TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025062211
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-14
出願番号2023171130
出願日2023-10-02
発明の名称積層体およびその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 5/28 20060101AFI20250407BHJP(積層体)
要約【課題】
繊維強化熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層とを、樹脂種の親和性に依存せずに、強固に接合することが可能な積層体を提供する。
【解決手段】
強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B)からなる層の表面に、多孔質構造を有する熱可塑性フィルム(C)が積層されてなる積層体であって、前記熱可塑性フィルム(C)の孔部の径が0.01μm以上30μm以下である積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B)からなる層の表面に、多孔質構造を有する熱可塑性フィルム(C)が積層されてなる積層体であって、前記熱可塑性フィルム(C)の孔部の径が0.01μm以上30μm以下である積層体。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記熱可塑性フィルム(C)の孔内に前記熱硬化性樹脂(B)の一部が含まれてなる、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記熱可塑性フィルム(C)の厚みが1μm以上500μm以下である請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記熱可塑性フィルム(C)が荷重たわみ温度100℃以上の樹脂を含む、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項5】
前記熱可塑性フィルム(C)の多孔質構造において、フィブリル化した部分を含む請求項1または2に記載の積層体。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂(B)が、未硬化の熱硬化性樹脂である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項7】
前記熱硬化性樹脂(B)が、硬化した熱硬化性樹脂である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項8】
未硬化の熱硬化性樹脂(B)と強化繊維(A)とを含むプリプレグの少なくとも一方の表面に、多孔質構造を有する熱可塑性フィルム(C)を積層した後に、加熱および加圧により多孔質構造を有する熱可塑性フィルム(C)の孔部に熱硬化性樹脂(B)を含浸させるステップを有する、積層体の製造方法。
【請求項9】
前記未硬化の熱硬化性樹脂(B)を硬化させるステップを追加で有することを特徴とする、請求項8に記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
加熱および加圧により多孔質構造を有する熱可塑性フィルム(C)の孔部に熱硬化性樹脂(B)を含浸させるステップと同時に前記未硬化の熱硬化性樹脂(B)の硬化を行う、請求項8に記載の積層体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化熱硬化性樹脂層と熱可塑性フィルムの積層体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
強化繊維を熱硬化性樹脂と複合化させた繊維強化複合材料は、軽量性、力学特性および寸法安定性等に優れることから、航空機をはじめとした輸送機器、電気・電子機器、スポーツ用品、建築材料などの幅広い分野で活用されている。このような繊維強化複合材料は、その表面に熱可塑性樹脂部材を接着して使用される場合がある。そのため、繊維強化複合材料の表面に熱可塑性樹脂層を付与し、当該熱可塑性樹脂層を介して熱可塑性樹脂部材を溶着しようとする試みがなされている。
【0003】
その一例として、特許文献1や非特許文献1には、繊維強化複合材料の前駆体である硬化前のプリプレグに、熱硬化性樹脂と比較的親和性の高い熱可塑性樹脂のフィルムを配置し、プリプレグの熱硬化性樹脂とフィルムの熱可塑性樹脂とが混和した混和層を界面に形成させることでプリプレグとフィルムとを接合し、熱可塑性樹脂層を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2022/181423号
【非特許文献】
【0005】
Investigation on Energy Director-less Ultrasonic Welding of Polyetherimide (PEI)- to Epoxy-based Composites. (Composites Part B: Engineering Volume 173,15 September 2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1や非特許文献1に示されている手法は熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂種の親和性のみでプリプレグとフィルムを接合しているため、適用できる樹脂に制限があった。本発明の目的は、繊維強化熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層とを、樹脂種の親和性に依存せずに、強固に接合することが可能な積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B)からなる層の表面に、多孔質構造を有する熱可塑性フィルム(C)が積層されてなる積層体であって、前記熱可塑性フィルム(C)の孔部の径が0.01μm以上30μm以下である積層体である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の積層体の構成により、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の樹脂種に依存することなく、繊維強化熱硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層とを強固に接合することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の積層体およびその製造方法について詳しく説明する。
【0010】
本発明の積層体は、強化繊維(A)と熱硬化性樹脂(B)からなる層(以下、「繊維強化熱硬化性樹脂層」という)と、多孔質構造を有する熱可塑性フィルム(C)が積層されてなる積層体であって、前記熱可塑性フィルム(C)の孔部の径が0.01μm以上、30μm以下である積層体である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許