TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025083650
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197150
出願日2023-11-21
発明の名称積層体
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20250526BHJP(積層体)
要約【課題】常温及び高温環境下での難接着材質との密着力を維持しつつ、水濡れや湿度の影響により接着不良及び外観不良が発生せず、被着体の変形がない積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、層A、層Bを有する積層体であって、前記層Aは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有するフィルムであり、前記層Bは、ポリカーボネート樹脂を80.0質量%以上含有し、かつポリカプロラクトン樹脂を5.0質量%以上15.0質量%以下含有し、前記積層体を、界面活性剤を含む温度95℃の水溶液に浸漬した前後の前記積層体の全光線透過率は、ともに70%以上であることを特徴とする積層体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、層A、層Bを有する積層体であって、
前記層Aは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有するフィルムであり、
前記層Bは、ポリカーボネート樹脂を80.0質量%以上含有し、かつポリカプロラクトン樹脂を5.0質量%以上15.0質量%以下含有し、
前記積層体を、界面活性剤を含む温度95℃の水溶液に浸漬した前後の前記積層体の全光線透過率は、ともに70%以上であることを特徴とする積層体。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記層Bに含有されるポリカーボネート樹脂は、その分子鎖内に水酸基を含有し、前記層Bは2つ以上の流動開始温度を持ち、前記層Bの流動開始温度は100℃以上140℃以下であり、前記層Bの厚みは5μm以上40μmであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記層Bの流動開始温度が、低温側は-5℃以上25℃以下であり、高温側は40℃以上185℃以下であり、前記層Bの重量平均分子量が5000以上30000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記積層体の2つの表面の内、前記層Aにより形成される表面Aには、シリコーン樹脂が存在しており、前記シリコーン樹脂の量は、0.001kcps以上0.10kcps以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体。
【請求項5】
前記積層体が少なくとも層A、層B、層C、および、層Dをこの順で有する積層体であって、前記層Cが、ポリエチレンテレフタレート樹脂を45.0質量%以上含有し、前記層Dが、シリコーン樹脂を90.0質量%以上含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層体。
【請求項6】
前記層Bと前記層Cとの間の剥離力が、0.1N/cm以上1.0N/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の積層体。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の積層体と被着体とを積層してなる積層構造物であり、
前記被着体が、ポリカーボネート樹脂を含有し、
前記ポリカーボネート樹脂の含有量が、前記被着体の全体に対し50.0質量%以上であることを特徴とする積層構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般的にフィルムや紙などの基材を貼り合わせるために接着剤や粘着剤が使用される。その接着剤として使用される材料として、熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤がある。そして、ホットメルト接着剤は、使用される材料別ではゴム系、アクリル系、シリコーン系に分けられ、状態別では有機溶剤溶液、エマルション、固形(ホットメルトなど)、水溶液に分けられる。
【0003】
次に、ホットメルト接着剤の主な用途としては、難接着材質(ポリカーボネート:PC、ポリプロピレン:PP、ポリエチレン:PE、ポリテトラフルオロエチレン:PTFE、エチレンプロピレンジエンゴム:EPDMなど)の貼り合わせ、仮接着(銘板の粘着加工の他、ラベル、フィルムの粘着コーティングなど)、粘着部材への一次加工(両面粘着テープなど)、再剥離粘着(仮接着よりも再粘着性、易剥離性が要求される)などがあり、各々の用途に適したホットメルト粘着剤を選択する必要がある。
【0004】
一方で、近年では、電子デバイス部品等の複雑な形状への追従性、家電製品のヒーター部材への補修等による100℃を超える高温環境下での接着力維持、更には、多湿環境や水濡れ等による接着力低下防止や外観不良防止の要求を受けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-249474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記要求に対し、従来の熱可塑性樹脂では耐熱性及び耐水性が不十分であり、高温環境下での難接着材質との密着力維持に問題があったため、耐熱性向上、及び、耐水性向上を目的に熱可塑性樹脂を結晶化する提案(特許文献1)がされているが、様々な難接着材質に合わせて熱可塑性樹脂の変更が必要であり、また常温時に熱可塑性樹脂が硬化するため、複雑な形状に追従できず密着力が低下する等の問題があった。また結晶化することにより熱可塑性樹脂が白化し外観不良(不透明化)が発生したり、貼り合わせ時に難接着材質である被着体が貼り合わせ温度に耐えられず、反りや溶融などの変形が発生する。このような課題を解決するため、常温環境下及び高温環境下のいずれにおいても難接着材質との密着力が維持され、複雑な形状に追従でき、水濡れや湿度の影響による接着不良及び外観不良の発生が抑制され、貼り合わせ時に難接着材料の変形を抑制できる積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、次によって解決することを見出し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明の積層体は以下のとおりである。
