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公開番号2025004895
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023104777
出願日2023-06-27
発明の名称不定形耐火物硬化体の製造方法、および、不定形耐火物
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 35/66 20060101AFI20250108BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】施工しやすく、所期の耐用性および耐熱スポーリング性を有する不定形耐火物硬化体を製造することのできる不定形耐火物硬化体の製造方法、および、不定形耐火物を提供する。
【解決手段】耐火物原料、水、および、空気量調整剤を混練して不定形耐火物を製造する混錬工程(ステップS2、S3、S4、S5)と、不定形耐火物を施工箇所に流し込み、施工箇所に流し込んだ不定形耐火物を養生し、乾燥させて施工箇所の形状に応じた形状の不定形耐火物硬化体に不定形耐火物を成形する成形工程(ステップS6)とを有している不定形耐火物硬化体の製造方法であって、混錬工程(ステップS2、S3、S4、S5)において、不定形耐火物の流動性の指標であるタップフロー値を150mm以上200mm以下にすると共に、不定形耐火物に含まれる空気量を、1体積%を超え10体積%以下にする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
耐火性のある耐火物原料、水、および、混入される空気量を調整する空気量調整剤を混練して混練物である不定形耐火物を製造する混錬工程と、前記不定形耐火物を施工箇所に流し込むと共に、前記施工箇所に流し込んだ不定形耐火物を養生し、乾燥させ、また、硬化させることによって前記施工箇所の形状に応じた形状の不定形耐火物硬化体に前記不定形耐火物を成形する成形工程とを有している不定形耐火物硬化体の製造方法であって、
前記混錬工程において、不定形耐火物の流動性の指標であるタップフロー値を、150mm以上200mm以下にすると共に、不定形耐火物に含まれる空気量を、1体積%以上10体積%以下にする不定形耐火物硬化体の製造方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記混錬工程は、不定形耐火物に含まれる空気量を測定する測定工程と、前記測定工程で測定した空気量が10体積%を超える場合に、前記不定形耐火物に前記空気量調整剤として消泡剤を追加で添加して混練することによって不定形耐火物に含まれる空気量を、1体積%以上10体積%以下に調整し、前記測定工程で測定した空気量が1体積%未満の場合に、前記不定形耐火物に前記空気量調整剤として空気連行剤を追加で添加して混練することによって不定形耐火物に含まれる空気量を、1体積%以上10体積%以下に調整する調整工程とを有する
請求項1に記載の不定形耐火物硬化体の製造方法。
【請求項3】
耐火性のある耐火物原料と、水と、混入される空気量を調整する空気量調整剤とを少なくとも有する流動性のある不定形耐火物であって、
流動性の指標であるタップフロー値は、150mm以上200mm以下であり、
混入される空気量は、1体積%以上10体積%以下である不定形耐火物。
【請求項4】
前記耐火物原料は、結合材、細骨材、粗骨材、および、カーボン原料を少なくとも含み、
前記空気量調整剤は、分散剤と、空気連行剤と、消泡剤とのうちの少なくとも一つを含む請求項3に記載の不定形耐火物。
【請求項5】
前記分散剤の添加量は、前記粗骨材を除いた前記耐火物原料の総量の1質量部以下であり、前記空気連行剤の添加量は、前記粗骨材を除いた前記耐火物原料の総量の0.1質量部以下であり、前記消泡剤の添加量は、前記粗骨材を除いた前記耐火物原料の総量の0.01質量部以下であり、前記水の添加量は、前記粗骨材を除いた前記耐火物原料の総量の10質量部以下である請求項4に記載の不定形耐火物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不定形耐火物硬化体の製造方法、および、不定形耐火物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
不定形耐火物硬化体は耐火性のある原料と混和剤と水となどを練り混ぜて構成される混練物(以下、不定形耐火物と記す。)を施工部位に流し込み、硬化させて成形された成形硬化体である。不定形耐火物硬化体の施工方法としては、例えば、流し込み施工、吹き付け補修、圧入施工などを挙げることができる。いずれの施工方法であっても不定形耐火物は流動性を有しているため、施工箇所の形状が複雑であったとしても比較的容易に施工できる。また、高度の熟練施工者がいないとしても、施工箇所に不定形耐火物を施工できる。そのため、耐火物として不定形耐火物硬化体の使用が将来、ますます増大することが予想される。
【0003】
不定形耐火物硬化体は高温の溶湯に曝されたり、溶融スラグによる浸食を受けたり、急劇な温度変化や物理的な衝撃などの影響を常に受けたりする過酷な条件で使用される。そのため、不定形耐火物硬化体には、高い耐用性、および、高い耐熱スポーリング性が求められている。
【0004】
従来知られている不定形耐火物硬化体の製造工程には、焼成工程がないため、耐火物れんがのような定型耐火物に比べて気孔率が高く、耐火物れんがと比較して耐用性が低くなる傾向がある。また、高気孔率に伴い、気孔径の不均一な分布が不定形耐火物硬化体の耐熱スポーリング性の低下に繋がる。特に、不定形耐火物に水との親和性が極めて低いカーボンが含有されている場合、流し込み施工時の不定形耐火物の流動性を確保するためには多量の水を必要とする。水の量が多い場合、不定形耐火物を乾燥させて水分を蒸発させた際に、不定形耐火物を硬化させて形成される成形硬化体すなわち不定形耐火物硬化体の内部に気孔が多く形成される。これにより、不定形耐火物硬化体の緻密度が低下して不定形耐火物硬化体の耐用性や耐熱スポーリング性が低下してしまう可能性がある。
