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公開番号2024140261
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051316
出願日2023-03-28
発明の名称構造部材
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 41/87 20060101AFI20241003BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】熱膨張差に伴う保護膜の劣化を抑制することのできる構造部材、を提供する。
【解決手段】構造部材10は、基材100と、基材100の表面110を覆う保護膜200と、を備える。保護膜200を表面110に対し垂直に切断した場合の断面について、単位面積あたりにおいて空隙が占めている割合のことを空隙率としたときに、断面の一部である第1部分201における空隙率が、断面のうち第1部分201よりも基材100側の部分、である第2部分202における空隙率よりも小さい。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、
前記基材の表面を覆う保護膜と、を備え、
前記保護膜を前記表面に対し垂直に切断した場合の断面について、単位面積あたりにおいて空隙が占めている割合のことを空隙率としたときに、
前記断面の一部である第1部分における前記空隙率が、
前記断面のうち前記第1部分よりも前記基材側の部分、である第2部分における前記空隙率よりも小さいことを特徴とする構造部材。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記第1部分に含まれる各空隙の1つあたりの断面積の平均値は、
前記第2部分に含まれる各空隙の1つあたりの断面積の平均値よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の構造部材。
【請求項3】
前記第1部分における単位面積あたりの空隙の個数は、
前記第2部分における単位面積あたりの空隙の個数はよりも少ないことを特徴とする、請求項1に記載の構造部材。
【請求項4】
前記断面においては、前記基材から遠ざかるに従って前記空隙率が次第に小さくなっていることを特徴とする、請求項1に記載の構造部材。
【請求項5】
前記第1部分における前記保護膜の化学組成と、
前記第2部分における前記保護膜の化学組成と、が互いに同じであることを特徴とする、請求項1に記載の構造部材。
【請求項6】
前記第1部分における前記保護膜の結晶子サイズ、及び、
前記第2部分における前記保護膜の結晶子サイズが、いずれも50nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の構造部材。
【請求項7】
前記保護膜がエアロゾルデポジション法により形成された膜であることを特徴とする、請求項1に記載の構造部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は構造部材に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
基材の表面に保護膜を有する構造部材は、半導体製造装置等の様々な分野で用いられる。例えばプラズマエッチング装置においては、チャンバーの内壁を構成する基材の表面に、基材をプラズマから保護するための保護膜が形成されている。このような保護膜としては、例えば、イットリアのような酸化物セラミックスや、フッ化イットリウム等のフッ化物セラミックス等が用いられる。下記特許文献1に記載されているように、保護膜は、例えば物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、及びエアロゾルデポジション法等の種々の方法を用いて成膜される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/102075号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基材の表面に保護膜を形成する過程においては、保護膜の中に気泡が含まれてしまうことがある。例えば耐プラズマ性のような、保護膜の機能を十分に発揮させるためには、保護膜の中の気泡は無い方が望ましいと考えられている。このため、保護膜を成膜する際には、保護膜の中の気泡が可能な限り小さく、又は少なくなるような条件として、成膜条件を設定するのが一般的である。
【0005】
一方で、本発明者らが行った実験によれば、保護膜の全体を緻密に(つまり気泡を全く含まないように)形成し過ぎると、耐プラズマ性については十分に向上する一方で、温度変化時の熱膨張差に伴う保護膜の劣化が生じやすくなってしまう、という新たな課題が生じることが判明した。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐プラズマ性を確保しながらも、熱膨張差に伴う保護膜の劣化を抑制することのできる構造部材、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る構造部材は、基材と、基材の表面を覆う保護膜と、を備える。保護膜を表面に対し垂直に切断した場合の断面について、単位面積あたりにおいて空隙が占めている割合のことを空隙率としたときに、この構造部材では、断面の一部である第1部分における空隙率が、断面のうち第1部分よりも基材側の部分、である第2部分における空隙率よりも小さい。
【0008】
このような構造部材では、保護膜の空隙率が全体で一様とはなっておらず、厚さ方向の位置に応じて空隙率が異なっている。具体的には、相対的に表面側にある第1部分の空隙率が、基材側にある第2部分の空隙率よりも小さくなっている。
【0009】
このような構成においては、保護膜のうちプラズマに曝される表面側の部分では、空隙率が比較的小さくなっていることにより、例えば従来と同程度の耐プラズマ性を確保することができる。ここでいう「耐プラズマ性」とは、例えば、所定の条件で保護膜をプラズマに曝した後の、保護膜の劣化に伴う発塵を少なく抑える性能、のことである。
【0010】
保護膜のうち基材側の部分では、空隙率が比較的大きくなっていることで、他の部分に比べて弾性率が小さくなっている。つまり、変形を吸収しやすくなっている。このため、構造部材の温度変化時において、基材と保護膜との間で熱膨張差が生じると、保護膜のうち基材側の部分は基材に追従して変形するであるが、当該部分で生じる応力は比較的小さい。その結果、熱膨張差に伴う保護膜の劣化を、従来に比べて抑制することが可能となる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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