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公開番号2025093689
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209493
出願日2023-12-12
発明の名称認知機能低減抑制剤
出願人太陽化学株式会社
代理人個人
主分類A23L 33/125 20160101AFI20250617BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 新規な認知機能低減抑制剤を提供すること。
【解決手段】 平均分子量が1.0×103~2.0×105、平均分子量の範囲内のものが70質量%以上含まれるグアーガム分解物であり、B型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したときの1質量%水溶液の粘度が50mPa・s以下のものであって、前記グアーガム分解物が、グアー由来の胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)が1:1.3~1:2.1の範囲であるガラクトマンナン多糖を微生物由来β-マンナナーゼを用いて加水分解し、低分子化することにより得られたものであり、酵素-HPLC法により規定される食物繊維含量を少なくとも70質量%含有することを特徴とする健常者に対する認知機能低減抑制剤によって達成される。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
平均分子量が1.0×10

~2.0×10

、平均分子量の範囲内のものが70質量%以上含まれるグアーガム分解物であり、B型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したときの1質量%水溶液の粘度が50mPa・s以下のものであって、
前記グアーガム分解物が、グアー由来の胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)が1:1.3~1:2.1の範囲であるガラクトマンナン多糖を微生物由来β-マンナナーゼを用いて加水分解し、低分子化することにより得られたものであり、酵素-HPLC法により規定される食物繊維含量を少なくとも70質量%含有することを特徴とする健常者に対する認知機能低減抑制剤。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記健常者が、60歳以上である請求項1に記載の認知機能低減抑制剤。
【請求項3】
前記認知機能が、視覚記憶力、総合記憶力、言語記憶力、認知機能速度、反応時間、認知柔軟性、実行機能から選ばれる1つ以上である請求項1に記載の認知機能低減抑制剤。
【請求項4】
請求項1または2に記載の認知機能低減抑制剤を含有する飲食品。
【請求項5】
請求項1または2に記載の認知機能低減抑制剤を含有する医薬品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、認知機能低減抑制剤に関し、健常な高齢者(特に60歳以上)を対象とするものに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
認知機能とは、知覚・判断・想像・推論・決定・記憶・言語理解などの要素を包括した「認知」を行うための知的機能を総称した概念であり、五感(観る、聞く、嗅ぐ、味わう、触る)の一部または全部を通して外部から得た情報に基づいて、現状を認識したり、言語を操ったり、記憶・学習・計算・予測を行う機能を意味する。
認知機能の低下として、認知症が知られている。認知症とは、老化による脳細胞の死滅や機能低下によって発症し、認知機能の低下の度合いに比例して、徐々に症状が重くなっていく疾患を意味する。認知症に至らないまでも、老化によっては、多かれ少なかれ、認知機能が低減することは避けられない。
認知機能の低下を改善または抑制しようとする研究開発が行われており、例えば特許文献1には、熟成にんにくエキスの効果が開示されている。
また、グアーガム分解物には、ストレス障害を低減する技術が開示されているものの(特許文献2)、認知機能に関する技術は知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-111729号公報
特表2023-503867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、新規な認知機能低減抑制剤などを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、特定のグアーガム分解物を含有する組成物には、高齢者(特に60歳以上)の認知機能低減を抑制する効果があることを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして、本願発明に係る60歳以上の者に対する認知機能低減抑制剤は、平均分子量が1.0×10

