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公開番号2025151959
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024053607
出願日2024-03-28
発明の名称植物ベースの起泡性水中油型乳化物
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23D 7/00 20060101AFI20251002BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明の課題は、乳化剤含量が2質量%以下であり、起泡性の良好な植物ベースの起泡性水中油型乳化物の提供をすることである。
【解決手段】オーツ麦由来オイルと共に、構成脂肪酸中のステアリン酸を20質量%以上含むステアリン酸含有油脂を起泡性水中油型乳化物に配合すると、乳化剤含量が2質量%以下であり、また植物性素材のみで製造したにもかかわらず、起泡性の良好な植物ベースの起泡性水中油型乳化物が得られることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
乳化剤含量が２質量％以下であり、植物性蛋白質素材を含む植物ベースの起泡性水中油型乳化物であって、
構成脂肪酸中のステアリン酸を２０質量％以上含むステアリン酸含有油脂、及びオーツ麦由来オイルを含む、植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
該ステアリン酸含有油脂の構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸の合計含量が２５～７５質量％である、請求項１に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
なお、不飽和脂肪酸とはオレイン酸とリノール酸とリノレン酸をさす。
【請求項３】
該ステアリン酸含有油脂の構成脂肪酸中のリノール酸とオレイン酸の含量比（リノール酸／オレイン酸の含量比）が０．０３以上である、請求項１又は２に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
【請求項４】
該ステアリン酸含有油脂の構成トリグリセリド中のＳ２Ｕトリグリセリドの含量が５～８８質量％である、請求項１又は２に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
なお、Sは炭素数１６～２２の飽和脂肪酸を、Uは炭素数１８の不飽和脂肪酸で、オレイン酸とリノール酸とリノレン酸をさす。そしてS２Uはトリグリセリド内にSが２分子、Uが１分子結合したものである。
【請求項５】
該ステアリン酸含有油脂の構成トリグリセリド中のＳ２Ｕトリグリセリドの含量が５～８８質量％である、請求項３に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
なお、Sは炭素数１６～２２の飽和脂肪酸を、Uは炭素数１８の不飽和脂肪酸で、オレイン酸とリノール酸とリノレン酸をさす。そしてS２Uはトリグリセリド内にSが２分子、Uが１分子結合したものである。
【請求項６】
該植物ベースの起泡性水中油型乳化物の原料に動物性素材を含まない、請求項１又は２に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
【請求項７】
該植物ベースの起泡性水中油型乳化物の原料に動物性素材を含まない、請求項３に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
【請求項８】
該植物ベースの起泡性水中油型乳化物の原料に動物性素材を含まない、請求項４に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
【請求項９】
該植物ベースの起泡性水中油型乳化物の原料に動物性素材を含まない、請求項５に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物。
【請求項１０】
乳化剤含量が２質量％以下であり、植物性蛋白質素材を含む植物ベースの起泡性水中油型乳化物の製造方法であって、
構成脂肪酸中ステアリン酸を２０質量％以上含むステアリン酸含有油脂、及びオーツ麦由来オイルを該乳化物の油相中に含む、植物ベースの起泡性水中油型乳化物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、植物ベースの起泡性水中油型乳化物に関する。
続きを表示（約 2,400 文字）【背景技術】
【０００２】
動物資源の枯渇や環境保護等を背景に、動物性素材の一部又は全部を代替し、植物性素材をベースとする製品の開発が進んでいる。また、消費者の製品の原材料表示への関心の高まりもあり、使用する原材料の種類は極力少なく、分かりやすい原材料の使用を求める「クリーンラベル」への要望も増加している。クリームや起泡性水中油型乳化物においても、このような流れに配慮する製品開発がなされている。
【０００３】
一般的なクリームや起泡性水中油型乳化物は、乳蛋白のカゼインが乳化に寄与しているため、乳等の動物性素材不使用とする場合、この乳化機能を補う技術が必要である。その技術の１つとして、特許文献１では、乳由来原料を使用せず、ココアバター、特定の油脂及び植物性蛋白質素材の部分分解物を用いることが開示されている。
