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公開番号2024172657
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023090511
出願日2023-05-31
発明の名称緑茶飲料成型物の製造方法
出願人鹿児島県
代理人個人
主分類A23F 3/32 20060101AFI20241205BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】緑茶から抽出した緑茶浸出液に何ら添加物を使用することなく凍結乾燥して成型しても、淹れたての緑茶の緑色及び風味に近い緑茶飲料を簡便に調製できる緑茶飲料成型物の製造方法及び緑茶飲料成型物を提供する。
【解決手段】緑茶と2~30℃の水とを混合して得た混合液をマイナス30~マイナス10℃で冷凍した後、2~10℃で解凍して、緑茶浸出液を得て、当該緑茶浸出液を、凍結乾燥して製造することを特徴とする緑茶飲料成型物の製造方法。及び、水又は湯と混合して緑茶飲料を調製するための凍結乾燥された緑茶飲料成型物であって、緑茶成分を含有し、デキストリン、甘味料、及び薬品のいずれも添加しない無添加の緑茶飲料成型物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
緑茶と2~30℃の水とを混合して得た混合液をマイナス30~マイナス10℃で冷凍した後、2~10℃で解凍して、緑茶浸出液を得て、
当該緑茶浸出液を、凍結乾燥して製造することを特徴とする緑茶飲料成型物の製造方法。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記緑茶浸出液は、解凍後に茶殻を除いて得られることを特徴とする請求項1に記載の緑茶飲料成型物の製造方法。
【請求項3】
前記緑茶浸出液は、濃度が9.0重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の緑茶飲料成型物の製造方法。
【請求項4】
前記緑茶浸出液は、濃度が9.0重量%以上となるように、解凍後に凍結濃縮して得られることを特徴とする請求項3に記載の緑茶飲料成型物の製造方法。
【請求項5】
前記緑茶飲料成型物は、無添加で且つ、CIELCH色空間による明度(L*)が40~60、彩度(C*)が30~40、及び色相角度(h*)が95~110であることを特徴とする請求項1に記載の緑茶飲料成型物の製造方法。
【請求項6】
水又は湯と混合して緑茶飲料を調製するための凍結乾燥された緑茶飲料成型物であって、
緑茶成分を含有し、デキストリン、甘味料、及び薬品のいずれも添加しない無添加の緑茶飲料成型物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、緑茶浸出液を凍結乾燥した緑茶飲料成型物の製造方法及び緑茶飲料成型物に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に緑茶は、緑茶の葉や茎を湯や水に浸漬して、急須やフィルタで固形物すなわち茶殻を取り除いた浸出液として飲まれるが、急須やフィルタなどの器具が必要な上、生ゴミが発生するため、消費者が敬遠し、需要が減少している。そのため、緑茶の葉や茎が入ったティーバッグが開発されたが、浸出した後のティーバッグは生ゴミとして廃棄する必要がある。
【0003】
一方、抹茶や粉末緑茶は、器具を使わずに湯や水を注いで飲むことができ、その後のゴミも発生しない。しかし、粒子が粗い抹茶や粉末緑茶は、湯や水を混ぜて飲料する時に喉に不快な異物感を与え、また、粒子の細かい抹茶や粉末緑茶は、湯や水に混ざらずダマができるため茶筅で混ぜる必要がある。更に、抹茶や粉末緑茶に水を加えても、充分に浸出するには数時間かかる。
【0004】
そこで、湯や水を注いで、速やかに飲むことができる緑茶飲料として、インスタントの緑茶飲料粉末が知られているが、粉末は飛散しやすくカップに入れにくいため、より取り扱いしやすい緑茶飲料成型物が求められている。
一例として、特許文献1には、凍結乾燥された緑茶飲料固化物(緑茶飲料成形物に相当)が提案されている。また、特許文献2には、化学結合剤や薬品又は甘味料の添加を必要とせず、茶浸出液を凍結濃縮してから凍結乾燥する、茶を含む植物抽出物のタブレット調整システム及び方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-161383号公報
特開2021-69376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、緑茶飲料固化物が提案されているものの、成型性を良くしかつ吸湿しにくくするためにデキストリンを添加している。しかしながら、デキストリンを添加すると、緑茶本来の風味を変えてしまうという問題があった。また、特許文献1の技術では、緑茶を湯で浸出して緑茶浸出液を生成するが、加熱によるクロロフィルの分解、すなわち緑色から黄色への変色、及び、酸化による風味の変質が起こってしまうために、茶原料不溶性微粒子を添加して淹れたての緑茶の緑色及び風味に少しでも近づけている。しかしながら、添加しているデキストリンのマスキング機能により、あえて添加した茶原料不溶性微粒子からの風味が損なわれてしまうとの問題もあった。
【0007】
また、特許文献2の技術では、デキストリン等を添加せずに調整したタブレット茶が提案されているものの、緑茶を湯で浸出して緑茶浸出液を生成した場合には、色及び風味の変質が起こり、調整したタブレット茶では淹れたての緑茶の緑色や風味が再現できないという問題があった。また、特許文献2の技術では、水で浸出して緑茶浸出液を生成することも提案されているが、低温の水による浸出では、うま味の成分であるテアニンなどのアミノ酸類は多く浸出されても、渋みの成分であるエピガロカテキンガレート(EGCg)などのカテキン類は極端に少なく、うま味と渋みとの調和がとれないために、淹れたての緑茶の味わいが再現できず、調整したタブレット茶に湯を注いでも及び緑色及び風味のいずれも淹れたての緑茶に劣り、おいしく飲めないという問題があった。
【0008】
このように、凍結乾燥により生成されたタブレット茶や緑茶飲料固化物といった従来技術の緑茶飲料成型物では、淹れたての緑茶の緑色及び風味が再現された緑茶飲料を提供できなかった。
【0009】
そこで、本発明は、緑茶から抽出した緑茶浸出液に何ら添加物を使用することなく凍結乾燥して成型しても、淹れたての緑茶の緑色及び風味に近い緑茶飲料を簡便に調製できる緑茶飲料成型物の製造方法及び緑茶飲料成型物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するための研究を行い、緑茶を水で浸出するだけでなく、緑茶を水に浸出後これを冷凍して解凍した後に、緑茶浸出液を凍結乾燥することにより、無添加でも緑茶の緑色が変色することなく、渋み成分であるカテキン類の浸出量が水浸出より大幅に増加し、水だけでなく湯を注いでも直ぐにおいしく飲める緑茶飲料成型物を提供できることを見出だし、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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