~2.0×10

、平均分子量の範囲内のものが70質量%以上含まれるグアーガム分解物であり、B型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したときの1質量%水溶液の粘度が50mPa・s以下のものであって、前記グアーガム分解物が、グアー由来の胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)が1:1.3~1:2.1の範囲であるガラクトマンナン多糖を微生物由来β-マンナナーゼを用いて加水分解し、低分子化することにより得られたものであり、酵素-HPLC法により規定される食物繊維含量を少なくとも70質量%含有することを特徴とする。
【0006】
本発明において、認知機能が、視覚記憶力、総合記憶力、言語記憶力、認知機能速度、反応時間、認知柔軟性、実行機能から選ばれる1つ以上であることが好ましい。上記のように、認知機能には、知覚・判断・想像・推論・決定・記憶・言語理解などの要素が含まれる。本願発明の抑制剤は、これらの認知機能のうち、特に視覚記憶力、総合記憶力、言語記憶力、認知機能速度、反応時間、認知柔軟性、実行機能に対して効果があることが分かった。
本発明においては、認知機能低減抑制剤を含む飲食品または医薬品を提供できる。飲食品は、食品と飲料を含むものであり、例えば、栄養補助食品、健康食品、特定保健用食品、機能性表示食品、食事療法用食品、総合健康食品、サプリメント、茶飲料、コーヒー飲料、ジュース、清涼飲料、ドリンク剤、米飯、パン、麺類、乳製品、卵加工品、水産・畜産加工食品、菓子、油脂及び油脂加工食品、調味料、惣菜などが例示される。医薬品は、医薬品又は医薬部外品を含むものであり、経口製剤、又は経腸製剤であることが好ましく、液剤、錠剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤などの形態とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新規な認知機能低減抑制剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
被験食品群(PHGG群)内において、試験開始前(0w)と試験終了後(12w)の16個の認知領域(神経認知インデックス(NCI)、総合記憶力、言語記憶力、視覚記憶力、認知機能速度、反応時間、総合注意力、認知柔軟性、処理速度、実行機能、社会的認知、論理思考、ワーキングメモリー、持続的注意力、単純注意力、運動速度)の標準化スコアデータのうち、前後で有意差が認められた8個のデータを比較した棒グラフである。図中、「*」はp<0.05、「**」はp<0.01で有意差が認められたことを示す。
視覚記憶力の結果を示す棒グラフである。グラフ中、pは危険率を示し、12週後のプラセボ群(Placebo)と被験者群(PHGG)との間にp=0.023であったことを意味している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施できる。
「グアーガム」とは、グアー豆の胚乳(正確には、子葉)から得られる水溶性の天然多糖類のことを意味し、直鎖状に結合した2分子のマンノースに1分子のガラクトースの側鎖を持つ多糖類であり、平均分子量は、2.0×10

~3.0×10

程度である。グアーガムには、血糖値上昇抑制効果、コレステロール低下効果、便通改善効果などの生理作用が知られている。本発明において、グアーガム分解物とは、インド・パキスタン等で食用に供されている一年生豆科植物グアー(学名:Cyanopsistetragoloba)由来の豆を原料とし、その胚乳に含まれるガラクトマンナン多糖を加水分解し、低分子化することにより得られる水溶性食物繊維を意味する。グアーガムを加水分解する方法としては、酵素分解法、酸分解法など、特に限定するものではないが、分解物の分子量を整えやすい点から酵素分解法が好ましい。
【0010】
酵素分解法に用いられる酵素としては、マンノース直鎖を加水分解する酵素であれば特に限定されるものではないが、アスペルギルス属菌やリゾップス属菌などに由来するβ-マンナナーゼを用いることが好ましい。グアーガム分解物の平均分子量分布は、上限値が2.0×10

以下であり、好ましくは、1.0×10

以下、さらに好ましくは、2.5×10

以下である。グアーガム分解物の平均分子量分布の下限値は1.0×10

以上であり、好ましくは、2.0×10

以上である。平均分子量が2.0×10

を超えると、粘度が高すぎて飲食品に含有させることが難しくなる。分子量分布の測定方法は、特に限定するものではないが、例えば分子量マーカーとしてポリエチレングリコール(平均分子量:2×10

、2×10

、2×10

及び1×10

)を使用し、ゲル濾過クロマトグラフ法を用いる方法等がある。
本発明のグアーガム分解物は、上記平均分子量の範囲内のものが70質量%以上、好ましくは80質量%以上含まれるものが用いられる。
(【0011】以降は省略されています)

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