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公開番号
2025118830
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-13
出願番号
2025079863,2022526907
出願日
2025-05-12,2021-05-17
発明の名称
水溶性大豆多糖類及びその製造方法
出願人
不二製油株式会社
代理人
主分類
A23L
29/238 20160101AFI20250805BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】酸性蛋白飲料などの酸性蛋白飲食品について、蛋白質の等電点付近であるpH4.2以上のpH域でも蛋白質粒子を分散安定化し、低粘度ですっきりした飲み口を付与できる素材を提供することを目的とする。
【解決手段】水溶性大豆多糖類の構成糖の成分のうち、アラビノース/ガラクトースの数値が、0.15≦アラビノース/ガラクトース≦0.40の範囲で存在し、かつメチルエステル化度が30%以下である水溶性大豆多糖類がpH4.2以上のpH域でも酸性蛋白飲食品の乳蛋白質を分散安定化できることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水溶性大豆多糖類の構成糖の成分のうち、アラビノース/ガラクトースの数値が、0.15≦アラビノース/ガラクトース≦0.40の範囲で存在し、かつ、メチルエステル化度が30%以下である水溶性大豆多糖類。
続きを表示(約 770 文字)
【請求項2】
アラビノース/ガラクトースの数値が、0.20≦アラビノース/ガラクトース≦0.35である、請求項1記載の水溶性大豆多糖類。
【請求項3】
大豆原料をpH1.5~4.0、40℃~100℃未満、15~600分間の条件で加熱することにより得られる、水溶性大豆多糖類を含むスラリーを、pH4.0~7.0に調整後に固液分離し、得られる水溶性大豆多糖類を含む溶液を脱エステル化後精製することを特徴とする、アラビノース/ガラクトースの数値が、0.15≦アラビノース/ガラクトース≦0.40の範囲で存在し、メチルエステル化度が30%以下である水溶性大豆多糖類の製造方法。
【請求項4】
大豆原料をpH1.5~3.5、60℃~100℃未満、30~150分間の条件で加熱する、請求項3記載の水溶性大豆多糖類の製造方法。
【請求項5】
アラビノース/ガラクトースの数値が、0.20≦アラビノース/ガラクトース≦0.35である、請求項3記載の水溶性大豆多糖類の製造方法。
【請求項6】
アラビノース/ガラクトースの数値が、0.20≦アラビノース/ガラクトース≦0.35である、請求項4記載の水溶性大豆多糖類の製造方法。
【請求項7】
請求項1または2記載の水溶性大豆多糖類を有効成分として含有する蛋白質の分散安定剤。
【請求項8】
請求項7記載の蛋白質の分散安定剤を含有する酸性蛋白飲食品。
【請求項9】
酸性蛋白飲食品のpHがpH4.2~4.6である、請求項8記載の酸性蛋白飲食品。
【請求項10】
酸性蛋白飲食品が酸性蛋白飲料である、請求項8記載の酸性蛋白飲食品。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性大豆多糖類及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
乳蛋白質を糖質と共に発酵させた、または有機酸の水溶液に分散させた、酸性乳飲料が知られているが、これにはハイメトキシペクチンやカルボキシメチルセルロース等が乳蛋白質粒子の分散安定剤として用いられてきた。特許文献1に開示されている、大豆から油脂及び蛋白質を分離除去したオカラを原料にして、酸性の条件下で高温加圧抽出して得られた水溶性大豆多糖類をこの分散安定剤として用いると、ペクチン等では達成できないpH4未満の酸性下で、非常に粘度の低い状態で乳蛋白質粒子を分散安定化できる。これにより、ペクチンを添加した糊状感のある重い飲み口の飲料とは異なる、それ以前にないすっきりとした軽い飲み口の酸性乳飲料を作製することが出来る(特許文献2)。
ところで、酸性乳飲料には、蛋白質を高配合したものや、発酵乳を用いて飲料を作製したものがある。これら飲料を水溶性大豆多糖類を用いてpH4未満の条件で調製すると、非常に酸味の強い飲料になってしまったり、低pHにより乳酸菌が生育できず、生菌タイプの乳酸菌飲料を作製することが出来ないといった問題がある。一方で、前述の水溶性大豆多糖類は、pH4.2を超えるpH域では、蛋白質粒子の充分な分散安定化能を示すことができず、あるいは添加量を増やすと、すっきりとした飲み口を阻害してしまう。そこで、pH4.2より高いpH環境で、且つ低粘度で、乳蛋白質粒子を分散安定できる水溶性多糖類が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平3-236759号公報
