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公開番号2025145694
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024046013
出願日2024-03-22
発明の名称加飾用フィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20250926BHJP(積層体)
要約【課題】 本発明は、かかる従来技術の問題点を改良し、金属を用いずに広い視野角で金属調を発現させ、様々な視野角から見た際の色調の変化を抑制する加飾用フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と前記熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に合計51層以上積層された構成を有し、下記条件1及び2を満たす、加飾用フィルム。
条件1:少なくとも片面の表面粗さRzjisが5μm~100μmである。
条件2:入射角を45°とし、受光角を-70°~70°の範囲において5°間隔で設定したときに、波長400nm~700nmの範囲における分光反射率係数の平均値が1以上となる受光角の範囲幅が20°以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と前記熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に合計51層以上積層された構成を有し、下記条件1及び2を満たす、加飾用フィルム。
条件1:少なくとも片面の表面粗さRzjisが5μm~100μmである。
条件2:入射角を45°とし、受光角を-70°~70°の範囲において5°間隔で設定したときに、波長400nm~700nmの範囲における分光反射率係数の平均値が1以上となる受光角の範囲幅が20°以上である。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
波長帯域400nm~800nmにおける平均透過率が60%以下である、請求項1に記載の加飾用フィルム。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂A及び前記熱可塑性樹脂Bがポリエステル樹脂である、請求項1または2に記載の加飾用フィルム。
【請求項4】
熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と前記熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に合計51層以上積層された構成を有してなるフィルムを、シボ加工されたプレートあるいはエンボスロールの凹凸を転写することで、表面粗さRzjisを5μm~100μmに調整する、加飾用フィルムの製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の加飾用フィルムを用いてなる、成型体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠性に優れる加飾用フィルムおよびそれを用いた成型体に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりにより、建材、自動車部品、携帯電話、及び電機製品などの分野において、溶剤レス塗装、メッキ代替の加飾方法などの要望が高まっており、フィルムを使用した加飾方法の導入が進んでいる。そして、金属調や高光沢調の加工は高い意匠性を演出することができるためニーズが高い。また、各種電子デバイスに赤外線センサーを搭載することが多くなっており、赤外線の透過性を担保しつつ、外部からセンサーが見えなくするような加飾のニーズも存在する。
【0003】
フィルムを用いて金属調の加飾を施す方法としては、真空蒸着法またはスパッタリング法、イオンプレーティング法などの方法を利用してフィルムにアルミニウムやインジウム、クロム等を主成分とする意匠層を形成し、これを対象部材に転写する方法が知られている。また、別の方法としては、屈折率が異なる2種以上の材料を光の波長レベルの層厚みで交互に積層させることにより発現する光の干渉現象を利用して、可視光を高反射し、近赤外光を高透過する光干渉多層膜を対象部材に形成することで金属調の外観を実現する方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、上記のような金属調フィルムの意匠性を向上させる方法として、金属調フィルムの表層にハードコート層を施し、ハードコート層にスクラッチ加工を施して押出し加工した金属調の意匠を付与するフィルムが提案されている(特許文献2)。さらに、金属調フィルムを用いた加飾成型体の射出成型時に、金属調フィルムの表面に金型に施されたテクスチャーを転写させ意匠性を向上させた成型品を得る方法も提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-210142号公報
特開2007-290360号公報
国際公開第2010/053142号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の金属調フィルムは正反射方向に対しては反射光量が多いものの、正反射方向からずれると急激に反射光量が低下し暗く見える点で課題がある。特許文献2のフィルムには、スクラッチ加工により表面の光沢度が低下したり、視認する方向によって色調が変わったりする課題があった。また、特許文献3の方法によるテクスチャーの転写は、キャビティ内を流動する射出樹脂の熱と圧力で行うため、テクスチャーの転写を均一に行うことが困難であり、転写ムラに伴う金属調の変化を生じるという課題があった。本発明は、かかる従来技術の問題点を改良し、金属を用いずに広い視野角で金属調を発現させ、様々な視野角から見た際の色調の変化を抑制する加飾用フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の加飾用フィルムは以下の構成よりなる。すなわち、熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と前記熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に合計51層以上積層された構成を有し、下記条件1及び2を満たす、加飾用フィルムである。
条件1:少なくとも片面の表面粗さRzjisが5μm~100μmである。
条件2:入射角を45°とし、受光角を-70°~70°の範囲において5°間隔で設定したときに、波長400nm~700nmの範囲における分光反射率係数の平均値が1以上となる受光角の範囲幅が20°以上である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、金属を用いずに広い視野角で金属調を発現させ、様々な視野角から見た際の色調の変化を抑制する加飾用フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の加飾用フィルムを得るための、プレス機(シボ加工されたプレート)を用いた凹凸加工プロセスの一例を示す模式図である。
本発明の加飾用フィルムを得るための、エンボスロールを用いた凹凸加工プロセスの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の加飾用フィルムは、熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と前記熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に合計51層以上積層された構成を有し、下記条件1及び2を満たす、加飾用フィルムである。
条件1:少なくとも片面の表面粗さRzjisが5μm~100μmである。
条件2:入射角を45°とし、受光角を-70°~70°の範囲において5°間隔で設定したときに、波長400nm~700nmの範囲における分光反射率係数の平均値が1以上となる受光角の範囲幅が20°以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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