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公開番号2024171991
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089389
出願日2023-05-31
発明の名称蓄熱体の製造方法及び蓄熱体
出願人東京窯業株式会社
代理人個人
主分類C04B 41/85 20060101AFI20241205BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】炭化珪素質セラミックス焼結体を基体とする蓄熱体であって、熱交換特性、耐熱衝撃性、耐腐食性に優れると共に、珪酸系ガラスの酸化防止層を備えることなく耐酸化性が高められている蓄熱体の製造方法を提供する。
【解決手段】骨材としての炭化珪素、及び炭素源を含有する球状の成形体を単体珪素に埋設した状態で、非酸化性雰囲気で珪素の融点以上の温度で加熱することにより、単体珪素を珪素源とし前記炭素源との反応により炭化珪素を生成させつつ前記成形体を焼成すると共に、炭化珪素の粒子間の空隙に単体珪素を含浸させる焼成・含浸工程により、多孔質の炭化珪素質セラミックス焼結体である基体において、炭化珪素の粒子間の空隙が単体珪素で充填されている、球状の蓄熱体を製造する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
骨材としての炭化珪素、及び炭素源を含有する球状の成形体を単体珪素に埋設した状態で、非酸化性雰囲気で珪素の融点以上の温度で加熱することにより、単体珪素を珪素源とし前記炭素源との反応により炭化珪素を生成させつつ前記成形体を焼成すると共に、炭化珪素の粒子間の空隙に単体珪素を含浸させる焼成・含浸工程により、多孔質の炭化珪素質セラミックス焼結体である基体において、炭化珪素の粒子間の空隙が単体珪素で充填されている、球状の蓄熱体を製造する
ことを特徴とする蓄熱体の製造方法。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記焼成・含浸工程の後に、酸素の存在する雰囲気で加熱することにより、二酸化珪素である酸化膜を外表面に備える蓄熱体とする
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱体の製造方法。
【請求項3】
球状で、多孔質の炭化珪素質セラミックス焼結体である基体において、炭化珪素の粒子間の空隙が単体珪素で充填されている
ことを特徴とする蓄熱体。
【請求項4】
二酸化珪素である酸化膜を外表面に備えている
ことを特徴とする請求項3に記載の蓄熱体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの流路に配置されてガスと熱交換する蓄熱体の製造方法、及び、該製造方法により製造される蓄熱体に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ガスの流路に配置されてガスと熱交換する蓄熱体の例として、蓄熱式バーナ(リジェネバーナ)の熱交換部に配される蓄熱体を挙げることができる。蓄熱式バーナは、鍛造炉、熱処理炉、溶解炉、焼成炉などの工業炉において使用されているバーナであり、バーナの燃焼により高温となった排ガスと、バーナの燃焼のために新たに供給されるガスとを、交互に熱交換部に流通させるべく、ガスの流通方向が所定時間間隔で切り換えられる。熱交換部には多数の蓄熱体が充填されており、排ガスの熱は蓄熱体によって回収され、回収された熱によって、新たに供給されるガスが予熱される。
【0003】
蓄熱体としては、従前よりアルミナ製の中実ボールが多用されている。一方、アルミナ、コージェライト、ムライト等のセラミックスのハニカム構造体を、蓄熱体として使用する技術も提案されている。
【0004】
また、本出願人は、炭化珪素質セラミックス焼結体を基体とする蓄熱体を提案している(特許文献1参照)。炭化珪素は、セラミックスの中では熱伝導率が高い材料である。具体的には、アルミナ、コージェライト、及び、ムライトの熱伝導率は、それぞれ9~30W/m・K、0.6W/m・K、及び、1.5W/m・Kであるのに対し、炭化珪素の熱伝導率は75~130W/m・Kと高い。そのため、炭化珪素質セラミックス焼結体を基体とする蓄熱体は、熱交換の効率が高い。
【0005】
加えて、炭化珪素の熱膨張率は、4.0~4.5(×10
-6
/K)と小さい。すなわち、炭化珪素は、熱伝導率が高いと共に熱膨張率が小さいため、耐熱衝撃性に優れている。従って、炭化珪素質セラミックス焼結体を基体とする蓄熱体は、蓄熱と放熱との繰り返しに伴う温度変化を受け続ける蓄熱体として適している。
【0006】
ところが、炭化珪素は酸素が存在する雰囲気において高温下で使用されると、酸化してしまうという問題がある。そこで、特許文献1の技術では、炭化珪素質セラミックス焼結体であるハニカム構造の基体の表面に、珪酸系ガラスの酸化防止層を形成させるという手段を採用した。この珪酸系ガラスの層によって、基体の炭化珪素と酸素との接触が妨げられるため、炭化珪素の酸化が有効に抑制される。
【0007】
加えて、本出願人の検討の結果、珪酸系ガラスの酸化防止層を備えることによって、もともと耐熱衝撃性の高い炭化珪素より更に、耐熱衝撃性が高められることが判明した。これは、珪酸系ガラスが高温下で軟化し塑性変形する性質のために、亀裂の伸展が抑制されると共に、炭化珪素質セラミックス焼結体の脆性的な破壊が抑制されるためと考えられた。
【0008】
しかしながら、珪酸系ガラスが高温下で軟化する性質は、上記のように利点である反面、軟化したガラスによって、蓄熱体同士、あるいは蓄熱体とケーシングとが付着してしまうことがあった。特に、金属や合金を鋳造する現場で使用される蓄熱体は、フラックスに由来するアルカリ成分を含む雰囲気に置かれるため、アルカリ成分によって珪酸系ガラスがより軟化しやすく、軟化による付着がより生じやすい。このような付着が生じると、蓄熱体を交換したり、蓄熱体を熱交換部から取り出して洗浄したりするメンテナンスが行いにくいという不具合が生じる。また、蓄熱体が中実ボールである場合は、上記の付着によって、ガスを通過させるべき空隙が閉塞してしまい、熱交換率が低下するという問題がある。また、雰囲気中に含まれるダスト等の異物も軟化した珪酸系ガラスの層の表面に付着しやすく、このような異物の付着によってもガスを通過させるべき空隙の閉塞が生じ、熱交換率が低下するという問題がある。
【0009】
加えて、珪酸系ガラスの酸化防止層は、炭化珪素質セラミックス焼結体である基体とは異質な材料で形成されているため、基体から剥離してしまうことがある。酸化防止層が剥離してしまった蓄熱体では、当然ながら炭化珪素質セラミックス焼結体である基体の酸化が進行してしまう。
【0010】
また、上述したように、蓄熱体が使用されている現場でフラックスが使用されている場合、珪酸系ガラスの層が剥離した後の蓄熱体は、フラックスに由来する成分によって腐食され、脆くなる等により耐用期間が短くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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