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公開番号2025095565
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211652
出願日2023-12-15
発明の名称プロペラブレード、および、その製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 70/42 20060101AFI20250619BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】
生産性と高い強度信頼性を両立し得るプロペラブレードを提供すること。
【解決手段】
強化繊維が一軸配向または多軸に配向された繊維強化複合材料が積層され、プロペラ形状に賦形された部材を有するプロペラブレードであって、該部材は、強化繊維が一軸配向された繊維強化複合材料の層を少なくとも1層有し、かつ、強化繊維が一軸配向された繊維強化複合材料の層のうち、強化繊維がプロペラブレードの翼端から根元方向(翼長方向)に対して60°以上の角度を有して配向されている層については、原材料であるシート状のプリプレグに切込みを加えて成形を行い、少なくともプロペラブレードの根元部分において、強化繊維が繊維長10~100mmで断続されていることを特徴とする、プロペラブレードとする。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
強化繊維が一軸配向または多軸に配向された繊維強化複合材料が積層され、プロペラ形状に賦形された部材を有するプロペラブレードであって、該部材は、強化繊維が一軸配向された繊維強化複合材料の層を少なくとも1層有し、かつ、強化繊維が一軸配向された繊維強化複合材料の層のうち、強化繊維がプロペラブレードの翼端から根元方向(翼長方向)に対して60°以上の角度を有して配向されている層については、少なくともプロペラブレードの根元部分において、強化繊維が繊維長10~100mmで断続されていることを特徴とする、プロペラブレード。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
翼根本から翼長の30%以内の領域において、垂直断面外周の最大値と最小値の比が1.2以上である請求項1に記載のプロペラブレード。
【請求項3】
強化繊維が一軸配向または多軸に配向された複数のシート状のプリプレグを積層して積層プリプレグを得る工程(第1の工程)と、該積層プリプレグをプロペラ形状に賦形する工程(第2の工程)と、該積層プリプレグをプロペラブレード成形型内で加熱硬化させる工程(第3の工程)とを有するプロペラブレードの製造方法であって、強化繊維が一軸配向されたシート状のプリプレグのうち、強化繊維がプロペラブレードの翼端から根元方向(翼長方向)に対して60°以上の角度を有して配向された強化繊維を含むプリプレグにあっては、少なくともプロペラブレードの根元に対応する部分おいて、該プリプレグに含まれる強化繊維は繊維長10~100mmで断続されていることを特徴とする、プロペラブレードの製造方法。
【請求項4】
第2の工程において、積層プリプレグに張力を付与しながら前記積層プリプレグの表面に圧力を加え、プロペラブレードスキンの外層側表面の形状もしくは内層側表面の形状に賦形することを特徴とする、請求項3に記載のプロペラブレードの製造方法。
【請求項5】
第2の工程において、積層プリプレグを予熱してプロペラ形状に賦形することを特徴とする請求項3または4に記載のプロペラブレードの製造方法。
【請求項6】
第2の工程は、プロペラブレードスキンの外層側表面の形状を有する型と内層側表面の形状を有する型との間に積層プリプレグを配置し、前記2つの型で積層プリプレグを挟み圧接してプロペラ形状に賦形する工程であり、かつ、前記2つの型で積層プリプレグを圧接する前に、内層側表面の形状を有する型にのみ積層プリプレグの一部を接触せしめた状態とし、その後に圧接を行うことを特徴とする請求項3または4に記載のプロペラブレードの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロペラブレードに関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
プロペラブレードは、翼形状を有し、駆動軸を中心に回転することで空気を後方へ押しやり推力を得る。効率良く空気を後方へ押しやるため、プロペラブレードでは根元から翼端に向かって迎え角や翼弦方向長さが変化する複雑な形状となっている。
【0003】
プロペラブレード重量の削減は航空機のペイロード増加及び航続距離の増加に寄与するため、高強度で高剛性な繊維強化材料が構造材として使用されるが、プロペラブレードは前述の通り複雑な形状を有するため、その成形における難易度は高く、ハイビルトレートでの生産は困難である。
【0004】
一方で近年ではUrban Air Mobility(UAM)や、ドローン等多数のプロペラブレードを有する機体が盛んに開発されており、今後プロペラブレードを従来以上にハイビルトレートで生産する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-97542号公報
特開2007-261141号公報
国際公開第2017/159567号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年開発されているUAMやドローンでは多数のプロペラブレードを有する機体が開発されている。これらの機体では航続距離、時間増加のため、軽量化ニーズが高く、一機体当たりの搭載数が多いプロペラブレードについて、特に軽量化ニーズが高い。この軽量化ニーズに応えるため、プロペラブレードには高比強度・高比剛性である繊維強化複合材料が適用されている。
【0007】
繊維強化複合材料製のプロペラブレードを製造する場合、あらかじめ強化繊維基材に樹脂を含浸させたプリプレグを用いると、成形時の繊維撚れを抑制でき、また成形品の重量ばらつきも抑えられ高い品質のプロペラブレードを作製することができる。
【0008】
プリプレグを用いたプロペラブレードの成形工程は、基材の切り出し、賦形、加熱加圧硬化の順に実施される。これらの工程の中で、特に賦形工程がプロペラブレード成形の上で難易度が高く生産レートのボトルネックとなりやすい工程となっている。プロペラブレード翼弦方向長さ、迎え角、翼形の曲面形状が翼長方向に連続的に変化する成形品に対し、連続繊維からなるプリプレグを皺なく配置することは極めて困難である。 プロペラブレードのサイズは大きくとも数m程度であるため、多くの場合手作業での賦形が実施されている。手作業で賦形作業を実施する場合、作業時間がかかり、手作業による作業のばらつきが生じる。
【0009】
このような背景から賦形工程の自動化ニーズは高い。賦形の自動化の方法として、ホットフォーミングによる自動賦形方法があげられる。ホットフォーミングではプリプレグ積層体温度を所望の温度まで昇温し、樹脂粘度を下げることにより積層体の硬さを制御し賦形性を向上させ自動で賦形を実施する手法である。
【0010】
ホットフォーミングを実施することである程度の形状まではプリプレグ積層体を賦形することは可能であるが、プロペラブレードのように翼弦方向長さ、迎え角、翼形の曲面形状が翼長方向に連続的に変化する成形品に対しては、連続繊維が突っ張るため、プリプレグを皺なく配置することは極めて困難である。
(【0011】以降は省略されています)

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