【０００４】
さらに、植物性を謳った水中油型乳化物の開発では、特許文献２において種実類ペーストを配合した、植物性の水中油型乳化物が開示されている。特許文献３では、脂肪、アニオン性乳化剤及び低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むたんぱく質非含有植物性泡立て用クリームが開示されている。
【０００５】
また、水中油型乳化物を調製する際に使用される乳化剤については、合成乳化剤を使用されることが多い。そこで、特許文献４ではオート麦油等の極性油が、合成乳化剤を必要としない高度に安定な水中油型乳化物を調製することができることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２０２０－１１５８５４号公報
特開２０２２―１５２１１７号公報
特表２０２０－５３１０３３号公報
国際公開２０１９／２２４１６８号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
特許文献２や特許文献４では、起泡性水中油型乳化物については開示も示唆もされていなかった。また、特許文献１や特許文献３では、起泡性の良好な水中油型乳化物が示されているものの、一部乳化剤の使用があった。クリーンラベルにも対応可能な、乳化剤を使用せずとも製造可能な手段の提供も求められていると考えられた。
【０００８】
そこで、本発明は、乳化剤含量が２質量％以下であり、起泡性の良好な植物ベースの起泡性水中油型乳化物の提供をすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明者らが検討を行ったところ、オーツ麦由来オイルと共に特定の油脂を起泡性水中油型乳化物に配合すると、乳化剤含量が２質量％以下でありながらも、植物性素材のみで製造したにもかかわらず、起泡性の良好な植物ベースの起泡性水中油型乳化物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【００１０】
すなわち、本発明は、
［１］乳化剤含量が２質量％以下であり、植物性蛋白質素材を含む植物ベースの起泡性水中油型乳化物であって、
構成脂肪酸中のステアリン酸を２０質量％以上含むステアリン酸含有油脂、及びオーツ麦由来オイルを含む、植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
［２］該ステアリン酸含有油脂の構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸の合計含量が２５～７５質量％である、［１］に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
なお、不飽和脂肪酸とはオレイン酸とリノール酸とリノレン酸をさす、
［３］該ステアリン酸含有油脂の構成脂肪酸中のリノール酸とオレイン酸の含量比（リノール酸／オレイン酸の含量比）が０．０３以上である、［１］又は［２］に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
［４］該ステアリン酸含有油脂の構成トリグリセリド中のＳ２Ｕトリグリセリドの含量が５～８８質量％である、［１］又は［２］に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
なお、Sは炭素数１６～２２の飽和脂肪酸を、Uは炭素数１８の不飽和脂肪酸で、オレイン酸とリノール酸とリノレン酸をさす。そしてS２Uはトリグリセリド内にSが２分子、Uが１分子結合したものである、
［５］該ステアリン酸含有油脂の構成トリグリセリド中のＳ２Ｕトリグリセリドの含量が５～８８質量％である、［３］に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
なお、Sは炭素数１６～２２の飽和脂肪酸を、Uは炭素数１８の不飽和脂肪酸で、オレイン酸とリノール酸とリノレン酸をさす。そしてS２Uはトリグリセリド内にSが２分子、Uが１分子結合したものである、
［６］該植物ベースの起泡性水中油型乳化物の原料に動物性素材を含まない、［１］又は［２］に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
［７］該植物ベースの起泡性水中油型乳化物の原料に動物性素材を含まない、［３］に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
［８］該植物ベースの起泡性水中油型乳化物の原料に動物性素材を含まない、［４］に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
［９］該植物ベースの起泡性水中油型乳化物の原料に動物性素材を含まない、［５］に記載の植物ベースの起泡性水中油型乳化物、
［１０］乳化剤含量が２質量％以下であり、植物性蛋白質素材を含む植物ベースの起泡性水中油型乳化物の製造方法であって、
構成脂肪酸中ステアリン酸を２０質量％以上含むステアリン酸含有油脂、及びオーツ麦由来オイルを該乳化物の油相中に含む、植物ベースの起泡性水中油型乳化物の製造方法、
に関するものである。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

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