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公開番号
2025101730
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2024202044
出願日
2024-11-20
発明の名称
積層フィルム
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
27/36 20060101AFI20250630BHJP(積層体)
要約
【課題】 本発明は、金属調意匠性、成型性、及び赤外線透過性に優れ、かつ高温多湿環境下での白化抑制効果を有する積層フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着層、樹脂層(X層)をこの順に有する積層フィルムであって、前記ポリエステルフィルムのいずれかの面に積層されたX層の厚みをTxi(μm)、前記積層フィルムの85℃における貯蔵弾性率をDra(MPa)、130℃における貯蔵弾性率をDfa(MPa)としたときに、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする、積層フィルムである。
式(1)Dra×Txi≧3.0×10
3
式(2)Dfa≦2.20×10
3
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着層、樹脂層(X層)をこの順に有する積層フィルムであって、
前記ポリエステルフィルムのいずれかの面に積層されたX層の厚みをTxi(μm)、前記積層フィルムの85℃における貯蔵弾性率をDra(MPa)、130℃における貯蔵弾性率をDfa(MPa)としたときに、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする、積層フィルムである。
式(1):Dra×Txi≧3.0×10
5
式(2):Dfa≦2.20×10
3
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
損失正接のピーク温度をTδi(℃)としたときに、下記式(3)を満たすTδi及び下記式(4)を満たすTδiが少なくとも1つずつ存在することを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
式(3):130≦Tδi≦160
式(4):80≦Tδi≦110
【請求項3】
前記ポリエステルフィルムが、熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と前記熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に合計51層以上積層された構成を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項4】
波長帯域400~700nmにおける平均反射率が40%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項5】
波長帯域1100~1400nmにおける平均反射率が40%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項6】
面積倍率1.2倍で成型した際の波長帯域400~700nmにおける平均反射率が40%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項7】
波長帯域400~700nmにおける平均反射率と、面積倍率1.2倍で成型した際の波長帯域400~700nmにおける平均反射率の比が、0.85以上1.15以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項8】
面積倍率1.2倍で成型した際の波長帯域1100~1400nmにおける平均反射率が40%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項9】
前記接着層が、前記ポリエステルフィルムと前記X層に直接接しており、ポリエステルフィルムの厚みをTb(μm)としたときに、Tbと前記Txi(μm)が下記式(5)を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
式(5):Txi/Tb≧0.8
【請求項10】
前記X層と前記接着層の間に溶剤浸透層を有し、前記溶剤浸透層の厚みTsi(μm)が、10μm以上40μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い金属調意匠性と成型性を有し、かつ優れた赤外線透過性および高温多湿環境下での白化抑制効果を有する積層フィルムに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
環境意識の高まりにより、建材、自動車部品、携帯電話、及び電機製品などの分野において、溶剤レス塗装、メッキ代替の加飾方法などの要望が高まっており、フィルムを用いた金属調加飾の導入が進んでいる。さらに近年は、自動車の自動運転技術の発展によるセンシングのニーズから、1500~1600nmの赤外線波長を用いたセンサを加飾部材の背面に設置するケースが増加している。そのため、加飾用フィルムには、金属調の意匠性と成型性に加え、赤外線透過性も求められており、実使用環境下での透過性の維持が課題となっている。
【0003】
フィルムを用いて金属調の加飾を施す方法としては、真空蒸着法またはスパッタリング法、イオンブレーティング法などの蒸着法を利用して、フィルムにアルミニウムやインジウム、クロム等を主成分とする意匠層を形成する方法(特許文献1)や、屈折率の異なる樹脂を多層積層したフィルムを用いる方法(特許文献2、3)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-201032号公報
特開2018-69552号公報
