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公開番号2025062550
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-14
出願番号2023180618
出願日2023-10-02
発明の名称血圧降下用組成物
出願人個人
代理人
主分類A23L 33/135 20160101AFI20250407BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】今、使用されている降圧剤は、カルシウムイオン濃度を適切に維持する機構がないため、長期に渡って使用すると、カルシウム不足を起し、骨からカルシウムを必要以上に取り崩し、余分なカルシウムが血管、脳、軟骨などに入り込み、動脈硬化、結石などを起しやすくなるという欠点を持っている。本発明は、カルシウムイオン濃度を不足させないように対策している降圧剤を作ることにある。
【解決手段】 酪酸産生菌、及び水溶性でかつ発酵性を持つ食物繊維、さらに、珊瑚、貝、煮干などの過去に生きていたものの残骸を含有する組成物で課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酪酸産生菌、及び水溶性でかつ発酵性を持つ食物繊維、さらに、珊瑚、貝、煮干などの過去に生きていたものの残骸を含有することを特徴とする血圧降下用組成物、
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
請求項1の血圧降下用組成物を用いた高血圧の予防、並びに、カルシウムパラドックスにより引き起こされる血管、脳、軟骨などにカルシウムが入り込み、動脈硬化、結石などを起すことの予防
【請求項3】
水溶性でかつ発酵性を持つ食物繊維、酪酸産生菌及び、珊瑚、貝、煮干などの過去に生きていたもの残骸をバイタミックス ブレンダーで調整し、水系のサプリメント、医薬品、飼料、食料とすることからなる請求項1の血圧降下用組成物
【請求項4】
水溶性で発酵性を持つ食物繊維、酪酸産生菌及び、珊瑚、貝、煮干などの過去に生きていたものの残骸を粉末にして、粉砕機で粉砕、混合し、錠剤、サプリメント、医薬品、飼料、食料とすることからなる請求項1の血圧降下用組成物

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酪酸産生菌、水溶性で発酵性を持つ食物繊維、煮干等を必須成分として含有する血圧降下用組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
血圧降下剤としては、いくつかの種類があるが、そのうち、アムロジンは、「カルシウム拮抗剤」としての薬に分類され、広く使用されている。カルシウム拮抗剤は、血管の周りを覆っている平滑筋という筋肉に存在しているカルシウムチャネルの働きをブロックする働きをします。カルシウムチャネルとはカルシウムが通ることができる穴のことです。通常、カルシウムチャネルを通ってカルシウムイオンが平滑筋細胞内に入るとその刺激によって筋肉は収縮します。筋肉が収縮すれば血管が締め付けられ血圧は、上がります。これをブロックするのがアムロジンです。アムロジンは、カルシウムチャネルに蓋をしてしまい、カルシウムイオンが平滑筋の中に入れないようにしてしまいます。筋肉が収縮できないと血管は、拡張します。血管が拡張すると血圧が下がるというわけです(非特許文献1)。
しかしながら、最近、アムロジンの副作用の記述に、肝臓の機能(ALT,ASTの上昇、γ-GTPの上昇など)の障害が追加されている(非特許文献2)。 アムロジンは、便利な薬ではあるが、合成物であるから、それを分解する必要があるため、肝臓機能を犠牲にして、多くの人に、降圧剤として使用されている。降圧剤は、一度使い始めると長く使うことが多いので、長期に使用された時の安全性もこれからは求められている。
アムロジンの肝機能障害の問題を解決するため、食品から血圧降下剤を作る試みがなされている。サーデン(イワシ)ペプチドというイワシからたんぱく質を抽出し、濃縮し、得られた物質、サーデンペプチドは、血圧が上がる原因とされている物質を作る変換酵素の働きを阻害することで、血圧を降下できるという。サーデンペプチドは、元々は食品であることからアムロジンのように、長く使用しても副作用の心配はないという(非特許文献3)。 しかしながら、これらの二つの方法(アムロジンとサーデンペプチド)は、カルシウムを少量ずつ補給する機構がないため、カルシウム不足を起し、以下に示すカルシウムパラドックスを発生する恐れがある。
