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公開番号2025158228
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-17
出願番号2024060570
出願日2024-04-04
発明の名称ポリエステルフィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 7/046 20200101AFI20251009BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高い耐削れ性を有し、フィルムやその加工品の上に設けるセラミックグリーンシートなどのシートに生じるピンホール発生抑止に優れるポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも片面(A面)における、基準面から高さ20nm以上となる範囲の平均弾性率Ga、A面全体の平均弾性率Gbの関係が、以下の式(i)を満たすポリエステルフィルム。
(i) 0.1≦Ga/Gb<1.0
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも片面(A面)における、基準面から高さ20nm以上となる範囲の平均弾性率Ga、A面全体の平均弾性率Gbの関係が、以下の式(i)を満たすポリエステルフィルム。
(i)0.10≦Ga/Gb<1.00
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記基準面から高さ20nm以上となる範囲の平均弾性率Gaが0.10GPa以上2.00GPa以下である、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記基準面から高さ20nm以上となる範囲の平均弾性率Ga、基準面と、基準面から高さ5nm以下となる範囲の平均弾性率Gcの関係が、以下の式(ii)を満たす請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
(ii)0.05≦Ga/Gc≦1.00
【請求項4】
基準面と、基準面から高さ5nm以下となる範囲の平均弾性率Gcが0.50GPa以上4.00GPa以下である、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記A面の投影面積Sbに対する、前記基準面から高さ20nm以上となる範囲の投影面積Saが、以下の式(iii)を満たす、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
(iii)0.01≦Sa/Sb≦0.50
【請求項6】
前記A面をテープ低速走行試験機を用いて垂直に荷重300gをかけた状態で、ステンレス製片刃を1mm押し込み、走行速度5mm/secで100mm走行させた後、片刃に付着した粉を集め、粉の融点を測定した時の融点が30℃以上250℃以下である、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項7】
ISO25178に準拠して求めた前記A面の最大山高さSpが10nm以上1000nm以下である、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項8】
ISO25178に準拠して求めた前記A面のクルトシスSkuが20以上300以下である、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項9】
積層セラミックコンデンサーの製造工程においてセラミックグリーンシートの支持体として用いられる、請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項10】
固体電解質製造用支持体として用いられる請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の特性を有する面を少なくとも片面に設けたポリエステルフィルムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステルはその加工性の良さから、様々な工業分野に利用されている。また、これらポリエステルをフィルム状に加工した製品は工業用途、光学製品用途、包装用途、磁気記録テープ用途など今日の生活において重要な役割を果たしている。中でも、昨今のスマートデバイス、電気自動車、IoTの進化により、各機器に搭載されるCPUなどの電子デバイスが急激に増加し、それに伴い電子デバイスを駆動するために重要な積層セラミックコンデンサー(MLCC)の小型化・高容量化が進んでいる。MLCCの一般的な製造方法は、ポリエステルフィルムを基材とし、該基材上に離型層を設けた離型フィルム上に、セラミックグリーンシートと電極を積層して乾燥して固めた後、該積層体を離型フィルムから剥離し複数層を積層し、焼成するというものである。
【0003】
特許文献1では、ポリエステルフィルムとポリエステルフィルムの片面に離型剤、架橋剤および微粒子を含有する硬化樹脂層を備える積層ポリエステルフィルムを巻き取ってなるポリエステルフィルムロールが開示されている。また、特許文献2では、ポリエステルフィルムおよび架橋剤、バインダー樹脂、粒子を含有する硬化樹脂層を有するフィルムを巻き取ってなるポリエステルフィルムロールが開示されている。さらに、特許文献3では、ポリエステル樹脂を含むコア層とその片面または両面にポリエステル樹脂および粒子を含むスキン層を少なくとも一層以上含む多層ポリエステルフィルムから選択されるポリエステルフィルムであって、平均粒径が0.01~2.0μmからなる粒径が大きい粒子Aと小さい粒子Bを含み、粒径の比、粒度分布を制御したポリエステルフィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-111662号公報
特開2022-146448号公報
特開2019-111811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2に記載された技術の場合、高い平滑性を有しているものの、表層に硬化樹脂層を形成しているため、フィルムやその加工品をセラミックグリーンシートの支持体として用いる場合において、セラミックグリーンシートにフィルム表面の凹凸が転写し表面欠陥となりやすい。特許文献3に記載の技術の場合、スキン層が粒子とポリエチレンテレフタレートからなるため、ポリエステルフィルム表面の耐削れ性に改良の余地がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、高い耐削れ性を有し、フィルムやその加工品の上に設けるセラミックグリーンシートなどのシートに生じるピンホール発生抑止に優れるポリエステルフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のポリエステルフィルムの好ましい一態様は次の構成を有する。
(1)少なくとも片面(A面)における、基準面から高さ20nm以上となる範囲の平均弾性率Ga、A面全体の平均弾性率Gbの関係が、以下の式(i)を満たすポリエステルフィルム。
(i)0.10≦Ga/Gb<1.00
(2)前記基準面から高さ20nm以上となる範囲の平均弾性率Gaが0.10GPa以上2.00GPa以下である、(1)に記載のポリエステルフィルム。
(3)前記基準面から高さ20nm以上となる範囲の平均弾性率Ga、基準面と、基準面から高さ5nm以下となる範囲の平均弾性率Gcの関係が、以下の式(ii)を満たす(1)または(2)に記載のポリエステルフィルム。
(ii)0.05≦Ga/Gc≦1.00。
(4)基準面と、基準面から高さ5nm以下となる範囲の平均弾性率Gcが0.50GPa以上4.00GPa以下である、(1)~(3)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(5)前記A面の投影面積Sbに対する、前記基準面から高さ20nm以上となる範囲の投影面積Saが、以下の式(iii)を満たす、(1)~(4)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(iii)0.01≦Sa/Sb≦0.50
(6)前記A面をテープ低速走行試験機を用いて垂直に荷重300gをかけた状態で、ステンレス製片刃を1mm押し込み、走行速度5mm/secで100mm走行させた後、片刃に付着した粉を集め、粉の融点を測定した時の融点が30℃以上250℃以下である、(1)~(5)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(7)ISO25178に準拠して求めた前記A面の最大山高さSpが10nm以上1000nm以下である、(1)~(6)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(8)ISO25178に準拠して求めた前記A面のクルトシスSkuが20以上300以下である、(1)~(7)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(9)積層セラミックコンデンサーの製造工程においてセラミックグリーンシートの支持体として用いられる、(1)~(8)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(10)固体電解質製造用支持体として用いられる(1)~(8)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い耐削れ性を有し、フィルムやその加工品の上に設けるセラミックグリーンシートなどのシートに生じるピンホール発生抑止に優れるポリエステルフィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に具体例を挙げつつ、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明のポリエステルフィルムとは、ポリエステルを主成分とするフィルムを示すものを意味する。ここでいう主成分とはフィルムの全成分100質量%において、50質量%を超えて含有している成分である。
(【0011】以降は省略されています)

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