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公開番号
2024131611
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023041986
出願日
2023-03-16
発明の名称
窒化ケイ素板及びその製造方法
出願人
株式会社MARUWA
代理人
個人
主分類
C04B
35/587 20060101AFI20240920BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】厚さが小さいものも含みうる複数種の厚さの窒化ケイ素板を、割れ、凹み及び変形を抑制しつつ、面積の大小に関わらず効率よく得る。
【解決手段】複数種の厚さのグリーンシートを分離剤を介して積層して焼結し、焼結後の分離によって複数種の厚さの窒化ケイ素板を得ることを特徴とする窒化ケイ素板の製造方法である。複数種の厚さのグリーンシートのうち、少なくとも1種は厚さが0.15mm以下である第1のグリーンシートであり、かつ、少なくとも1種は厚さが0.2mm以上である第2のグリーンシートであり、表面に分離剤を塗布した前記第2のグリーンシートと、表面に分離剤を塗布しない前記第1のグリーンシートとを、交互に積層することが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
窒化ケイ素の出発原料を含む複数種の厚さのグリーンシートを分離剤を介して積層して焼成し、焼成後の分離によって複数種の厚さの窒化ケイ素板を得ることを特徴とする窒化ケイ素板の製造方法。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記出発原料が窒化ケイ素粉末又はシリコン粉末である請求項1記載の窒化ケイ素板の製造方法。
【請求項3】
前記複数種の厚さのグリーンシートのうち、少なくとも1種は厚さが0.15mm以下である第1のグリーンシートである請求項1記載の窒化ケイ素板の製造方法。
【請求項4】
前記複数種の厚さのグリーンシートのうち、少なくとも1種は厚さが0.2mm以上である第2のグリーンシートである請求項3記載の窒化ケイ素板の製造方法。
【請求項5】
前記第1のグリーンシートの表面には分離剤を塗布しない請求項3又は4記載の窒化ケイ素板の製造方法。
【請求項6】
前記第1のグリーンシート同士を連続して積層しない請求項3又は4記載の窒化ケイ素板の製造方法。
【請求項7】
複数種の厚さのグリーンシートのうち、少なくとも1種は厚さが0.15mm以下である第1のグリーンシートであり、かつ、少なくとも1種は厚さが0.2mm以上である第2のグリーンシートであり、
表面に分離剤を塗布した前記第2のグリーンシートと、表面に分離剤を塗布しない前記第1のグリーンシートとを、交互に積層する請求項1記載の窒化ケイ素板の製造方法。
【請求項8】
焼結した窒化ケイ素粒子を含有し、厚さが0.12mm以下であり、3点曲げ強度が600MPa以上であり、表面粗さSaが0.3μm以上である窒化ケイ素板。
【請求項9】
前記窒化ケイ素粒子が柱状のβ型窒化ケイ素粒子であり、前記表面粗さSaが2μm以上である請求項8記載の窒化ケイ素板。
【請求項10】
前記窒化ケイ素板の少なくとも1つの面は焼結上がり面である請求項8記載の窒化ケイ素板。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ケイ素板及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、パワーデバイスの高電力化や小型化に伴に、発熱部材とヒートシンクのギャップを埋めるための熱界面材料(TIM)の重要性が認識されている。TIMには、熱抵抗が低いこと、強度が高いこと、用途に応じて薄いこと等が要求される。
【0003】
現在、TIMとしては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ等の高熱伝導性のセラミックの粒子(フィラーと呼ばれる)を樹脂中に分散させた材料で成形したものが広く使われており、これは容易に薄く成形することができる。
【0004】
しかしながら、同材料からなるTIMにおいて、熱の伝播は粒子同士の接触点で行われるため、熱抵抗を減らすには粒子の充填密度を高めたいところ、樹脂中に分散させる以上限界があり、熱抵抗を現行以上に減らすことは難しい。
【0005】
そこで、熱抵抗がより低いTIMとして、セラミック板が検討されている(特許文献1)。本発明者らは、熱伝導性のみならず強度や破壊靭性も高い窒化ケイ素(Si
3
N
4
)の焼結板(以下単に「窒化ケイ素板」という。)に注目し検討している。
【0006】
窒化ケイ素板は、次の方法で製造するのが一般的である(特許文献2)。まず、窒化ケイ素粉末と焼結助剤とバインダーなどの有機成分を混合し、厚さ0.2~0.6mm程度のグリーンシートを成形する。次に、グリーンシートの表面に分離剤を塗布し、複数枚のグリーンシートを重ねた積層体を準備する。その積層体を焼成してグリーシートを緻密化した窒化ケイ素板とし、その後1枚毎に分離する。
【0007】
しかしながら、厚さが上記よりも小さい窒化ケイ素板を上記方法で直接製造することは、次の(ア)~(ウ)の点から困難であった。
【0008】
(ア)添加した焼結助剤の一部が、液相を形成したり、揮発し、拡散したりすることで、積層体のグリーンシート同士をわずかに融着させることが問題となる。窒化ケイ素板にある程度の厚さがある場合は、この融着を引き剥がすことが可能である。しかしながら、窒化ケイ素板の厚さが例えば0.1mmと小さい場合は、わずかに融着した窒化ケイ素板同士を引き剥がす際にかかる応力によって、割れが生じてしまう。また、目視では割れが確認できなくとも、微細なクラックが生じており、曲げ強度の低下が確認されることもあった。
【0009】
(イ)窒化ケイ素板同士の融着を回避するためには、グリーンシートの表面に塗布する分離剤の量を増加させることが考えられる。しかしながら、積層工程で使用される分離剤としては、有機溶剤を含む窒化ホウ素(BN)スラリー又は窒化ケイ素ペーストが一般的である。そのため、分離剤の塗布量を増加させると、その有機溶剤が薄いグリーンシートに添加されたバインダー成分を溶かしてしまい、グリーンシートの変形原因となる。
【0010】
(ウ)さらには、過剰に塗布した分離剤が塊となって、積層したグリーンシート間に存在しやすくなり、その塊が凹みや割れの不良につながってしまう。
(【0011】以降は省略されています)
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