【0003】
人体には、生命維持のために血液中のカルシウムイオン濃度を調整する仕組みがあります。
カルシウム濃度が不足すると副甲状腺ホルモンが分泌されて、カルシウム貯蔵庫である骨からカルシウムを取り出し、調整します。副甲状腺ホルモンの出す指令が頻繁になると必要量を上回ってしまいます。この時の余分なカルシウムが血管、脳、軟骨などに入り込み、動脈硬化、結石などを起しやすくなります。このような、カルシウム不足がカルシウム過剰を結果的に引き起こす現象をカルシウムパラドックス(矛盾)と表現されることがあります。カルシウムは従って、毎日少しずつ継続して摂ることが求められます(非特許文献4)。
【0004】
コービオンジャパン株式会社のサイトの「カルシウムトピックス」において、カルシウム不足が高血圧を引き起こすメカニズムについて述べている。高血圧予防というと、ナトリウムの摂取を減らす『減塩』が良く知られていますが、高血圧は、カルシウムの摂取不足でも起きることがわかっています。カルシウム不足が高血圧を引き起こすメカニズムを述べます。
血圧は、「血液の量」と「血管の通りづらさ」とで決まります。従って、血管の内側が狭くなり血液が通リにくくなると、心臓は強い力で血液を押し出さなくてはいけなくなり血圧が上がります。
では、どんな理由で血管の内側が狭くなるのでしょうか?
カルシウム摂取が不足すると、副甲状腺ホルモンが分泌され、カルシウム貯蔵庫である骨からカルシウムが溶け出し、血液中のカルシウム濃度を正常に戻そうとします。また、副甲状腺ホルモンは、カルシウムを細胞内に取り込む働きもするため、血管の筋肉である平滑筋にカルシウムが入り、筋肉 を収縮させます。この働きにより、血管の内側が狭くなり高血圧を引き起こします。又、高血圧症の患者では、カルシウムの摂取量が少ない人ほど尿へのナトリウム排泄が少ないことが知られています。すなわち、カルシウムを多く摂るとナトリウム利尿(尿中にナトリウムが多く排泄)が起こり血圧が低下します。高血圧を予防するためには過度なナトリウム摂取は控え、カルシウムを多く摂ることが重要と考えられています(非特許文献5)。
【0005】
(酪酸によるカルシウムの腸管吸収)
「大腸にカルシウムリン酸塩が到達すると腸内細菌による大腸発酵が盛んな場合産生された酪酸により内容物のpHは、酸性となり、不溶性カルシウム塩は、可溶化し、吸収できるようになる。」とあり、カルシウムリン酸塩は、大腸で生成された酪酸により腸管から吸収されることが、明らかになっている(非特許文献6)。
【0006】
(酪酸は骨形成に参加する)
酪酸は、骨芽細胞を活性化して、骨形成を促進する(非特許文献7)。
腸管から吸収された酪酸カルシウムが過剰であったとしても、酪酸の作用でカルシウムが骨に取り込まれるので、問題は、少ないと思われる。
【0007】
(特許文献1)特開平03-011097では、血圧降下剤が人工の合成物でなく、食品であるから、長期に渡り服用しても害はない。しかしながら、カルシウムを少量ずつ、補給する考え方がないので、長期に渡り使用することを考えた場合、カルシウムバラドックスにより、動脈硬化等の副作用を回避できない。
【0008】
(特許文献2)特開2007─223924では、風化造礁サンゴ紛というカルシウムを主体とした材料を血圧降下剤として、提案しているが、カルシウムを体に取り込む機構がないので、持っている酸性物質の量が少ない人には、血圧降下に十分な量のカルシウムを取り込めないことがあると考えられる。
【0009】
一方、(特許文献3)特許5606672号では、腸内環境が整えられ、確実に腸内細菌が、大腸内に作り出される特許である。しかしながら、酪酸がカルシウムを体内に取り込むような酪酸の応用情報については触れられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平03-011097
特開2007―223924
特許5606672号
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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