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公開番号2025134111
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2024031798
出願日2024-03-04
発明の名称多層積層フィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 7/023 20190101AFI20250909BHJP(積層体)
要約【課題】 本発明は、A層とC層の間に位置する中間層B層に非晶性の熱可塑性樹脂を用いた構成でありながら、正面方向の可視光透過性と広帯域近赤外線反射性と、斜め方向の可視光透過性の機能を併せ持った多層積層フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 誘電率が大きい順にA層、B層、C層としたときに、A層/B層/C層/B層の順に配列された繰り返しユニット構造を有し、全ての前記繰り返しユニット構造のうち、合計層厚みが250nm以上630nm以下となるものが80%以上であり、前記B層が非晶性であり、多層積層フィルム中の層厚み1000nm以下の層において、前記B層の合計厚み(DB)に対する前記A層の合計層厚み(DA)の比(X=DA/DB)が1.00≦X≦1.40を満足し、前記B層の合計厚みに対する前記C層の合計厚み(DC)の比(Y=DC/DB)が0.6≦Y≦1.1を満足し、かつ下記(1)式を満足する、多層積層フィルム。 Y≦1.125×X-0.475 (1)式
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
誘電率が大きい順にA層、B層、C層としたときに、A層/B層/C層/B層の順に配列された繰り返しユニット構造を有し、全ての前記繰り返しユニット構造のうち、合計層厚みが250nm以上630nm以下となるものが80%以上であり、
前記B層が非晶性であり、
多層積層フィルム中の層厚み1000nm以下の層において、前記B層の合計厚み(DB)に対する前記A層の合計層厚み(DA)の比(X=DA/DB)が1.0≦X≦1.40を満足し、前記B層の合計厚みに対する前記C層の合計厚み(DC)の比(Y=DC/DB)が0.6≦Y≦1.1を満足し、かつ下記(1)式を満足する、多層積層フィルム。
Y≦1.125×X-0.475 (1)式
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
面直方向の誘電率において、前記A層の誘電率をxA、前記B層の誘電率をxB、前記C層の誘電率をxC、xD=(xA×xC)
1/2
としたときに、xD×0.95<xB<xD×1.01である、請求項1に記載の多層積層フィルム。
【請求項3】
フィルム面に、その法線とのなす角が60°となるように光を入射させたときの波長400nm~650nmの範囲における平均反射率が35%以下である、請求項1または2に記載の多層積層フィルム。
【請求項4】
フィルム面に、その法線とのなす角が10°となるように光を入射させたときに、波長850nm~1600nmの範囲内に、少なくとも波長60nmにわたって連続して反射率が40%以上である帯域を有する、請求項1~3のいずれかに記載の多層積層フィルム。
【請求項5】
フィルム面に垂直に入射した可視光の平均透過率が70%以上100%以下である、請求項1~4のいずれかに記載の多層積層フィルム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の多層積層フィルムの一方の面にハードコート層を有し、反対面に粘着層を有する、多層積層フィルム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の多層積層フィルムが、透明支持体の少なくとも一方の面または透明支持体間に位置する、遮熱部材。
【請求項8】
透明支持体、粘着層、請求項1~6のいずれかに記載の多層積層フィルム、及びハードコート層をこの順に有し、前記粘着層が紫外線吸収剤を0.1質量%以上10質量%以下含み、かつ前記ハードコート層がスズドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化スズ、六ホウ化ランタン、セシウム酸化タングステン、及びフタロシアニン化合物を合計で0.1質量%以上30質量%以下含む、遮熱部材。
【請求項9】
透明支持体、粘着層1、請求項1~6のいずれかに記載の多層積層フィルム、粘着層2、及び透明支持体をこの順に有し、前記粘着層1と前記粘着層2の少なくとも一方が紫外線吸収剤を0.1質量%以上10質量%以下含み、かつ前記粘着層1と前記粘着層2の少なくとも一方がスズドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化スズ、六ホウ化ランタン、セシウム酸化タングステン、及びフタロシアニン化合物を合計で0.1質量%以上30質量%以下含む、遮熱部材。
【請求項10】
