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公開番号2025082344
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023195596
出願日2023-11-17
発明の名称織物および織物の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D03D 5/00 20060101AFI20250522BHJP(織成)
要約【課題】製織時の耳フレアの発生を抑制し、コーティング工程での皺発生を抑制し、均一塗布性に優れ、さらに裁断時の位置ズレを抑えることが可能な高品位な高密度織物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】合成繊維からなる織物であって、カバーファクターが2000以上であり、該織物の少なくともいずれか一方の耳部において、織物端部から2~7mmの範囲内に経糸密度の第一の極大値WP1を有し、織物端部から7~15mmの範囲内に経糸密度の第二の極大値WP2を有し、かつ地部の経糸密度Nwに対してWP1/Nwが1.20~1.35、WP2/Nwが1.1~1.2であることを特徴とする、織物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
合成繊維からなる織物であって、カバーファクターが2000以上であり、該織物の少なくともいずれか一方の耳部において、織物端部から2~7mmの範囲内に経糸密度の第一の極大値WP1を有し、織物端部から7~15mmの範囲内に経糸密度の第二の極大値WP2を有し、かつ地部の経糸密度Nwに対してWP1/Nwが1.20~1.35、WP2/Nwが1.1~1.2であることを特徴とする、織物。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
エアバッグ用織物である、請求項1に記載の織物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の織物を製造するための製造方法であって、製織時に織物を把持するための織機用テンプル装置を用い、前記織機用テンプル装置は基布の両耳を把持するリングテンプル装置と織物把持棒によって織物全体を把持する全幅テンプル装置とを備え、前記全幅テンプル装置は前記リングテンプル装置よりも巻き取り側に配置され、前記織物把持棒は左ネジ部と右ネジ部の両方を有することを特徴とする、織物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、織物および織物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、耳フレアが小さく高品位な高密度の織物と、そのような織物を製織するための織物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
スポーツ分野や産業資材用途等において、織物は、高品位化(たとえば高強度化、撥水性向上、低通気度化、縫い目ずれ改善等)を目的として、密度を高くする需要が高まっている。また、織機の性能向上とともに、高密度な織物を汎用化するためのコスト競争が激しくなっている。そのため、高密度製織技術の開発が必要となっている。
【0003】
例えば、自動車のエアバッグは、一般に、150~600dtexの合成繊維を用いた平織物からなる布帛に、耐熱性、難燃性、空気遮断性などの特性を向上させるために、シリコーンなどの樹脂を塗布又は積層した基布(いわゆるコート布)を製造し、これを裁断し、袋体に縫製して作られる。また、基布には樹脂を付与せずに、ポリアミド繊維等の合成繊維フィラメント糸を高密度に製織することで布帛の通気量を小さくして使用される、いわゆるノンコート布がある。
【0004】
織物は、密度が高くなると、製織時の経糸と緯糸との摩擦が高くなる。そのため、筬打ち時に、緯糸は、打ち込まれにくくなる。その結果、織機上の織物が形成される織り前は、筬方向に移動し、「迫出し」が生じる。特に、高密度の織物は、迫出しが大きくなるため、その結果、織機の振動が大きくなり、経糸にかかる負荷が増加して毛羽や糸切れを誘発しやすくなる。また密度が高くなると、緯糸の挿入スペースが小さくなるため、緯糸の挿入ミスにより、製造作業は、中断されやすい。
【0005】
また迫出しが大きくなると、基布耳部の経糸緩みが大きくなり、耳部と中央部との布長差が生じ、耳端部が波打ち状態になるフレア(「耳たぶり」とも言う)が発生する。フレアの発生は、織物の利用において様々な不都合を生じる。例えば、エアバッグ用織物は、裁断、縫製されて袋体に作られる。この場合、エアバッグ用織物を最大限有効利用するため、裁断パターンが設計され、通常、耳端部またはその近傍まで使用される。裁断品の端はほつれやすいため、耳端部近傍部にフレアが発生していると裁断不良を生じやすい。その結果、エアバッグとしての所望の正確な形状が得られず、必要とされる機能も有しなくなる。また、織物を製造した後に、コーティングを行う場合は、フレアが生じると、地部と耳部でコーティング樹脂の塗布量に差が生じたり、巻取り時の耳部の皺発生の原因にもなる。
【0006】
迫出しや耳フレアの発生を防止するための種々の試みとして、合成繊維織物からなるエアバッグ用基布において、織物の耳部の経糸の繊度を、基布の本体の経糸の繊度より細くする方法(特許文献1)や、絡み糸の他に増糸を挿入する方法または絡み糸の組織を変更する方法(特許文献2~5)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平10-236253号公報
特開2001-355143号公報
特開2002-212856号公報
特開2002-69790号公報
特開2022-147171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の記載の技術によれば、耳部に繊度の細い糸を使用するため、経糸ビームを巻くときに繊度差によりビーム表面に凹凸が生じ、製織時の送り出される経糸に緩みが発生するという問題があった。特許文献2~4に記載の技術によれば、織物の耳端部に挿入する絡み糸、増糸を調整するため、端部領域の迫出しおよびフレアが充分に抑制されないという問題があった。また特許文献5に記載の技術はリングテンプルで製織する技術であり、カバーファクターが2000未満のコーティングエアバッグの耳フレアの発生を抑制できるが、カバーファクターが2000以上の高密度織物を製織する場合は迫出しが大きくなり、耳裂けなどが発生しやすく製織が困難にあるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、製織時に発生する迫出しを抑制し、耳フレアが小さく高品位な高密度織物を提供することを目的とする。また本発明は、迫出しを小さくすることにより、上記高品位な高密度織物を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は下記(1)の構成を有する。
(1)合成繊維からなる織物であって、カバーファクターが2000以上であり、該織物の少なくともいずれか一方の耳部において、織物端部から2~7mmの範囲内に経糸密度の第一の極大値WP1を有し、織物端部から7~15mmの範囲内に経糸密度の第二の極大値WP2を有し、かつ地部の経糸密度Nwに対してWP1/Nwが1.20~1.35、WP2/Nwが1.1~1.2であることを特徴とする、織物。
かかる本発明の織物において、好ましくは、以下(2)の構成を有することである。
(2)エアバッグ用織物である、上記(1)に記載の織物。
(【0011】以降は省略されています)

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