(1)少なくとも、層A、および層Bを有する積層体であって、前記層Aは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有するフィルムであり、前記層Bは、ポリカーボネート樹脂を80.0質量%以上含有し、かつポリカプロラクトン樹脂を5.0質量%以上15.0質量%以下含有し、前記積層体を、界面活性剤を含む温度95℃の水溶液に浸漬した前後の前記積層体の全光線透過率は、ともに70%以上であることを特徴とする積層体。
(2)前記層Bに含有されるポリカーボネート樹脂は、その分子鎖内に水酸基を含有し、前記層Bは2つ以上の流動開始温度を持ち、前記層Bの流動開始温度は100℃以上140℃以下であり、前記層Bの厚みは5μm以上40μm以下であることを特徴とする(1)に記載の積層体。
(3)前記層Bの流動開始温度が、低温側は-5℃以上25℃以下であり、高温側は40℃以上185℃以下であり、前記層Bの重量平均分子量が5000以上30000以下であることを特徴とする(1)、(2)記載の積層体。
(4)前記積層体の2つの表面の内、前記層Aにより形成される表面Aには、シリコーン樹脂が存在しており、上記シリコーン樹脂量は、0.001kcps以上0.10kcps以下であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)前記積層体が少なくとも層A、層B、層C、および、層Dをこの順で有する積層体であって、前記層Cが、ポリエチレンテレフタレート樹脂を45.0質量%以上含有し、前記層Dが、シリコーン樹脂を90.0質量%以上含有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の積層体。
(6)前記層Bと前記層Cとの間の剥離力が、0.1N/cm以上1.0N/cm以下であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の積層体。
(7)(1)乃至(6)の何れかに記載の積層体と被着体とを積層してなる積層構造物であり、前記被着体が、ポリカーボネート樹脂を含有し、前記ポリカーボネート樹脂の含有量が、前記被着体の全体に対し50.0質量%以上であることを特徴とする積層構造物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、常温環境下及び高温環境下のいずれにおいても難接着材質である被着体との密着力が維持され、複雑な形状に追従でき、さらに、水濡れや湿度の影響による接着不良及び外観不良の発生が抑制され、貼り合わせ時に難接着材料の変形を抑制できる積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、層A、および層Bを備える本発明の積層体の一実施形態例の模式図である。
図2は、層A、層B、層C、および層Dをこの順に備える本発明の積層体の一実施形態例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の積層体は、少なくとも、少なくとも、層A、および層Bを有する積層体であって、前記層Aは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有するフィルムであり、前記層Bは、ポリカーボネート樹脂を80.0質量%以上含有し、かつポリカプロラクトン樹脂を5.0質量%以上15.0質量%以下含有し、前記積層体を、界面活性剤を含む温度95℃の水溶液に浸漬した前後の前記積層体の全光線透過率は、ともに70%以上であることを特徴とする積層体である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
織物
2か月前
東レ株式会社
積層体
2日前
東レ株式会社
織編物
21日前
東レ株式会社
濾過方法
1か月前
東レ株式会社
吸着材料
1か月前
東レ株式会社
複合半透膜
20日前
東レ株式会社
炭素繊維織物
16日前
東レ株式会社
多孔質構造体
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム
2か月前
東レ株式会社
強化繊維基材
1日前
東レ株式会社
強化繊維基材
1日前
東レ株式会社
CPUソケット
1か月前
東レ株式会社
CPUソケット
1か月前
東レ株式会社
不織布および衣料
1か月前
東レ株式会社
車両用衝撃吸収構造体
20日前
東レ株式会社
再生ポリエステル繊維
1か月前
東レ株式会社
多層積層複合断面繊維
1か月前
東レ株式会社
シート状物の検査方法
1か月前
東レ株式会社
浄水器用カートリッジ
13日前
東レ株式会社
濾過方法および濾過装置
14日前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
1か月前
東レ株式会社
樹脂フィルムの製造方法
12日前
東レ株式会社
塗膜付きシートの加熱装置
5日前
東レ株式会社
フィルム及びその製造方法
2か月前
東レ株式会社
織物および織物の製造方法
6日前
東レ株式会社
積層体およびその製造方法
1か月前
東レ株式会社
炭素繊維シートの製造方法
1か月前
東レ株式会社
強化繊維基材とその製造方法
1日前
東レ株式会社
ポリエステル繊維の製造方法
1か月前
東レ株式会社
ポリプロピレン系樹脂フィルム
22日前
東レ株式会社
半導体モールド用離型フィルム
21日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
8日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムの製造方法
2か月前
東レ株式会社
不織布およびワイピング用シート
1か月前
東レ株式会社
人工皮革および人工皮革の製造方法
1か月前
東レ株式会社
感光性樹脂組成物、硬化物、表示装置
1か月前
続きを見る