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公開番号2025084312
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023198109
出願日2023-11-22
発明の名称強化繊維基材
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 5/26 20060101AFI20250527BHJP(積層体)
要約【課題】賦形性と形態安定性に優れ、複雑形状であっても最終製品面に切り込みのない、高品位、高精度なプリフォームを安定して製造できる強化繊維基材を提供する。
【解決手段】強化繊維糸条を平行に引き揃えてなる強化繊維シートの片側表面または両面に不織布シートをステッチ糸で固定した強化繊維基材であって、(a)前記強化繊維基材の少なくとも一方の最外面に前記不織布シートが配置されており、(b)前記不織布シートが配置された前記強化繊維基材の最外面に露出した前記ステッチ糸の表面、前記強化繊維基材の最外面に配置された前記不織布シートを構成する繊維全体表面、または前記強化繊維基材の最外面に配置された前記不織布シートに面する前記繊維強化糸条表面のうち、少なくとも1つにプリフォーム用樹脂材料が固着しており、特定範囲の、(c)初期せん断剛性および(d)曲げ試験のピーク荷重を有する、強化繊維基材である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
強化繊維糸条を平行に引き揃えてなる強化繊維シートの片側表面または両面に不織布シートをステッチ糸で固定した強化繊維基材であって、
(a)前記強化繊維基材の少なくとも一方の最外面に前記不織布シートが配置されており、(b)前記不織布シートが配置された前記強化繊維基材の最外面に露出した前記ステッチ糸の表面、前記強化繊維基材の最外面に配置された前記不織布シートを構成する繊維全体表面、または前記強化繊維基材の最外面に配置された前記不織布シートに面する前記繊維強化糸条表面のうち、少なくとも1つにプリフォーム用樹脂材料が固着しており、
(c)初期せん断剛性が1.5×10
-5
N/mm/gsm以上2.1×10
-4
N/mm/gsm以下であり、
(d)曲げ試験のピーク荷重が2.7×10
-9
N/gsm3以上8.1×10
-9
N/gsm

以下であることを特徴とする、強化繊維基材。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記不織布シートの目付が10gsm以上50gsm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
【請求項3】
前記不織布シートの平均繊維径が1μm以上100μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
【請求項4】
前記不織布シートに固着した前記プリフォーム用樹脂材料の表面が平滑面であることを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
【請求項5】
前記不織布シートの表面の50%以上100%以下がプリフォーム用樹脂材料で被覆されることを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
【請求項6】
前記プリフォーム用樹脂材料の目付が3gsm以上50gsm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
【請求項7】
前記プリフォーム用樹脂材料が粒形であることを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
【請求項8】
前記プリフォーム用樹脂材料の平均粒径が50μm以上1000μm以下であることを特徴とする、請求項7に記載の強化繊維基材。
【請求項9】
前記プリフォーム用樹脂材料の融点Tmb(℃)が、前記不織布シートの融点Tmv(℃)および前記ステッチ糸の融点Tms(℃)よりも低いことを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
【請求項10】
前記ステッチ糸の固定方法がトリコット編みであることを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は注入成形法に好適に用いられる強化繊維基材に関する。さらに詳しくは、賦形性と形態安定性に優れ、複雑形状であっても最終製品面に切り込みのない、高品位、高精度なプリフォームを安定して製造できる強化繊維基材に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させたFRP(Fiber Reinforced Plastics)は、軽量かつ高強度という特性から、航空、宇宙、自動車用途などに広く用いられている。FRPの生産性と高強度を両立する成形法として、例えばレジン・トランスファー・モールディング法(Resin Transfer Molding:RTM)やVaRTM法(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)等の注入成形法が挙げられる。注入成形法は、マトリックス樹脂を予備含浸していないドライな強化繊維基材からなる強化繊維積層体を、成形型に配置して、液状で低粘度のマトリックス樹脂を注入することにより、後からマトリックス樹脂を含浸・固化させてFRPを製造する成形法である。
【0003】
注入成形法に用いられる強化繊維基材として、既定の目付を有する強化繊維の一方向層(強化繊維シート)を2軸や3軸などの複数方向に積層してなる積層体を、ステッチ糸により該積層体の厚み方向に貫通して縫合一体化した強化繊維基材が提案されている。この強化繊維基材は一枚で複数の強化方向を有するため、積層作業が簡略化され安価にFRPを得られるという利点がある。
【0004】
注入成形法は、FRPの生産性には優れるが、マトリックス樹脂を低粘度とする必要があるため、プリプレグに用いられる高粘度のマトリックス樹脂から成形されたFRPに比べて、力学特性を十分に発揮できない場合がある。そこで、上記に対する解決手段として、規定の目付を有する強化繊維シートと規定の厚みを有する熱可塑性繊維ウェブ(不織布シート)とを複数積層した強化繊維基材が提案されている。不織布シートを層間に配することで、構造体の耐衝撃性を特徴付けるのに一般的に用いられている衝撃後圧縮(CAI)試験における機械特性を改善することができる。
【0005】
三次元形状を有する製品の注入成形法では、予め強化繊維基材の積層体を製品形状に賦形し、固着一体化したプリフォームを用いる場合がある。プリフォームの製造工程は、所望寸法に裁断した強化繊維基材を積層して積層体とする積層工程、積層体を製品形状に賦形した後、加熱・冷却により一体化してプリフォームとするプリフォーム工程、プリフォームを保管場所まで搬送する搬送工程に分けられる。
【0006】
プリフォームの製造には、表面にプリフォーム用樹脂材料が予め固着された強化繊維基材が一般に利用されている。特許文献1には、2軸の強化繊維基材が複数枚積層され、これらを粒子や不織布シートなどの係合材料にて一体化した多層基材が例示されている。強化繊維糸条の配向方向の規定と、係合材料の融点とステッチ糸の融点との関係の規定により、賦形性と取扱性を改善させる技術が提案されている。
【0007】
次に特許文献2には、強化繊維基材の賦形性を向上させる技術として、強化繊維基材に切り込みを入れて強化繊維を部分的に切断する方法が例示されている。
【0008】
また、特許文献3には、プリフォーム用樹脂材料が表面に固着した強化繊維基材が例示されている。プリフォーム用樹脂材料を強化繊維基材の表面に固着させた後、該強化繊維基材を構成する複数本の強化繊維糸条の相対位置に変動を与えることで、2本以上の強化繊維糸条にまたがって固着するプリフォーム用樹脂材料を該2本以上の強化繊維糸条の一部から剥がした強化繊維基材が提案されている。
【0009】
さらに、特許文献4には、FRPの導電性を向上させる技術として、ポリマーと導電性材料との混合物からなる複合粒子を不織布シートに分散させた複合不織布シートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2011-102461号公報
特開2022―23119号公報
特開2007―56441号公報
特開2019―504128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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