特開2022-129386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、インサート成型や真空圧空成型をはじめとした成型加工時の延伸により蒸着面の破損や隠蔽性の悪化が見られること、赤外線の透過性が十分でないことが課題であった。特許文献2に記載の技術では、赤外線透過性と金属調の意匠性の両立が困難であるという課題があった。また、特許文献3に記載の技術では、金属調の意匠性と成型性、赤外線透過性を有するものの、高温多湿環境下において積層フィルム内部での白化現象が発生し、意匠性や赤外線透過性を維持できないことが課題であった。そこで本発明は、金属調意匠性、成型性、及び赤外線透過性に優れ、かつ高温多湿環境下での白化抑制効果を有する積層フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の積層フィルムは以下の構成よりなる。すなわち、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着層、樹脂層(X層)をこの順に有する積層フィルムであって、前記ポリエステルフィルムのいずれかの面に積層された前記X層の厚みをTxi(μm)、前記積層フィルムの85℃における貯蔵弾性率をDra(MPa)、130℃における貯蔵弾性率をDfa(MPa)としたときに、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする、積層フィルムである。
【0007】
式(1):Dra×Txi≧3.0×10
5
式(2):Dfa≦2.20×10
3
。
【0008】
また、本発明の積層フィルムは上記課題の解決のために以下の構成とすることができ、さらに、これを用いて成型体や加飾部材とすることもできる。
[1] ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、接着層、樹脂層(X層)をこの順に有する積層フィルムであって、前記ポリエステルフィルムのいずれかの面に積層されたX層の厚みをTxi(μm)、前記積層フィルムの85℃における貯蔵弾性率をDra(MPa)、130℃における貯蔵弾性率をDfa(MPa)としたときに、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする、積層フィルムである。
式(1):Dra×Txi≧3.0×10
5
式(2):Dfa≦2.20×10
3
[2] 損失正接のピーク温度をTδi(℃)としたときに、下記式(3)を満たすTδi及び下記式(4)を満たすTδiが少なくとも1つずつ存在することを特徴とする、[1]に記載の積層フィルム。
式(3):130≦Tδi≦160
式(4):80≦Tδi≦110
[3] 前記ポリエステルフィルムが、熱可塑性樹脂Aを主成分とする層(A層)と前記熱可塑性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に合計51層以上積層された構成を有することを特徴とする、[1]または[2]に記載の積層フィルム。
[4] 波長帯域400~700nmにおける平均反射率が40%以上であることを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5] 波長帯域1100~1400nmにおける平均反射率が40%以下であることを特徴とする、[1]~[4]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6] 面積倍率1.2倍で成型した際の波長帯域400~700nmにおける平均反射率が40%以上であることを特徴とする、[1]~[5]のいずれかに記載の積層フィルム。
[7] 波長帯域400~700nmにおける平均反射率と、面積倍率1.2倍で成型した際の波長帯域400~700nmにおける平均反射率の比が、0.85以上1.15以下であることを特徴とする、[1]~[6]のいずれかに記載の積層フィルム。
[8] 面積倍率1.2倍で成型した際の波長帯域1100~1400nmにおける平均反射率が40%以下であることを特徴とする、[1]~[7]のいずれかに記載の積層フィルム。
[9] 前記接着層が、前記ポリエステルフィルムと前記X層に直接接しており、ポリエステルフィルムの厚みをTb(μm)としたときに、Tbと前記Txi(μm)が下記式(5)を満たすことを特徴とする、[1]~[8]のいずれかに記載の積層フィルム。
式(5):Txi/Tb≧0.8
[10] 前記X層と前記接着層の間に溶剤浸透層を有し、前記溶剤浸透層の厚みTsi(μm)が、10μm以上40μm以下であることを特徴とする、[1]~[9]のいずれかに記載の積層フィルム。
[11] 前記X層が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、及びポリスチレン樹脂から選択されるいずれかの樹脂を主成分とする層を少なくとも1層含む、[1]~[10]のいずれかに記載の積層フィルム。
[12] 前記Txi(μm)が100μm以上2000μm以下であることを特徴とする、[1]~[11]のいずれかに記載の積層フィルム。
[13] [1]~[12]のいずれかに記載の積層フィルムを有する、成型体。
[14] [1]~[12]のいずれかに記載の積層フィルム、もしくは[13]に記載の成型体を含んでなる、加飾部材。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、金属調意匠性、成型性、及び赤外線透過性に優れ、かつ高温多湿環境下での白化抑制効果を有する積層フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施態様である積層フィルムをフィルム面と垂直な面で切断したときの断面図である(X層が片面に存在し、X層を構成する層が1層である態様)。
本発明の一実施態様である積層フィルムをフィルム面と垂直な面で切断したときの断面図である(X層が両面に存在し、X層を構成する層が1層である態様)。
本発明の一実施態様である積層フィルムをフィルム面と垂直な面で切断したときの断面図である(X層が片面に存在し、X層を構成する層が2層である態様)。
本発明の一実施態様である積層フィルムをフィルム面と垂直な面で切断したときの断面図である(X層が両面に存在し、X層それぞれの厚みと主成分となる樹脂が異なる態様)。
実施例1~26および比較例1~5に示す積層フィルムを構成するポリエステルフィルムの設計層厚みと傾斜構造を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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