【0005】
そこで、不定形耐火物硬化体の耐用性や耐熱スポーリング性を向上させることが従来検討されている。例えば、特許文献1には、不定形耐火物硬化体の耐熱スポーリング性を向上させることを目的とした不定形耐火物硬化体、および、その製造方法が記載されている。その製造方法では、粉体組成物に水、消泡剤、および、AE剤(Air Entraining Agent。空気連行剤と称されることがある。)を添加して混練することによって流動性のある不定形耐火物を製造し、これを硬化させて不定形耐火物硬化体を製造する。また、不定形耐火物硬化体に対してX線CT撮影(コンピューター断層撮影)を行う。そして、撮影した画像に基づいて上記のようにして製造した不定形耐火物硬化体の閉気孔率を算出している。なお、閉気孔とは、不定形耐火物硬化体の内部に形成された気孔のうち、不定形耐火物硬化体の外部に連通していない気孔を意味している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-92339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された製造方法では、混練段階において、粉体組成物に水、消泡剤、および、AE剤を加えて不定形耐火物硬化体の閉気孔率を制御することにより、不定形耐火物硬化体の耐熱スポーリング性を向上させている。しかしながら、不定形耐火物硬化体の気孔率や気孔体積に影響を与えるパラメータは複数ある。例えば、混練機の種類、原料の組み合わせ、水練り時間、温度によっても不定形耐火物(スラリー)に含まれる空気量が変化し、それに伴って当該不定形耐火物を乾燥させて製造される不定形耐火物硬化体の気孔率や気孔体積が変化する。また、不定形耐火物に含まれる空気量が変化すると、不定形耐火物の流動性が変化して施工性が向上したり悪化したりする。特許文献1に開示された製造方法では、不定形耐火物の施工性が考慮されておらず、また、不定形耐火物の混練段階において不定形耐火物硬化体の気孔率や気孔体積を予測することができないため、所期の耐用性および耐熱スポーリング性を有する不定形耐火物硬化体を製造することが難しかった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、施工しやすく、所期の耐用性および耐熱スポーリング性を有する不定形耐火物硬化体を製造することのできる不定形耐火物硬化体の製造方法、および、不定形耐火物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の目的を達成するために、
[1]耐火性のある耐火物原料、水、および、混入される空気量を調整する空気量調整剤を混練して混練物である不定形耐火物を製造する混錬工程と、前記不定形耐火物を施工箇所に流し込むと共に、前記施工箇所に流し込んだ不定形耐火物を養生し、乾燥させ、また、硬化させることによって前記施工箇所の形状に応じた形状の不定形耐火物硬化体に前記不定形耐火物を成形する成形工程とを有している不定形耐火物硬化体の製造方法であって、前記混錬工程において、不定形耐火物の流動性の指標であるタップフロー値を、150mm以上200mm以下にすると共に、不定形耐火物に含まれる空気量を、1体積%以上10体積%以下にする不定形耐火物硬化体の製造方法。
[2]前記混錬工程は、不定形耐火物に含まれる空気量を測定する測定工程と、前記測定工程で測定した空気量が10体積%を超える場合に、前記不定形耐火物に前記空気量調整剤として消泡剤を追加で添加して混練することによって不定形耐火物に含まれる空気量を、1体積%以上10体積%以下に調整し、前記測定工程で測定した空気量が1体積%未満の場合に、前記不定形耐火物に前記空気量調整剤として空気連行剤を追加で添加して混練することによって不定形耐火物に含まれる空気量を、1体積%以上10体積%以下に調整する調整工程とを有する[1]に記載の不定形耐火物硬化体の製造方法。
[3]耐火性のある耐火物原料と、水と、混入される空気量を調整する空気量調整剤とを少なくとも有する流動性のある不定形耐火物であって、流動性の指標であるタップフロー値は、150mm以上200mm以下であり、混入される空気量は、1体積%以上10体積%以下である不定形耐火物。
[4]前記耐火物原料は、結合材、細骨材、粗骨材、および、カーボン原料を少なくとも含み、前記空気量調整剤は、分散剤と、空気連行剤と、消泡剤とのうちの少なくとも一つを含む[3]に記載の不定形耐火物。
[5]前記分散剤の添加量は、前記粗骨材を除いた前記耐火物原料の総量の1質量部以下であり、前記空気連行剤の添加量は、前記粗骨材を除いた前記耐火物原料の総量の0.1質量部以下であり、前記消泡剤の添加量は、前記粗骨材を除いた前記耐火物原料の総量の0.01質量部以下であり、前記水の添加量は、前記粗骨材を除いた前記耐火物原料の総量の10質量部以下である[4]に記載の不定形耐火物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、流動性の良好な不定形耐火物を製造することができ、不定形耐火物の施工性を良好にすることができる。また、不定形耐火物に含まれる空気量を適正な範囲にすることができるため、成形工程において、所期の耐用性および耐熱スポーリング性を有する不定形耐火物硬化体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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