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公開番号2025112738
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2024007162
出願日2024-01-22
発明の名称ポリオレフィン微多孔膜
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 9/26 20060101AFI20250725BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
優れた出力特性と高強度、低収縮率を有するポリオレフィン微多孔膜を提供する。
【解決手段】
微多孔膜の一方の表面と他方の表面の開孔の平均面積S(nm2)について、開孔の平均面積を小さい方からSa、Sbとしたとき、400≦Sa≦2000、400≦Sb≦2000、および、0.9≦Sa/Sb≦1.0を満たす、ポリオレフィン微多孔膜。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
微多孔膜の一方の表面と他方の表面の開孔の平均面積S(nm

)について、開孔の平均面積を小さい方からSa、Sbとしたとき、400≦Sa≦2000、400≦Sb≦2000、および、0.9≦Sa/Sb≦1.0を満たす、ポリオレフィン微多孔膜。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
微多孔膜の一方の表面と他方の表面の開孔率X(%)について、開孔率を小さい方からXa、Xbとしたとき、10≦Xa≦20、10≦Xb≦20、および、0.9≦Xa/Xb≦1.0を満たす、請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項3】
微多孔膜の一方の表面と他方の表面の開孔数N(個/μm

)について、開孔数を小さい方からNa、Nbとしたとき、0.9≦Na/Nb≦1.0と50≦Na≦200、および、50≦Nb≦200を満たす、請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項4】
ポリオレフィン微多孔膜の重量平均分子量が8.0×10

以上である、請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項5】
ポリオレフィン微多孔膜の原料樹脂における重量平均分子量1.0×10

以下のポリオレフィンの含有量が40質量%未満であり、重量平均分子量1.5×10

以上のポリオレフィンの含有量が30質量%以上である、請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン微多孔膜に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン微多孔膜は、フィルター、燃料電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ等として用いられている。特にノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、デジタルカメラ等に広く使用されるリチウムイオン電池等の非水電解液二次電池用のセパレータとして好適に使用されている。その理由は、ポリオレフィン微多孔膜が優れた機械強度やシャットダウン特性、イオン透過性能を有していることが挙げられる。
【0003】
近年リチウムイオン電池は車載用途で使用されるため、充電時間の短縮や加速性の向上が必要であり、電池の要求特性として急速充電(大電流充電)や消費電力増加(大電流放電)が求められる。それに伴いセパレータへの要求事項として出力特性の改善も一層高いものとなってきている。
また、自動車の航続距離増加に伴い電池の高容量化が進み、セパレータの薄膜化が一層求められている。しかし、セパレータを薄膜化すると強度が低下するため、電極や異物による短絡(耐異物性の低下)や電池が衝撃を受けた際に破膜(耐衝撃性の低下)が起こりやすく、電池の性能維持特性が低下する。加えて、高出力における充放電は電池の発熱が大きく、セパレータの収縮による電池の短絡(ショート)が起こりやすくなる。そのため、従来よりもさらなる高強度、低収縮率、及び高出力特性の並立が求められる。
出力特性を改善する手法として、特許文献1には、ポリオレフィン微多孔膜を構成する樹脂としてポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)をブレンドしたものを用いることで、気孔率を増加するとともに、孔数と平均孔径と曲路率を制御し、イオン伝導性を改善する手法が開示されている。
特許文献2には、ポリオレフィン微多孔膜の表面と内部の孔構造を制御することで、電解液に対する濡れ性及び膜中での電解液の保持性を向上させ、サイクル特性などの電池特性を改善する手法が開示されている。
特許文献3には、ポリオレフィン微多孔膜表面の小孔径部と大孔径部の比率を適切に制御することで出力特性を改善する手法が開示されている。
特許文献4には、ポリプロピレン微多孔膜の結晶化温度を制御することで、ポリプロピレン微多孔膜表面の開口状態の差を小さくし、セパレータとしての抵抗と出力特性を改善する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-140840号公報
特開2012-48987号公報
特開2021-105166号公報
特開2011-116835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているようなポリオレフィン微多孔膜は、出力特性を改善するために空孔率を増加し、孔数および貫通孔を増加するといった孔構造を制御する必要がある。そのため、十分な強度と、収縮率を低下させることができず、出力特性と性能維持特性の両立に対して不十分であった。
特許文献3に記載されているようなポリオレフィン微多孔膜は、出力特性を改善するために延伸倍率を上げ、表面の孔径分布における小孔径部の比率を大きく、大孔径部の比率を小さくする必要がある。そのため、十分に収縮率を低下させることができず、出力特性と性能維持特性の両立に対して不十分であった。
特許文献4に記載されているようなポリオレフィン微多孔膜は、出力特性を改善するためにポリプロピレンの結晶化温度を制御することで表面開口径と表裏の表面開口径を制御している。しかし、内部抵抗を小さくするために表面開口径を大きくする必要があり、デンドライトによる短絡等の性能維持特性と出力特性の両立が不十分であった。
上記事情に鑑み、本発明は、表面の開孔構造を制御することで従来よりも低い延伸倍率で優れた出力特性と、良好な性能維持特性(高強度、低収縮率)を有するポリオレフィン微多孔膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らはポリオレフィン微多孔膜の表面の開孔部の表裏差を少なくすることで、従来に比べて、出力特性、強度に優れたポリオレフィン微多孔膜が得られることを見出した。さらに、本発明者らは、ポリオレフィン微多孔膜のキャスト工程において冷却ロールに接しない面を溶媒で冷却することで表面の開孔部の表裏差が低減することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
上記課題を解決するために、目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)微多孔膜の一方の表面と他方の表面の開孔の平均面積S(nm

)について、開孔の平均面積を小さい方からSa、Sbとしたとき、400≦Sa≦2000、400≦Sb≦2000、および、0.9≦Sa/Sb≦1.0を満たす、ポリオレフィン微多孔膜。
(2)微多孔膜の一方の表面と他方の表面の開孔率X(%)について、開孔率を小さい方からXa、Xbとしたとき、10≦Xa≦20、10≦Xb≦20、および、0.9≦Xa/Xb≦1.0を満たす、(1)に記載のポリオレフィン微多孔膜。
(3)微多孔膜の一方の表面と他方の表面の開孔数N(個/μm

)について、開孔数を小さい方からNa、Nbとしたとき、0.9≦Na/Nb≦1.0と50≦Na≦200、および、50≦Nb≦200を満たす、(1)または(2)に記載のポリオレフィン微多孔膜。
(4)ポリオレフィン微多孔膜の重量平均分子量が8.0×10

以上である、(1)~(3)のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜。
(5)ポリオレフィン微多孔膜の原料樹脂における重量平均分子量1.0×10

以下のポリオレフィンの含有量が40質量%未満であり、重量平均分子量1.5×10

以上のポリオレフィンの含有量が30質量%以上である、(1)~(4)のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば電池用セパレートとして用いた場合、高い出力特性と高い性能維持特性を付与し、電池の小型化、高出力化に寄与することが可能なポリオレフィン微多孔膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のポリオレフィン微多孔膜を製造する一実施態様に係る、ゲル状シートに冷却剤を吹き付ける工程を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明に係るポリオレフィン微多孔膜の実施形態について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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