特開平7-059512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、pH4.2以上のpH域において、酸性乳飲料などの酸性蛋白飲料の安定性について必ずしも十分とはいえず、さらなる改良が望まれている。
本発明では、酸性蛋白飲料などの酸性蛋白飲食品について、蛋白質の等電点付近であるpH4.2以上のpH域でも蛋白質粒子を分散安定化し、低粘度ですっきりした飲み口を付与できる素材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題の解決に対し鋭意検討を重ねた結果、水溶性大豆多糖類の構成糖の成分のうち、アラビノース/ガラクトースの数値が、0.15≦アラビノース/ガラクトース≦0.40の範囲で存在し、かつメチルエステル化度が30%以下の水溶性大豆多糖類がpH4.2以上のpH域でも酸性蛋白飲食品の乳蛋白質を分散安定化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
(1)水溶性大豆多糖類の構成糖の成分のうち、アラビノース/ガラクトースの数値が、0.15≦アラビノース/ガラクトース≦0.40の範囲で存在し、かつ、メチルエステル化度が30%以下である水溶性大豆多糖類、
(2)アラビノース/ガラクトースの数値が、0.20≦アラビノース/ガラクトース≦0.35である、(1)記載の水溶性大豆多糖類、
(3)大豆原料をpH1.5~4.0、40℃~100℃未満、15~600分間の条件で加熱することにより得られる、水溶性大豆多糖類を含むスラリーを、pH4.0~7.0に調整後に固液分離し、得られる水溶性大豆多糖類を含む溶液を脱エステル化後精製することを特徴とする、アラビノース/ガラクトースの数値が、0.15≦アラビノース/ガラクトース≦0.40の範囲で存在し、メチルエステル化度が30%以下である水溶性大豆多糖類の製造方法、
(4)大豆原料をpH1.5~3.5、60℃~100℃未満、30~150分間の条件で加熱する、(3)記載の水溶性大豆多糖類の製造方法、
(5)(1)または(2)記載の水溶性大豆多糖類を有効成分として含有する蛋白質の分散安定剤、
(6)(5)記載の蛋白質の分散安定剤を含有する酸性蛋白飲食品、
(7)酸性蛋白飲食品が酸性蛋白飲料である、(6)記載の酸性蛋白飲食品、
である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水溶性大豆多糖類を用いることにより、従来安定化力が低下した、乳蛋白質の等電点付近であるpH4.2以上のpHで蛋白質を分散安定化し、低粘度ですっきりした飲み口の酸性蛋白飲料などの酸性蛋白飲食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(水溶性大豆多糖類)
本発明の水溶性大豆多糖類は、その構成糖の成分のうち、アラビノース/ガラクトースの数値が、0.15≦アラビノース/ガラクトース≦0.40の範囲で存在し、かつメチルエステル化度が30%以下であることを特徴とし、この特徴を有することにより、酸性蛋白質飲料の安定剤として用いた場合、特に、pH4.2~4.6という高pH域で、低粘度で蛋白質の安定化力が発揮される。
アラビノース/ガラクトースの数値は、好ましくは、0.20≦アラビノース/ガラクトース≦0.35の範囲である。
本発明において、アラビノース/ガラクトースの数値は、以下に記載する中性糖の組成を分析することで得られる、アラビノース、ガラクトースの含量(乾物換算)から算出する。
【0009】
(構成糖)
本発明の水溶性大豆多糖類は、構成糖として酸性糖であるガラクツロン酸が含まれるものである。また主要な中性糖としてアラビノースとガラクトースが含まれるものである。その他の中性糖としてグルコース、ラムノース、キシロースおよびフコース等が含まれていても良い。なお、ガラクツロン酸含量はBlumenkrantz法を用いた比色定量法にて測定する。中性糖の組成は、硫酸分解した後、陰イオン除去カートリッジ、0.2μmフィルターに通し、電気化学検出器を用いたイオンクロマトグラフィー法(HPAEC-PAD法)を用いて測定する。イオンクロマトグラフィーはICS-3000(DIONEX製)を用い、カラムCarboPackPA1、溶媒20mM NaOH、流量1.0ml/min、測定方式はパルスドアンペロメトリモードにて測定した。
【0010】
(水溶性大豆多糖類の製造方法)
本発明の水溶性大豆多糖類は、大豆原料をpH1.5~4.0という酸性領域で加熱することにより得られる、水溶性大豆多糖類を含むスラリーをpH4.0~7.0、好ましくはpH4.5~6.0に調整後に固液分離し、得られる水溶性大豆多糖類を含む溶液を脱エステル後、精製することにより得られることを特徴としている。以下に詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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