%となるように添加する、
(C)(B)で得られる混合物を加熱する工程。
(5)(C)の工程において、加熱温度が95℃未満である、(4)記載の卵ソースの製造方法、
(6)(4)または(5)記載の製造方法により得られる卵ソースを利用する、食品の製造方法、
(7)以下の(a)~(c)の全工程を有する卵ソースの増粘促進方法、
(a)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を準備する工程。
(b)(a)の卵ソース用増粘促進剤と、卵類を含む原料とを混合する工程。ただし、該卵ソース用増粘促進剤に含まれる水溶性多糖類が、卵類の蛋白質の質量に対して0.5~250質量%となるように添加する、
(c)(b)で得られる混合物を加熱する工程、
(8)(c)の工程において、加熱温度が95℃未満である、(7)記載の卵ソースの増粘促進方法、
である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の卵ソース用増粘促進剤を用いることにより、卵の風味・食感を損なうことなく増粘させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(卵ソース用増粘促進剤)
本発明の卵ソース用増粘促進剤は、20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を含むことを特徴とする。
本発明の卵ソース用増粘促進剤を、卵ソースの製造時に添加することで、卵ソースの増粘を促進しつつ風味も良好な卵ソースを得ることができる。
本発明において卵ソースの「増粘促進」とは、無添加よりも粘度が高くなる(上昇する)ことを意味する。好ましくは、後述する、粘度測定において、無添加の卵ソースの粘度に対する、該水溶性多糖類を添加した卵ソースの粘度が110%以上、すなわち粘度上昇率が110%以上であることをいう。
また、本発明の卵ソース用増粘促進剤は、風味や食感を損なわずに卵ソースの増粘促進ができる特徴を有する。この点、他の増粘多糖類を用いた場合、増粘の程度が無添加のものよりも低いか、増粘しても卵ソースの食感や風味が悪くなり、卵ソースの品質の点においても、本発明の卵ソース用増粘促進剤は優れている。
また、本発明の卵ソース用増粘促進剤で増粘促進させる温度、すなわち加熱温度として、好ましくは95℃未満であり、より好ましくは90℃以下、85℃以下、80℃以下とすることができる。また、下限の温度は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは55℃以上、60℃以上または65℃以上とすることができる。
本発明の卵ソース用増粘促進剤に用いる水溶性多糖類の、該卵ソース用増粘促進剤中の含有量は、固形分中、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上、70質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、100質量%とすることができる。
本発明の卵ソース用増粘促進剤の形態は限定されず、液体、粉末、造粒物などの形態で使用することができる。
【0009】
本発明の卵ソース用増粘促進剤には、本発明の効果を損なわない範囲で適宜、他の添加剤と併用することができる。他の添加剤としては、砂糖、グルコース,フルクトース等の単糖類、蔗糖,マルト─ス,ラクトース,ラフィノース,マルトトリオース,トレハロ─ス,スタキオース,マルトテトラオース等の少糖類、及び糖アルコ─ル、ぶどう糖果糖液糖、水あめ、還元水あめ、オリゴ糖、還元オリゴ糖、はちみつ、スクラロース、アスパルテーム、ステビアなどの甘味料、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂などの食用油脂、塩類、食塩、醤油、胡椒、アミノ酸、塩化カルシウム、核酸等の調味料類、酢酸,クエン酸,乳酸,アジピン酸,グルコン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸、アスコルビン酸等の酸味料、湿熱処理澱粉、加工澱粉、ビタミンE等の酸化防止剤、色素等が挙げられる。
【0010】
(卵ソース)
本発明において卵ソースとは、卵類(全卵、卵黄または卵白)を含有し、流動性を有するソース状の食品ないしは食品素材である。好ましくは全卵または卵黄と各種食品原料を混合したものである。
また、卵類としては生卵を割卵して用いる他、各種液卵、加糖液卵、冷凍卵、粉末(乾燥)卵等をいずれも使用でき、これらの単独または2種以上を適宜混合して使用することもできる。
本発明の卵ソースには、砂糖、グルコース,フルクトース等の単糖類、蔗糖,マルト─ス,ラクトース,ラフィノース,マルトトリオース,トレハロ─ス,スタキオース,マルトテトラオース等の少糖類、及び糖アルコ─ル、ぶどう糖果糖液糖、水あめ、還元水あめ、オリゴ糖、還元オリゴ糖、はちみつ、スクラロース、アスパルテーム、ステビアなどの甘味料、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂などの食用油脂、塩類、食塩、醤油、胡椒、アミノ酸、塩化カルシウム、核酸等の調味料類、酢酸,クエン酸,乳酸,アジピン酸,グルコン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸、アスコルビン酸等の酸味料、湿熱処理澱粉、加工澱粉、ビタミンE等の酸化防止剤、色素等を配合することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

不二製油株式会社
栄養組成物
8日前
不二製油株式会社
卵凝固促進剤
1日前
不二製油株式会社
卵ソース用増粘促進剤
1日前
不二製油株式会社
ランダムエステル交換油脂、およびそれを含む水中油型乳化物、飲食品
14日前
不二製油株式会社
水分を含有するパン生地又は焼菓子生地との同時焼成用チョコレート類
1か月前
個人
燻製米。
7日前
個人
柑橘系炭酸飲料水
1か月前
株式会社東洋新薬
組成物
20日前
不二製油株式会社
栄養組成物
8日前
不二製油株式会社
卵凝固促進剤
1日前
明星食品株式会社
麺塊剥離方法
7日前
日澱化學株式会社
チーズ様食品
7日前
個人
野菜果実海藻ジュース飲料
10日前
池田食研株式会社
風味付与増強剤
6日前
株式会社ニッピ
気分状態の改善剤
28日前
個人
調味料及び調味料の製造方法
27日前
個人
健康、緑黄丼の具 レトルトパック
15日前
松谷化学工業株式会社
新規の澱粉分解物
1か月前
不二製油株式会社
卵ソース用増粘促進剤
1日前
株式会社バンダイ
菓子及び菓子の製造方法
29日前
前川鉄工株式会社
干し物製造装置
27日前
個人
非ヒト動物用の団子状薬剤の製造方法
27日前
キユーピー株式会社
乳化液状調味料
14日前
キユーピー株式会社
液卵代替組成物及びその凝固物
1か月前
アスザックフーズ株式会社
乾燥食品製造方法
1か月前
松谷化学工業株式会社
流水解凍に適する冷凍麺皮食品
27日前
有限会社アロエランド
茶製品の製造方法
28日前
花王株式会社
液状組成物
27日前
一般財団法人電力中央研究所
生物用の飼料
13日前
合同酒精株式会社
植物性ミルク発酵物及びその製造方法
7日前
世紀株式会社
材料移送装置及び材料供給装置
7日前
株式会社東洋新薬
アミノ酸吸収促進用組成物
1か月前
株式会社ロッテ
風船ガム用ガムベース
27日前
アイコット株式会社
脳機能改善用機能性食品
1か月前
花王株式会社
皮膚状態改善剤
1か月前
森永乳業株式会社
冷菓及びその製造方法
14日前
続きを見る