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公開番号
2024122102
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-09
出願番号
2023029453
出願日
2023-02-28
発明の名称
多孔質炭素板およびその製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C04B
35/83 20060101AFI20240902BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】本発明により、燃料電池用ガス拡散層に用いられる多孔質炭素板であって、電解質膜が損傷する原因となる毛羽立ちが少ない多孔質炭素板およびその製造方法を提供できる。
【解決手段】炭素短繊維紙に熱硬化性樹脂を含浸させて熱硬化性樹脂含浸炭素短繊維紙を作製する樹脂含浸工程と、前記熱硬化性樹脂含浸炭素短繊維紙からなる前駆体をプラスチックフィルムを介して1~80段積層し、またその上下をさらにプラスチックフィルムで挟み込んだ積層体を、100℃以上かつ前記プラスチックフィルムの融点よりも20℃以上低い温度で加熱加圧して成形品を作製するプレス工程と、前記成形品を加熱し熱硬化性樹脂を樹脂炭化物とすることで炭素短繊維が樹脂炭化物で結着された多孔質炭素板を作製する焼成工程と、を備える多孔質炭素板の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素短繊維紙に熱硬化性樹脂を含浸させて熱硬化性樹脂含浸炭素短繊維紙を作製する樹脂含浸工程と、前記熱硬化性樹脂含浸炭素短繊維紙からなる前駆体をプラスチックフィルムを介して1~80段積層し、またその上下をさらにプラスチックフィルムで挟み込んだ積層体を、100℃以上かつ前記プラスチックフィルムの融点よりも20℃以上低い温度で加熱加圧して成形品を作製するプレス工程と、前記成形品を加熱し熱硬化性樹脂を樹脂炭化物とすることで炭素短繊維が樹脂炭化物で結着された多孔質炭素板を作製する焼成工程と、を備える多孔質炭素板の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)
【請求項2】
前記前駆体1段が前記熱硬化性樹脂含浸炭素短繊維紙1枚からなる、または前記熱硬化性樹脂含浸炭素短繊維紙を2~20枚積層したものからなる請求項1に記載の多孔質炭素板の製造方法。
【請求項3】
前記プラスチックフィルムの融点が155~300℃である請求項1に記載の多孔質炭素板の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂含浸工程で、炭素短繊維紙100質量部に対して熱硬化性樹脂が50~500質量部となるよう熱硬化性樹脂を含浸させる請求項1に記載の多孔質炭素板の製造方法。
【請求項5】
前記焼成工程で前記成形品を最高温度2,000~2,700℃で焼成し、また1,000℃から前記最高温度までの昇温速度が0.1~4℃/分である請求項1に記載の多孔質炭素板の製造方法。
【請求項6】
炭素短繊維が樹脂炭化物で結着された多孔質炭素板であって、以下(1)~(5)の手順で行うテープテストで測定した毛羽量が0.1~2.0%である多孔質炭素板。
(1)多孔質炭素板の表面に粘着力が3.75mN/mm
2
で無色透明な粘着性テープを貼り付ける。
(2)前記粘着性テープを貼り付けた面を上面とし、前記粘着性テープ全体を23℃の温度下で6.3kPaの圧力で5秒間加圧保持する。
(3)前記多孔質炭素板に対し垂直方向に前記粘着性テープを10mm/secの速度で引きはがす。
(4)前記粘着性テープを、粘着面を下面として白色の台紙に貼り付け、光学顕微鏡で撮影する。
(5)撮影画像について、二値化処理(画像処理ソフトで設定される0~255階調の画素値が215以下である部分を塗りつぶすとした)し、前記粘着面の面積における塗りつぶされた面積の割合を算出し、その割合を毛羽量とする。
【請求項7】
厚さが0.28~2.5mmである請求項6に記載の多孔質炭素板。
【請求項8】
密度が0.3~1.0g/cm
3
である、請求項6または7に記載の多孔質炭素板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池や水電解装置に用いられる多孔質炭素板であって、電解質膜の損傷の原因となる毛羽の発生を抑制した多孔質炭素板およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
固体高分子型電解質膜を持つ燃料電池や水電解装置は、電解質膜の一方の面にアノード電極、もう一方の面にカソード電極を配置して電解質膜を挟んだ構造(膜電極接合体:MEA)を有している。
【0003】
アノード電極およびカソード電極は、電解質膜側に貴金属系触媒を担持した電極触媒層と、その電極触媒層に積層されるガス拡散層とで構成されている。特に燃料電池に用いられるガス拡散層は、発電時の燃料ガスおよび酸化ガスを電解質膜に供給しやすくするため、気体透過性が求められる。また、MEA構成時に各部材と接触性を向上させるため、厚み均一性の高い部材が求められる。
【0004】
上記特性を有するガス拡散層の部材として、炭素短繊維を炭化物で結着させた多孔質炭素板が広く用いられている。多孔質炭素板は主に樹脂含浸工程、プレス工程、焼成工程を含む製造方法で製造される。
【0005】
樹脂含浸工程では、炭素短繊維紙に熱硬化性樹脂を含浸させ、シート状の中間製品である熱硬化性樹脂含浸炭素短繊維紙を得る。次に樹脂含浸工程で、この熱硬化性樹脂含浸炭素短繊維紙からなる前駆体をプレス工程で加圧成形することで、厚みを均一化した成形品を得る。焼成工程では上記成形品を高温で焼成し、熱硬化性樹脂を炭化させることで多孔質炭素板を得る。
【0006】
中でもプレス工程は多孔質炭素板の厚みを均一にする重要な工程であり、安価かつ量産性の高い方法として、上記前駆体を離型用のシートを介して多段積層し、加圧成形する方法が広く用いられている。上記離型用のシートとしては離形剤を塗布した金属プレートや離型紙、プラスチックフィルム等が提案されているが、金属プレートはそれ自体の凹凸が転写することで多孔質炭素板の厚み不良を招き、離型紙は水分を吸水して変形するため、多孔質炭素板にシワが発生する問題があり、また高価である。そのため、プレス工程では厚み均一性を確保できるプラスチックフィルムが広く使用されている(特許文献3)。
【0007】
上記のようなプラスチックフィルムを使用するプレス工程において、熱で軟化したプラスチックフィルムが成形品に結着し、それらを引きはがすことで多孔質炭素板の表面に炭素繊維の毛羽が度々発生する。毛羽が生じた多孔質炭素板を用いてMEAを構成すると、電極触媒層を介して毛羽が電解質膜を損傷し、その箇所を起点として電解質膜が劣化、燃料電池の発電性能の低下を招くおそれがある。
【0008】
このような毛羽立ちによる電解質膜の損傷を抑制するために、多孔質炭素板を圧縮し毛羽を除去する方法や、多孔質炭素板の表面を吸引し毛羽を除去する方法がある。例えば特許文献1では、ロール間に多孔質炭素板を圧入することで毛羽を除去する方法が記載されている。また、特許文献2では、多孔質炭素板を圧縮するとともに、さらに毛羽立ちが発生した面を吸引することで毛羽を除去する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2016-143468号公報
特開2013-145640号公報
特開2009-62249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1、2に記載されているような製造方法では、多孔質炭素板の製造後に毛羽を除去する工程が必要となるため、特に厚さが厚く剛性が高い多孔質炭素板の場合は、毛羽の除去時に加わる物理的な力により、多孔質炭素板が破損するおそれがあった。また、表面の毛羽の除去が十分でなく、電解質膜を損傷して燃料電池の性能が低下するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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