請求項7~9のいずれかに記載の遮熱部材を具備する、建築物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、A層とC層の間に位置する中間層B層に非晶性の熱可塑性樹脂を用いた構成でありながら、正面方向の可視光透過性と広帯域近赤外線反射性と、斜め方向の可視光透過性の機能を併せ持った多層積層フィルム、及び、当該多層積層フィルムを用いた遮熱部材、建築物、交通機関、電子機器に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境保護による二酸化炭素排出規制を受けて、夏場の外部、特に太陽光による熱の流入を抑制できる熱線カットガラスが、自動車や電車などの乗り物、建物の窓ガラスとして注目されている。このような熱線カットガラスの一例として、ガラス中や合わせガラスに用いられる中間膜中に熱線吸収材を含有させ、熱線吸収材にて熱線(近赤外線)を遮断するもの(例えば、特許文献1)、スパッタなどにより金属膜をガラス表面上に形成し近赤外線を反射させて遮断するもの(例えば、特許文献2)、屈折率の異なるポリマー層が交互に積層されたポリマー多層積層フィルムをガラスや中間膜の間に挿入して近赤外線を反射させることにより遮断するもの(例えば、特許文献3)などがある。
【0003】
この中で、熱線吸収材を用いる方法では、外部から入射される太陽光が熱エネルギーに変換されるため、生じた熱が室内へと放射されて熱線カット効率が低下する問題がある。加えて、熱線吸収材が近赤外線を吸収することで部分的にガラス温度が上昇し、外気温との差によりガラス本体が破損する場合もある。また、スパッタなどにより金属膜をガラス表面上に形成する方法では、近赤外線に加え可視光も反射するために着色しやすく、かつ電磁波も遮蔽するために内部で通信機器などが使用できない場合もある。
【0004】
一方、ポリマー多層積層フィルムは、その層厚みを制御して、反射する波長を選択できるため、近赤外線を選択的に反射することができ、可視光線透過性を維持しつつ熱線カット性能を向上させることができる。また、金属など電波を遮断する成分を含まないために、優れた電波透過性を保持したものとなる。そのポリマー多層積層フィルムにおいて、異なる3種類以上の熱可塑性樹脂層を積層することによって、従来の2種類の熱可塑性樹脂層を交互に積層した積層フィルムと比較して、可視光の透過性を維持しながら、より近赤外線反射波長を広帯域化したもの(例えば、特許文献4)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-17854号公報
特開2001-310407号公報
国際公開第2005/040868号
特開2022-163716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献4に記載された多層積層フィルムのようにA層とC層の間に位置する中間層B層に非晶性の熱可塑性樹脂を用いた構成では、正面方向の可視光透過性と広帯域の近赤外線反射性を備えるが、斜め方向の可視光透過性が低下する。そのため、該多層積層フィルムを遮熱部材として建築物や交通機関の窓に適用した際に、斜め方向から窓を介して視認した際の視認性が低下する課題があった。また、このような多層積層フィルムにおいては、B層に結晶性の熱可塑性樹脂を用いて特定の積層構成とすることで、正面方向の可視光透過性と広帯域の近赤外線反射性と、斜め方向の可視光透過性の機能を併せ持たせることが出来るが、B層の熱可塑性樹脂の選択に制約が生じる課題や、多層積層フィルム中の層間密着性が低い傾向を示す課題が存在する。
【0007】
すなわち本発明は、A層とC層の間に位置する中間層B層に非晶性の熱可塑性樹脂を用いた構成でありながら、正面方向の可視光透過性と広帯域の近赤外線反射性、及び斜め方向の可視光透過性を併せ持った多層積層フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決せんとするものである。すなわち本発明は、誘電率が大きい順にA層、B層、C層としたときに、A層/B層/C層/B層の順に配列された繰り返しユニット構造を有し、全ての前記繰り返しユニット構造のうち、合計層厚みが250nm以上630nm以下となるものが80%以上であり、前記B層が非晶性であり、多層積層フィルム中の層厚み1000nm以下の層において、前記B層の合計厚み(DB)に対する前記A層の合計層厚み(DA)の比(X=DA/DB)が1.0≦X≦1.4を満足し、前記B層の合計厚みに対する前記C層の合計厚み(DC)の比(Y=DC/DB)が0.6≦Y≦1.1を満足し、かつ下記(1)式を満足する、多層積層フィルムである。
Y≦1.125×X-0.475 (1)式。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、A層とC層の間に位置する中間層B層に非晶性の熱可塑性樹脂を用いた構成でありながら、正面方向の可視光透過性と広帯域の近赤外線反射性、及び斜め方向の可視光透過性を併せ持った多層積層フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の多層積層フィルムの繰り返しユニット構造を説明する模式図。
A層、B層、C層の入射角度に対する屈折率の変化を説明する模式図。
本発明の一実施態様に係る遮熱部材を説明する概略図。
本発明の一実施態様に係る遮熱部材を説明する概略図。
本発明の一実施態様に係る遮熱部材を説明する概略図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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