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公開番号2024145848
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058383
出願日2023-03-31
発明の名称電子部品
出願人TDK株式会社
代理人前田・鈴木国際特許弁理士法人
主分類C04B 35/195 20060101AFI20241004BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】低誘電率、高強度、高Q値の両立を実現することが可能な電子部品を提供すること。
【解決手段】ガラスセラミックス焼結体を含む電子部品である。ガラスセラミック焼結体は、コージェライト相およびインディアライト相の少なくとも一方を含む主相粒子と、主相粒子を覆うように存在するフォルステライト相を含む被覆層と、を有する。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
ガラスセラミックス焼結体を含む電子部品であって、
前記ガラスセラミック焼結体は、
コージェライト相およびインディアライト相の少なくとも一方を含む主相粒子と、
前記主相粒子を覆うように存在するフォルステライト相を含む被覆層と、を有する電子部品。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記主相粒子が、前記インディアライト相である請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記主相粒子の粒子サイズは、0.35μm以上である請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記被覆層の厚みは0.02μm以上である請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項5】
前記被覆層はウィレマイト相を含む請求項1または2に記載の電子部品
【請求項6】
前記被覆層におけるフォルステライト相とウィレマイト相との合計面積に対するウィレマイト相の面積割合が、1~73%である請求項5記載の電子部品。
【請求項7】
前記被覆層はCeまたはCuを含有する請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項8】
ガラスセラミックス焼結体を含む電子部品であって、
前記ガラスセラミック焼結体は、
Si、MgおよびAlを主成分として含む複合酸化物を含む主相粒子と、
前記主相粒子を覆うように存在し、Mg、SiおよびZnを主成分として含む複合酸化物を含む被覆層と、を有する電子部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばガラスセラミックス焼結体を含む電子部品に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
コンデンサ、インダクタ、あるいは基板などの電子部品に用いられるセラミックにおいては、内部導体と端子間に発生する浮遊容量を低減するため、低誘電率(ε)の材料(たとえば特許文献1などの組成物)を用いることが一般的である。
【0003】
近年の電子部品は、第5世代移動通信システムの発達により高周波特性が求められている。高周波特性が求められている電子部品は、浮遊容量によるノイズか懸念されるため、さらなる低誘電率化が要求されている。また近年では、電気自動車の発達により、低誘電率化と共に部品強度の向上が求められている。しかし、上記の特性を向上させるためコアとなる材料の組成の開発は進んでいるが、セラミック焼結体として用いる場合に、低誘電率、高強度、高Q値の両立は、依然として困難であり、生産化には至っていないことが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-168557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、低誘電率、高強度、高Q値の両立を実現することが可能な電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の好ましい態様に係る電子部品は、
ガラスセラミックス焼結体を含む電子部品であって、
前記ガラスセラミック焼結体は、
コージェライト相およびインディアライト相の少なくとも一方を含む主相粒子と、
前記主相粒子を覆うように存在するフォルステライト相を含む被覆層と、を有する。
【0007】
この態様に係る電子部品では、低誘電率、高強度、高Q値の両立を実現することが可能になる。その理由としては必ずしも明らかではないが、たとえば以下のように推測される。一般的に、コージェライト相およびインディアライト相、特にインディアライト相は、フォルステライト相に比較して、熱膨張係数が相対的に低い。したがって、熱膨張率が相対的に低い主相粒子を、熱膨張率が相対的に高い被覆層が覆うことで、主相粒子に応力がかかり続け、外部から応力をかけた際にクラックが進展しにくいため、低誘電率と高強度を両立することができると共に、Q値も高い状態を維持することができると考えられる。
【0008】
また、本発明の好ましい他の態様に係る電子部品は、
ガラスセラミックス焼結体を含む電子部品であって、
前記ガラスセラミック焼結体は、
Si、MgおよびAlを主成分として含む複合酸化物を含む主相粒子と、
前記主相粒子を覆うように存在し、Mg、SiおよびZnを主成分として含む複合酸化物を含む被覆層と、を有する。
【0009】
たとえば、コージェライト相またはインディアライト相となるように、Si、MgおよびAlを主成分として含む複合酸化物は、フォルステライト相となるようにMg、SiおよびZnを主成分として含む複合酸化物に比較して、熱膨張係数が相対的に低い。したがって、熱膨張率が相対的に低い主相粒子を、熱膨張率が相対的に高い被覆層が覆うことで、主相粒子に応力がかかり続け、外部から応力をかけた際にクラックが進展しにくいため、低誘電率と高強度を両立することができると共に、Q値も高い状態を維持することができると考えられる。
【0010】
好ましくは、主相粒子が、インディアライト相である。コージェライトに比較してインディアライトの方がQ値が高いことから、低誘電率と高強度を両立することができると共に、Q値がさらに向上する。
(【0011】以降は省略されています)

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