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公開番号2025139051
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024037772
出願日2024-03-12
発明の名称ポリエステル組成物の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08G 63/85 20060101AFI20250918BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 高濃度の二酸化チタンを含有するポリエステルの製造工程において二酸化チタンの凝集を抑制することで、粗大粒子が少なく、ポリエステルを溶融成形する際に使用する濾過フィルターあるいは溶融ポリマー流路の閉塞や、成形品の耐久性低下等が起こりにくい、ポリエステル組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】 ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、ならびにジオールを主原料としてポリエステル組成物を製造するに際して、主原料のエステル反応によって中間体のビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレートを得た後から重縮合反応を開始するまでの間に、得られるポリエステル組成物に対して1~40質量%の二酸化チタンを添加する液層重縮合プロセスにおいて、二酸化チタンの添加より前に、カルシウム元素を含む化合物を元素換算で15~60ppm添加するポリエステル組成物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、ならびにジオールを主原料としてポリエステル組成物を製造するに際して、
主原料のエステル反応によって中間体のビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレートを得た後から重縮合反応を開始するまでの間に、得られるポリエステル組成物に対して1~40質量%の二酸化チタンを添加する液層重縮合プロセスにおいて、
二酸化チタンの添加より前に、カルシウム元素を含む化合物を元素換算で15~60ppm添加するポリエステル組成物の製造方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記カルシウム元素を含む化合物が、酢酸カルシウム一水和物である請求項1記載のポリエステル組成物の製造方法。
【請求項3】
前記液層重縮合プロセスが、
2つのエステル反応槽と1つの重縮合反応槽を備え、1つ目のエステル反応槽、2つ目のエステル反応槽、重縮合反応槽の順に使用する3槽式バッチ重縮合プロセスであって、
1つ目のエステル反応槽にカルシウム元素を含む化合物を添加して、
その後1つ目のエステル反応槽と2つ目のエステル反応槽に二酸化チタンを分割して添加する請求項1または請求項2に記載のポリエステル組成物の製造方法。
【請求項4】
蛍光増白剤を添加する、請求項3記載のポリエステル組成物の製造方法。
【請求項5】
主原料にリサイクルで得られた原料を使用する請求項3記載のポリエステル組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はポリエステル組成物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、高濃度に二酸化チタンを含有するポリエステル組成物の製造工程において粗大粒子の生成を抑制し、成形工程の通過性に優れたポリエステル組成物の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、耐久性や加工性等その優れた特性ゆえに、繊維用、フィルム用をはじめ様々な分野で広く用いられている。このポリエステルについて、特に繊維用途においては、離型性や防透性等の機能を付与する目的で二酸化チタンを含有させることが一般的に知られており、この二酸化チタンがポリエステルの用途展開における一つのキーアイテムとなっている。
【0003】
この二酸化チタンについては、粒子の表面に電荷を持っており、それゆえ二酸化チタンの粒子同士で凝集が起こりやすく、特に多量に含有させる場合にはこの二酸化チタンの凝集が起こらないよう意識する必要がある。これは、二酸化チタンの凝集物が、ポリエステルを溶融成形する際に使用する濾過フィルターあるいは溶融ポリマー流路の閉塞や、成形品の耐久性低下等を引き起こすためである。
二酸化チタンの凝集対策はこれまでも検討が成されているようであり、例えば特許文献1には、二酸化チタンの凝集抑制を一つの目的として、コバルト、カルシウム、マンガン、マグネシウムからなる化合物を添加する技術が提案されている。確かに、これら化合物には二酸化チタンの凝集抑制効果があると考えられるが、一方で二酸化チタンとこれら化合物の添加するタイミングも同様に重要であり、該方法ではその添加タイミングについては検討がなされておらず、特に高濃度の二酸化チタンを含有するポリエステルの凝集抑制策としては不十分である。
【0004】
また特許文献2,3には、二酸化チタンを含む不活性粒子を高濃度含有させる技術が提案されているが、該方法においても粒子の凝集抑制を目的とする添加物の選定や添加タイミングの検討は成されておらず、粒子の凝集抑制策としては不十分である。
【0005】
以上のように、二酸化チタンの分散性を向上させ粒子同士の凝集を抑制する方法の検討は以前より成されているが、二酸化チタンと添加物の添加タイミングまでを意識し、その最適化が検討された例は無く、特に高濃度の二酸化チタンを含有するポリエステルにも十分な効果を奏する製造方法は未だ得られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特公昭60-17291号公報
特開2015-045026号公報
特表2019-094374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記背景を鑑み成されたものであり、高濃度の二酸化チタンを含有するポリエステルの製造過程において二酸化チタンの凝集を抑制することで、粗大粒子が少なく、ポリエステルを溶融成形する際に使用する濾過フィルターあるいは溶融ポリマー流路の閉塞や、成形品の耐久性低下等が起こりにくい、ポリエステル組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは従来技術では解決できなかった前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明は、主原料にジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、ならびにジオールを主たる原料としてポリエステル組成物を製造するに際し、二酸化チタンを1~40質量%添加し、且つ主原料のエステル反応によって中間体のビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレートを得た後から重縮合反応を開始するまでの段階で二酸化チタンを添加する液層重縮合プロセスにおいて、二酸化チタンの添加より前の段階で、カルシウム元素を含む化合物を元素換算で15~60ppm添加するポリエステル組成物の製造方法により達成できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来成しえなかった高濃度の二酸化チタンを含有するポリエステルの製造過程において、適正量のカルシウム元素(イオン)を添加し反応系内に共存させることにより二酸化チタンの凝集が抑制でき、これにより粗大粒子が少なく、ポリエステルを溶融成形する際に使用する濾過フィルターあるいは溶融ポリマー流路の閉塞や、成形品の耐久性低下等が起こりにくい、ポリエステル組成物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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