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公開番号2025101752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2024228235
出願日2024-12-25
発明の名称ポリエステル融着延伸仮撚加工糸
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D02G 1/02 20060101AFI20250630BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】 カチオン可染なポリエステルマルチフィラメントからなり、シャリ感やドライ感、かつソフトな風合いを有した織編み物を与え得るポリエステル融着延伸仮撚加工糸を提供する。
【解決手段】 ポリエステルマルチフィラメントからなる融着延伸仮撚加工糸であって、撚り方向と同一方向の未解撚部と撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部とが交互に繊維の長手方向に存在し、A~Cを満足するポリエステル融着延伸仮撚加工糸。A.金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分をポリエステルの全ジカルボン酸に対して0.6~2.5モル%含有。B.繊維の長手方向に存在する未解撚部の長さの割合が1.0~20.0%。C.オーバー解撚部における単糸間融着率が0~20.0%。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステルマルチフィラメントからなる融着延伸仮撚加工糸であって、
撚り方向と同一方向の未解撚部と撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部とが交互に繊維の長手方向に存在し、
下記A~Cを満足するポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
A.金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分をポリエステルの全ジカルボン酸に対して0.6~2.5モル%含有
B.繊維の長手方向に存在する未解撚部の長さの割合が1.0~20.0%
C.オーバー解撚部における単糸間融着率が0~20.0%
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
ポリエステルマルチフィラメントの単糸繊度が0.3~1.5dtexである、請求項1記載のポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
【請求項3】
DSCにより測定される200℃以上の吸熱ピークを2個以上有する、請求項1のポリエステルマルチフィラメント融着延伸仮撚加工糸。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン可染なポリエステルマルチフィラメントからなり、シャリ感やドライ感、かつソフトな風合いを有した織編み物を与え得るポリエステル融着延伸仮撚加工糸に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
合成繊維は、機械的特性をはじめ、様々な優れた特性から一般衣料用分野をはじめ各種分野に広く利用されている。衣料用途では、編織物にした際にシャリ感やドライ感を有した麻調素材として、ポリエステル融着延伸仮撚加工糸が多く提案されている。
これらは、仮撚加工時に加撚されたマルチフィラメントが加熱により軽く融着し、撚りが固定、集束した撚り方向と同一方向の未解撚部と撚り方向とは反対方向に過剰に解撚されたオーバー解撚部を交互に糸の長手方向に存在させ、未解撚部の長さと割合によって、肌触り、風合いおよび編織物の模様表現を変化させることが可能である。その中でも、撚り形態や実撚部の存在比率をコントロールすることで、ハリコシ感、ドライ感を付与させた融着仮撚加工糸が種々提案されている。(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
さらに、ポリエステルマルチフィラメントの発色性改良を目的に、カチオン可染成分を共重合することによって、発色性に優れたカチオン可染ポリエステル融着仮撚加工糸が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-70508号公報
特開2020-63542号公報
特開2013-181250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3記載の方法にて得たカチオン可染ポリエステル融着延伸仮撚加工糸は未解撚比率が高く、捲縮部の嵩高性、ソフト性も乏しいことから、編織物ではハリコシが強く、肌触りも硬い素材となった。特許文献1,2記載の方法を用いて未解撚比率を下げたが、カチオン可染成分を共重合したポリマーのみを用いているため、融点が低いことに起因し単糸間が融着しやすく、オーバー解撚部の単糸間融着率が高くなり、依然として編織物とした際にソフトな風合いを得られなかった。
そこで本発明は、カチオン可染なポリエステルマルチフィラメントからなり、かつシャリ感やドライ感、かつソフトな風合いを有した織編み物を与え得るポリエステル融着延伸仮撚加工糸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を採用する。
1.融着延伸仮撚加工糸であって、撚り方向と同一方向の未解撚部と撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部とが交互に繊維の長手方向に存在し、下記A~Cを満足するポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
A.金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分をポリエステルの全ジカルボン酸に対して0.6~2.5モル%含有
B.繊維の長手方向に存在する未解撚部の長さの割合が1.0~20.0%
C.オーバー解撚部における単糸間融着率が0~20.0%
2.ポリエステルマルチフィラメントの単糸繊度が0.3~1.5dtexである、上記1.のポリエステル融着延伸仮撚加工糸。
3.DSCにより測定される200℃以上の吸熱ピークを2個以上有する、上記1.のポリエステルマルチフィラメント融着延伸仮撚加工糸。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、融着延伸仮撚加工糸が従来もつ適度なシャリ感とドライ感に加え、ソフトな風合いと染色後の鮮やかな高発色性を発現させることができるポリエステル融着延伸仮撚加工糸が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸を例示説明するための模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のポリエステル融着延伸仮撚加工糸は、カチオン可染なポリエステルマルチフィラメントからなる融着延伸仮撚加工糸であって、撚り方向と同一方向の未解撚部と、撚り方向とは反対方向のオーバー解撚部とが交互に繊維の長手方向に存在している。
【0010】
本発明に用いる原料ポリマーはポリエステルであり、ポリエステルの主成分は、機械的性質と布帛風合いの観点からテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体及びエチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を、エステル化またはエステル交換反応させた後に得られるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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