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公開番号2024145049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057281
出願日2023-03-31
発明の名称急結混和材及び吹付コンクリート
出願人太平洋マテリアル株式会社
代理人
主分類C04B 22/08 20060101AFI20241004BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】ポンプ等で圧送する際に詰まることのない良好な圧送性を有し、且つ、付着性及び急結性に優れる急結混和材及び吹付コンクリートを提供すること。
【解決手段】化学成分としてのCaOとAl2O3の含有モル比(CaO/Al2O3)が2.0~2.7のカルシウムアルミネート、アルカリ土類金属硫酸塩及び硫酸アルミニウムを含み、カルシウムアルミネートの含有量が、急結混和材全質量を基準として55~70質量%であり、カルシウムアルミネート及びアルカリ土類金属硫酸塩の質量比([カルシウムアルミネートの質量]/[アルカリ土類金属硫酸塩の質量])が、無水物換算で1.4~2.85であり、アルカリ土類金属硫酸塩及び硫酸アルミニウムの質量比([硫酸アルミニウムの質量]/[アルカリ土類金属硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.01~0.15である、急結混和材。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
化学成分としてのCaOとAl



の含有モル比(CaO/Al



)が2.0~2.7のカルシウムアルミネート、アルカリ土類金属硫酸塩及び硫酸アルミニウムを含み、
前記カルシウムアルミネートの含有量が、前記急結混和材全質量を基準として55~70質量%であり、
前記カルシウムアルミネート及び前記アルカリ土類金属硫酸塩の質量比([カルシウムアルミネートの質量]/[アルカリ土類金属硫酸塩の質量])が、無水物換算で1.4~2.85であり、
前記アルカリ土類金属硫酸塩及び前記硫酸アルミニウムの質量比([硫酸アルミニウムの質量]/[アルカリ土類金属硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.01~0.15である、急結混和材。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
アルカリ金属硫酸塩を更に含む、請求項1に記載の急結混和材。
【請求項3】
セメント、骨材、水、及び、請求項1又は2に記載の急結混和材を含み、
前記急結混和材の含有量が、前記セメント100質量部に対して5~20質量部である、吹付コンクリート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、急結混和材及び吹付コンクリートに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
トンネル、採掘抗、地下空間等において、掘削面の崩壊防止、採掘時又は掘削後の地山補強の観点から吹付コンクリートが施工されている。吹付コンクリートは急結性によって施工対象物への付着性を担保している。急結性付与のために急結成分をコンクリートに混和し、例えば、カルシウムアルミネートやアルミン酸ナトリウム等を有効成分とする粉体急結剤は、強力な急結性を付与でき、液体急結剤と比べると強度的にも高いコンクリートが得られやすい。吹付コンクリートの一般的な施工法である湿式吹付工法では、例えば、少なくともセメント、水及び骨材を秤量・混合してベースコンクリートを作製し、アジテーター車等を介した上で、施工時に吹付装置にポンプ圧送する。吹付装置内では別送の粉体又は液体の急結剤を圧送中のベースコンクリートに添加し、吹付装置の吹付ノズル内で混合を進めて吹付コンクリートを形成し、これをノズル端孔から吹付ける。また、もう一つの施工法である乾式吹付工法では、水及び液体以外の少なくともセメントと骨材と粉体急結剤を秤量・混合してドライミックスコンクリートを作製し、これをその貯留槽等から施工時に吹付装置まで空気圧送する。吹付装置内では圧送中のドライミックスコンクリートに水を添加し、吹付ノズルに圧送されるまでに混合を進めて吹付コンクリートを形成し、同様に吹き付ける。何れの工法でも、吹付装置内の急結成分が水と接する地点(接水地点)から吹付ノズル端の吐出孔までを移動する間に、混合がなされて吹付コンクリートが形成される。混合に使われる距離は通常は数十cm~数mの距離であり、その移動時間が混合時間になる。一般にこの距離が長いほど混合が進み、混合性が高まり、組織的にも性状的にもより均一なコンクリートを得やすくなる。
【0003】
このような吹付コンクリートを得るために、混和される粉体状の急結材は、前述した急結成分に諸性状を調整する助剤が加えられたものが一般的である。例えば、化学成分としてのCaO含有量を多くしたカルシウムアルミネートに、硬化促進のセッコウを配合し、これらに初期強度発現性を高めるアルミン酸ナトリウムや凝結促進の炭酸ナトリウム等加えた高アルカリ化の従来の代表的な粉体急結材(例えば、特許文献1及び2参照。)では、高い急結性と初期強度発現性の付与作用の具備を一義的な目的としている。このため、急結材が水と接した後、極短時間で凝結が起こる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-121763号公報
特許第5129955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の粉体急結剤では、ポンプで詰まりなく圧送することができ、壁等への付着も良好で急結性に優れるという特性が求められていた。近年では急結剤の諸性能を維持しつつ、CO

削減等の要求からカルシウムアルミネートの含有量の低減も求められている。
【0006】
したがって、本発明は、ポンプ等で圧送する際に詰まることのない良好な圧送性を有し、且つ、付着性及び急結性に優れる急結混和材及び吹付コンクリートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者が上記課題について鋭意検討した結果、アルカリ土類金属硫酸塩に対するカルシウムアルミネート及び硫酸アルミニウムの含有量を調整することで、圧送性に優れ、付着性や急結性にも優れる急結混和材及び吹付コンクリートが得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]化学成分としてのCaOとAl



の含有モル比(CaO/Al



)が2.0~2.7のカルシウムアルミネート、アルカリ土類金属硫酸塩及び硫酸アルミニウムを含み、カルシウムアルミネートの含有量が、急結混和材全質量を基準として55~70質量%であり、カルシウムアルミネート及びアルカリ土類金属硫酸塩の質量比([カルシウムアルミネートの質量]/[アルカリ土類金属硫酸塩の質量])が、無水物換算で1.4~2.85であり、アルカリ土類金属硫酸塩及び硫酸アルミニウムの質量比([硫酸アルミニウムの質量]/[アルカリ土類金属硫酸塩の質量])が、無水物換算で0.01~0.15である、急結混和材。
[2]アルカリ金属硫酸塩を更に含む、[1]に記載の急結混和材。
[3]セメント、骨材、水、及び、[1]又は[2]に記載の急結混和材を含み、急結混和材の含有量が、セメント100質量部に対して5~20質量部である、吹付コンクリート。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポンプ等で圧送する際に詰まることのない良好な圧送性を有し、且つ、付着性及び急結性に優れる急結混和材及び吹付コンクリートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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